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» 2005年07月25日 19時22分 UPDATE

韓国携帯事情:携帯電話で健康測定──盛り上がる携帯ヘルスケア市場

韓国では、体脂肪や歩数、紫外線や飲酒測定機能を持つ携帯電話も登場。さらにZigBee搭載端末を使い、病院へ行かなくても診断を受けられる「uヘルスケアサービス」も始まる。

[佐々木朋美,ITmedia]

 韓国では昨年「Well-Being」という言葉が流行し、日常にすっかり定着している。これは体に良いものを食べ、心身ともに健康的に暮らすという健康志向のライフスタイルのこと。こうした流行に伴い、携帯電話でもWell-Being機能を取り入れる端末が登場している。

 携帯電話でヘルスケアを行うという、KTや大田市による計画も進行中だ。

ヘルスケアに特化した携帯電話が各社から登場

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Anycallの「SPH-E3330」。端末を折りたたんだ状態から自動的に開けられるボタンが付いている

 Well-Being機能を搭載する携帯電話は、昨年末頃から少しずつ出始めている。Anycallからは、体脂肪測定機能や万歩計機能が付いた「SPH-E3330」が販売されている。万歩計機能は、身長と体重を入力し万歩計機能を実行すると歩数を測ることができる。体脂肪は測定器が別途必要で、携帯電話に性別や身長、体重を入力したのち、測定器に両親指を当てながら携帯電話と赤外線通信をすると、携帯電話に体脂肪が表示されるという仕組みだ。

 またPantech & Curitelからは、ジョギングをする人のための「Running Mate」機能を持つ「PH-S6500」が出ている。携帯電話に身長や体重、歩幅などを入力した後、端末を身につけてジョギングを行うと、運動距離と速度、消費カロリーなどが表示され、自分がどれほど運動をしてどれほどの成果があったのかが一目瞭然となる。羅針盤や高度計、気圧計も内蔵されているので、登山をする人にも最適だ。

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Pantech & Curitelの「PH-S6500」。3D加速度センサーを搭載し、Running Mate機能や携帯電話を左右上下に傾けることでゲームのキャラクターを動かせるPhone Joystick機能など、センサーを活かした機能が満載だ

 SKYからは、銀ナノコーティングの携帯電話がいくつか出されている。銀ナノとは、銀をナノの小ささまで細かくした素材で、殺菌、抗菌、防臭などの効果がある。PictBridge機能搭載の「IMT-8100」や、同社いわく、「世界最初の銀ナノコーティングフォン」である「IM-7400」などが、それにあたる。

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SKYの「IM-7400」(右)とIM-8100(左)。両者とも、搭載されているカメラは1.1Mピクセルで、180度回転する

 CYONからも、ユニークなヘルスケアフォンが出されている。スポーツカーデザインの「LG-SD410」には飲酒測定機能が内蔵されており、本体横に付いている飲酒センサーに息を吹きかけると飲酒量を測定し結果が画面に表示される。結果表示がスポーツカーフォンらしく、「運転しても大丈夫です」「事故の危険性が高いです。絶対に運転しないでください」などとなっているのがユニークだ。またLG-KP3400は、別売りの採血キットと一緒に使うことで、血糖値を調べられるヘルスケアフォンとして知られている(5月30日の記事参照)

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CYONの「LG-KP3400」。演歌「オモナ」を採用したCMで人気を博した「オモナ」フォンに、ヘルスケア機能を搭載したもので、「Well-Beingオモナフォン」の愛称で呼ばれている(3月15日の記事参照)
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このほか、EVERからはUVセンサーで紫外線指数を知ることができる「KTF-6500」が出ている。紫外線遮断指数値(SPF)も表示してくれるので、外出の際に役立ちそうだ。右のMotorolaのスリムフォン「RAZR」ことMS500には、ヨガや指圧の方法を絵つきで紹介してくれるガイドや、カロリーを記録できるダイエット日記機能も付いている(左)

KTや大田市による「uヘルスケアサービス」

 今年2月、KTが「uヘルスケアサービス」への進出を発表した。携帯端末などで血糖値や心電図などを測定し、そのデータを病院に送ることで、病院に行かずとも診断を受けられるというサービスだ。

 同社は同月、ソウル近郊の盆唐市にあるソウル大学病院やPantech & Curitel、医療関係ソリューションを提供する企業などとシステム構築のための技術開発契約を結んでいる。「Zプロジェクト」と呼ばれているこのシステムが構築されれば、ZigBee搭載の専用端末機で血糖値などの測定データがサーバへ送られ、これを参考に病院からアドバイスなどを受けられる仕組みとなっている。

 Pantech & Curitelによる専用端末機に搭載されるZigBeeモジュールは、内蔵と外付けの2通りが考えられており、内蔵の場合にはキャリアと連携して、外付けの場合はキャリアとは別途の運営が行われるとの構想が発表されている。

 一方、ソウル市から車で2時間ほど離れた場所にある大田市では、9月から「uヘルスケア試験サービス」を行うと発表した。これは大田市庁を始め、韓国生命工学研究所および大田市所在の7カ所の総合病院、ヘルスケア専門企業であるヘルスピアとの協力により実現するものだ。

 システム的には、前述の「Zプロジェクト」と似ている。血圧や血糖値といった測定データを携帯端末で測定・送信すると、それがWebサイト上で確認できるようになるほか、病院からのアドバイスも受けられるようになる。同市では最初に、糖尿病に関連したサービスを行い、その後、血圧や心電図などにサービス拡大を行っていく予定だ。

 大田市庁職員によると、「試験サービスはだいたい3〜6カ月ほど行われる予定。サービスを有料化して本格的なサービスに入ることも考えてはいるが、それは結果次第。まだ準備期間中でもあり、先は見えない状態」という。携帯電話によるヘルスケアサービスは、まだ最初の一歩を踏み出したばかりだ。


佐々木朋美

 プログラマーを経た後、雑誌、ネットなどでITを中心に執筆するライターに転身。現在、韓国はソウルにて活動中で、韓国に関する記事も多々。IT以外にも経済や女性誌関連記事も執筆するほか翻訳も行っている。

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