契約書を見てみると、こちらから契約プランを指定することなく、自動的に「一番安いプラン」にしてくれていた。基本料金はわずかに5元/月(約75円)。なお、今回は端末をセットで安く購入したため、着メロサービスのようなオプションプランへの自動加入も必要とのこと。そのオプションも11元/月(約160円)だ。すなわち、合計の基本料金は16元/月(約235円)となる。このあたり金額は格安ではあるが、日本国内の携帯契約方法と似たような面がある。
料金の支払い方法は、“契約”ではあるもののプリペイド方式となる。すなわち、毎月基本料金を自動引き落としされたり、クレジットカードで毎月支払うものではない。残高追加カードを購入し、自分の電話番号に基本料金以上の金額を常に残しておけばよい。残高の追加は市中で市販される中国電信のテレホンカードが利用できる(ただし広東省のもの。他都市・省のものは利用できない)。このようにプリペイドで利用できるからこそ、非居住者の外国人でも簡単に契約できるわけである。
また、契約を行ったのだからいつかは解約する必要が生じてくる。しかし、解約手続きを行わなくとも残高がマイナスの状態で3カ月が過ぎると自動的に契約が解除されるとのことである。数日程度の短期滞在用に契約した場合も、日本帰国後に放置しておいてよいわけだ。特に解約手続きの心配をしなくてよいのが安心だ。
契約書に目を通した後は、サインして代金を支払う。端末代金580元のほかに手続き費用として50元(約740円)が必要。支払いが終わるとPIMカードと領収書が渡されるので、それを再び、先ほどの小霊通ブースへ持っていく。これでようやく契約完了。領収書と引き換えに小霊通端末が渡された。ここまで約15分。慣れない作業のためかいくぶんとまどうところもあったが、手間と時間はほとんどかからなかった。
受け取ったPIMカードは30分ほどで利用可能になるという。
さっそくX PLATEに装着してみると、無事、PIMモードで起動した。食事をしながら開通を待っていたら15分ほどでショートメッセージが到着し、無事回線が開通した。とりあえずは、店に行ってから約30分で利用できるようになったということである。
では、早速広州から日本へ電話をかけてみよう。日本への国際電話はIP電話「17909」が安い。店頭でもこちらの利用を勧められた。17909のあとに中国の国際発信番号00、日本の国番号81、あとは電話番号の最初の0を省いた番号でかける。例えば、日本の「090-XXXX-XXXX」へかけるなら「17909 00 81 90 XXXX XXXX」と入力する。
通話料金は以下のとおり。
通話料金(広州の場合) | |
市内通話(オフピーク) | 0.09元/分(約1.3円/分) |
市内通話(オンピーク) | 0.18元/分(約2.7円/分) |
着信 | 無料 |
日本へ国際電話(17909) | 0.79元/分(約11.7円/分) |
(参考)ドコモのWORLD WINGを利用した通話料金(CMCC) | |
音声通話(滞在国内) | 75円/分 |
日本向け発信 | 175円/分 |
そのほかの国向け発信 | 265円/分 |
着信 | 75円/分 |
※2008年5月現在。最新情報は中国電信のWebサイト、ドコモの国際ローミングサービス通話・通信料サイトなどで確認してほしい |
広州市内は屋外であればほとんどの場所で使用できた。ただ、奥まった室内や店舗、エレベーター内では圏外となるようだ。なお、広州市は地下鉄内全域でも携帯電話を利用できるが、小霊通は少し範囲が狭い。例えば、駅構内はOKだがトンネル内で電波が切れる、自動車での移動中もたまに切れるなど、携帯電話と比べると若干信頼度が落ちる傾向だ。
また、普通に中国現地の携帯電話番号にかけてもつながらないようだ。こちらも前述のIP電話で電話をかけることになる。広州市の小霊通から中国の携帯番号に電話かける場合は携帯電話番号の頭にゼロを加えて、「17909 0 135XXXXXXXXX」(135XXXXXXXXXは中国の携帯電話番号)と入力する。
広東省・広州は香港に近いこともあり外国人の流動人口も多いためか、小霊通購入に至るまでの難易度も低いようだ。また、「通話料込み」「端末割引き」などおもしろい販売方法で行われているのも興味深かった。
次は上海へ行き、PIMカードを契約してみよう。
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