あなたの人生にかかわる衝撃的事実リスト【英語編】【図解】人生の大問題

世界の2人に1人は英語をしゃべる時代。英語力のあるなしは企業の収益力にも影響するの? 所得への影響は? TOEICのスコアと利益、収入の関係をデータを基にひも解きます。

» 2011年12月22日 11時30分 公開
[永田豊志,Business Media 誠]

 本連載は「人生の大問題を図解する!」(光文社)の内容からポイントだけをピックアップしています。読者の皆さんのライフプランを見直し、後悔しない人生を送るための手助けになればと願っています。

 人生の重大事の中から「お金」「語学力」「仕事」「家族」「思考力」という5つのテーマで衝撃的かつ客観的なデータを幾つか紹介します。今回は「人生の大問題、衝撃的な事実リスト<英語編>」です。

 ニュースなどで取り上げられたものもありますが、あらためてこの世の中に起こっている大きなトレンドをつかんでみてください。

英語(語学力)の大問題ヘッドライン

  • アジア諸国の英語力ランク、日本は30位中27位。トップはシンガポール、2位はインド、3位はマレーシア。上位国は全て成長率5%を超える。語学力の弱さは国の成長を阻害する?
  • 日本の上級管理職の昇進条件はTOEIC 700点程度。韓国のサムソン電子やLGエレクトロニクスの新卒採用の条件はTOEIC 900点以上。企業の英語力は収益力にも影響?
  • 英語が使えると男性で18%、女性で40%の所得格差になる。50代の男性ではさらに大きく、43%もの年収の差になる! TOEICのスコアと年収には大きな相関関係が?

世界の2人に1人は英語をしゃべる

 母国語、公用語が英語でなくても、多くの人がビジネスや生活のために英語を使っています。レベルにこだわらなければ、英語を話す人は総勢34億人。つまりネイティブにこだわらなければ世界の2人に1人は英語でコミュニケーションが取れる計算になります。ネットの情報も7割方は英語で書かれているといわれます。

 そんなコミュニケーションツールである英語ですが、あなたは話せるグループ? それとも話せないグループ?

企業の英語力は収益力にも影響?

 ここでは、英語力にまつわる幾つかのデータを見て見たいと思います。

 多くの企業が昇進の条件に語学力を掲げていますが、条件は課長クラスでTOEICのスコアが600点前後、上級管理職で700点程度。一方、韓国の大手企業は新卒でも900点が求められます。

 ちなみに2009年の決算では、国内主要電機メーカー6社全ての営業利益を足しても、サムソン電子1社の利益を下回りました。語学力と企業の収益性にはそれなりに相関関係がありそうです。

アジア諸国の英語力ランク、日本は30位中27位

 アジア諸国の国別成長率(2010年度)は、シンガポールが14%、インドが8.5%、マレーシアが6.8%。一方、日本は3.1%でした。国別成長率と語学力(TOEFLスコア)にも大きな相関関係が見られます。それにしても、30位中、27位とは先進国の結果とは思えませんね。

TOEICなどのテストプログラムを開発している非営利機関ETS(Educational Testing Service)や各企業のWebサイト情報を基に作成

英語が使えると男性で18%、女性で40%の所得格差になる

 2005年に大阪府立大学の鹿野繁樹准教授(当時は講師)が1万4000人のビジネスパーソンを対象に大規模な客観的調査を行ったところ、驚くべきデータが明らかになったのです。それは英語が使えると見出しにあるような大きな所得差になるというもの。特に年齢が高くなるほど、性別では女性ほど所得格差が大きくなる傾向がありました。

 また「プレジデントファミリー」(2008年5月号)の「英語が喋れると、年収が高くなるのか?」(上)、国税庁(下)のデータを見ると、スコアが高くなるほど、それにスライドして年収も多くなる傾向が見て取れます。一番下は全国平均ですから、語学力が年収に与える影響力の強さが見て取れます。

 いかがでしょう? 人生の大問題を図解する! では、これからの人生に求められる能力を磨くため、そして豊かに暮らすための「小さなアクション」を紹介しています。勉強を始めるのに「手遅れ」はありません。ぜひ、皆さんも新しい年に将来に向けた第一歩を踏み出してみてください。

 次回は「仕事の大問題」です。

集中連載『【図解】人生の大問題』について

『人生の大問題を図解する!』 『人生の大問題を図解する!』(永田豊志・著、光文社・刊、四六判/251頁、本体1524円)

 本連載の内容は、2011年12月に発売された『人生の大問題を図解する!』をもとに作成しています。

 「図解思考」シリーズでおなじみの著者・永田豊志が、これから始まる“とんでもない未来”に、私たち日本人が生き残るための「5つの戦略」を、豊富な図解で解説します!!

 本書は、これから生き延びていくために重要な5つのテーマ、すなわち「お金」「英語(語学力)」「仕事」「家族」「思考力」のそれぞれについて、ショートストーリー、関連データ、アクションプランの3部立てで図解し、一緒に考えてもらう構成になっています。

 「何となく危ないのは分かるけど、本当のところはよく分からない」という問題も、できるだけ分かりやすく描いてみました。 (冒頭の挨拶文より)


目次

  • プロローグ:「日本沈没」に負けないチカラ
  • 第1章:「お金」を生み出す源泉はどこに?
  • 第2章:本当に「英語」が必要なんですか?
  • 第3章:「仕事」の死は突然やってくる?
  • 第4章:「家族」はどこへ消えた?
  • 第5章:「思考力」次第でエリートになれる?

著者紹介 永田豊志(ながた・とよし)

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 知的生産研究家、新規事業プロデューサー。ショーケース・ティービー取締役COO。

 リクルートで新規事業開発を担当し、グループ会社のメディアファクトリーでは漫画やアニメ関連のコンテンツビジネスを立ち上げる。その後、デジタル業界に興味を持ち、デスクトップパブリッシングやコンピュータグラフィックスの専門誌創刊や、CGキャラクターの版権管理ビジネスなどを構築。2005年より企業のeマーケティング改善事業に特化した新会社、ショーケース・ティービーを共同設立。現在は、取締役最高執行責任者として新しいWebサービスの開発や経営に携わっている。

 近著に『知的生産力が劇的に高まる最強フレームワーク100』『革新的なアイデアがザクザク生まれる発想フレームワーク55』(いずれもソフトバンククリエイティブ刊)、『頭がよくなる「図解思考」の技術』『プレゼンがうまい人の「図解思考」の技術』『ノート・手帳・メモが変わる絵文字の技術』(中経出版刊)がある。

連絡先: nagata@showcase-tv.com

Webサイト: www.showcase-tv.com

Twitterアカウント:@nagatameister


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