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» 2007年03月23日 15時55分 UPDATE

携帯の大画面をステレオスピーカーに──オーセンティックの第2世代「SoundVu」

オーセンティックは3月23日、ディスプレイのパネル面をスピーカーとして活用する「SoundVu」の薄型化、ステレオ化、高音質化を進め、厚さ2.4ミリの第2世代製品を開発したと発表した。ワンセグ端末など、高機能携帯への搭載を働きかけていく。

[園部修,ITmedia]
Photo 第2世代のSoundVuを組み込んだデモモジュール。ディスプレイのサイズは約2.8インチ相当だという

 オーセンティックは3月23日、ディスプレイのパネル面から音声を出す「SoundVu」の第2世代製品を商品化したと発表した。

 SoundVuは、薄型の圧電方式DMアクチュエータを利用して、ディスプレイ前面のパネルを振動させ、音声を発生させるスピーカーシステムだ。ディスプレイを持つデバイスなら、たいていのものに違和感なく搭載できるうえ、画面から音が前に出てくるため、良好な音像の定位が得られる。

PhotoPhotoPhoto デモは約2.8インチ相当のディスプレイをイメージしたモジュールで行われた。第2世代圧電方式DMアクチュエータは幅4.7×長さ34.5×厚さ2.4ミリで、重量は約1.8グラム

 大型のアクチュエータは、2002年9月からNEC製のデスクトップPCやノートPCに採用されている。また携帯電話向けの小型モジュールも、第1世代の製品が、2005年2月に発売されたNEC製のドコモ向けPDC端末「N506iS」や、2005年7月に発売された東芝製のソフトバンクモバイル(旧ボーダフォン)向けPDC端末「V501T」などに採用された実績がある。ただ、第1世代の製品はモノラルのみで、音質や音圧の面でも携帯電話に採用されている一般的なスピーカーを完全に置き換えられるだけの性能はなかったという。

Photo 上が第1世代のアクチュエータで、下が第2世代の試作機。左上にあるのがもっとも初期の原理試作で、右上が第1世代の量産品だ

 新たに商品化した第2世代のSoundVuでは、薄型化と高音質化を進め、構造や共振周波数を見直して、ステレオにも対応した。アクチュエータのサイズは厚さ4ミリから2.4ミリへと薄くなっているが、音質や音圧は既存の携帯電話用スピーカーと同等のレベルを実現している。さらにSoundVu専用のバーチャルサラウンドソフトも用意しているため、これを組み込めば携帯端末などでも十分に広がりのある音が再生可能になった。

 小型・軽量化のため、落下時の衝撃を吸収するための部材が第1世代のものより少なくなっているが、これは高層ビルなど耐震機能として採用されている“柔構造”の考え方を導入したためで、「詳細は話せないが、耐衝撃性は第1世代のものと変わらない」という。

 「ディスプレイが大型化する一方で、端末は薄型化や小型化が必要になっています。音質のいい、口径の大きなスピーカーを搭載するのはなかなか難しく、最近はワンセグ対応端末の中にステレオ対応をあきらめたと思われる端末も見かけます。しかし第2世代のSoundVuなら、ディスプレイの保護用としてもともとある大型のパネルを振動板に使い、高品質な音の再生が可能です。端末によっては、スピーカーが底面などに用意されている場合がありますが、SoundVuはスピーカーから前に音が出るので音もいい。ダイナミックレンジも300Hz〜8kHzと広いのも特徴です」(説明員)

 またSoundVuならではの特徴として、音を出すための穴が不要なため、防水機能を実現する際などにも有効であるほか、画面全体から音声が出るため、受話時にはレシーバーの穴を耳に合わせる必要がなく、ディスプレイのどこかを耳に近づけるだけで相手の声が聞こえるというメリットもある。

PhotoPhoto 第2世代のSoundVuの特徴を紹介したパネル。ディスプレイの大型化と端末の高機能化が進んでいる現状で、前面に高音質な音声が出力できるSoundVuのメリットを説く

 オーセンティックでは「できればパネルとアクチュエータのセットで提供したい」としているが、実際の供給形態は端末メーカーとの話し合いによって決まっていくという。基本的にはアクリルパネルでの利用を想定しているが、ガラスなどでも「まだ性能面で検討の余地はあるものの、対応することは可能」。

 価格は、通常のスピーカーよりは高くなってしまうものの、現在複数の端末メーカーと交渉中だという。仮に採用されれば、「おそらく2008年の春モデルくらいの時期」には実際に第2世代のSoundVuを搭載した端末が発売されるとのことだった。

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