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» 2004年12月07日 07時12分 UPDATE

3G通信カードをマルチロケーションでチェック (1/3)

国内で3Gサービスを展開中の3キャリアから、CF通信カードが出揃った。前回は料金面の比較を行ったが、今回は各所でスループット計測を行い、それぞれのカードを実際に使用した時の実力を検証してみた。

[坪山博貴,ITmedia]

 CFタイプの3G通信カードは、auの「W02H」の登場により各社出揃ったことになる。前回はこの3G通信カードについて料金面での比較を行った(11月11日の記事参照)。ただしデータ通信においては料金面も重要だが、もうひとつ、利用可能エリアと実通信速度も重要なファクターである。

 もし通信速度を気にしないのであれば、すでに利用可能エリアが広く、料金も完全定額制を実現しているAirH"@FreeD、AirH"のインフラを利用したbモバイルといったサービスがあり、そちらを利用したほうがよいからだ。

3gcf1.jpg 左からボーダフォンの「V701SI」、ドコモの「P2402」、KDDIの「W02H」

 そこで今回は、複数の場所や同一の場所での異なる時間帯といった複数のロケーションにおいて、3社の3G通信カードがどれだけの実通信速度を出せるかを検証してみた。検証を行ったのは10月末の数日間で、検証場所は具体的な位置を、住所・店舗名も併せて明示しておく。

 実通信速度の計測には、送受信の通信速度が計測可能で、その精度にも定評のある通信速度計測サイト「Radish Network Speed Testing」を利用した。計測はインターネットにダイヤルアップで接続後、接続状態を安定させる意味で1分ほど時間を置き、ITmedia mobileのトップページにアクセスしてから3回ずつ行った。ISPは、FOMAがmopera、auがau.net、ボーダフォンがAccess Internetと、各キャリアの提供するISPサービスを利用している。

キャリア 端末名 通信方式 下り最大速度 上り最大速度
ドコモ P2402 W-CDMA(FOMA) 384Kbps 64Kbps
KDDI W02H EV-DO(WIN) 2.4Mbps 144Kbps
ボーダフォン V701SI W-CDMA(Vodafon 3G) 384Kbps 64Kbps
各キャリアのCF型3Gデータ通信カード

平日のデイタイム、複数場所での通信速度比較〜繁華街

 まずは平日のデイタイム。具体的には11:00〜16:00の時間帯で、複数場所での計測を行った。計測は複数日にまたがってしまったが、条件を合わせて行っているため、計測日により大きなばらつきが生じることはないはずだ。

 場所は、基地局密度が高くトラフィックも多めの繁華街として、東京都大田区の蒲田駅と、神奈川県川崎市の川崎駅の2カ所を選んだ。いずれも商店街にあるファーストフードショップの窓際での計測だが、地下街や屋根が架かったアーケードの中ではなく、電波状態も良好な場所だ。蒲田と川崎というロケーションは、筆者の行動圏にある繁華街という選定条件から選んだもので、他意はない。

1回目2回目3回目平均
受信FOMA52.00Kbps54.34Kbps53.44Kbps53.26Kbps
WIN397.50Kbps116.30Kbps432.30Kbps315.37Kbps
V3G351.10Kbps335.20Kbps358.30Kbps348.20Kbps
送信FOMA29.86Kbps34.02Kbps30.31Kbps31.40Kbps
WIN80.33Kbps120.10Kbps109.40Kbps103.28Kbps
V3G61.30Kbps62.30Kbps61.30Kbps61.63Kbps
繁華街1:東京都大田区蒲田5-28-4(モスバーガー蒲田東口店)
1回目2回目3回目平均
受信FOMA217.40Kbps237.70Kbps223.90Kbps226.33Kbps
WIN351.90Kbps237.90Kbps279.10Kbps289.63Kbps
V3G380.60Kbps373.50Kbps374.70Kbps376.27Kbps
送信FOMA56.27Kbps53.68Kbps53.56Kbps54.50Kbps
WIN94.95Kbps127.30Kbps67.90Kbps96.72Kbps
V3G61.30Kbps60.84Kbps61.54Kbps61.23Kbps
繁華街2:神奈川県川崎市川崎区駅前本町5番地(ミスタードーナツ 川崎駅前ショップ)

 この繁華街2カ所では受信でVodafone 3Gがトップ、送信でWINがトップという結果になった。

 それぞれを詳しく見ていくと、FOMAは川崎駅近辺では標準的な受送信速度だが、蒲田駅近辺では受信が50Kbps台、送信が30Kbps台とどちらも遅くなる。送受信共に遅いことから、基地局密度の高い地域にもかかわらず、電波状態がよくないと感じられた。WINはFOMAに比較するとバラツキが大きく、その結果、受信ではVodafone 3Gの後塵を拝した。Vodafone 3Gは理論限界値に近く、2カ所ともに安定した速度を見せた。

 次に基地局密度、トラフィックともに平均的な場所という理由により、住宅地である神奈川県川崎市久地、茅ヶ崎市中海岸(夏場は観光地だが)、これに加えて、筆者が所要で出かけた静岡県富士市久沢の幹線道路沿いの施設、さらに若干例外だが、高速道路沿線、東京から富士市久沢への経路上にある東名高速中井パーキングエリア(下り車線)を加えた計4カ所で計測を行った。

PA1.jpg
中井PAには野良猫(?)が大量に闊歩しており、計測作業も猫に囲まれて行うことになった。筆者は猫好きなので悪い気はしなかったが、屋外で猫に囲まれてPCを使っている姿は、なかなかシュールな光景であったであろう
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