では期待される通信速度はどうだろうか。速度計測サイトでの計測では受信が1Mbpsを切ることはまれで、通信速度も安定していた。送信も300Kbpsを切ることはほとんどなく、ドコモの「定額制データ通信」に準じた通信速度と思っていいだろう。タブブラウザで10サイト程度をまとめて表示させても、ストレスを感じない速さで表示した。また、同じネットワークを利用するドコモの「定額データプラン」では利用制限されているインスタントメッセンジャー(IM)なども問題なく利用できた。
しかし、一定の利用制限はあるようだ。例えばYouTubeやニコニコ動画などの動画再生は可能だが、受信速度が低下し、不自然な遅さで通信速度が一定になる。動画のビットレートにもよるが、受信が間に合わず不定期に再生が停止することが多かった。ただし、再生を一時停止してバッファリングの終了を待てば、スムーズに再生できた。GyaoやYahoo!動画といったWindows Media Videoを採用する動画配信サイトは、接続こそ遮断されないが、ほとんどパケットが流れない状態になる。FTPも、300〜400Kbps程度と明らかに制限された通信速度になった。
ネットワークストレージへの送信/受信では、帯域制限を感じない通信速度が出た。動画サイトは長時間帯域を占有する可能性が高く、そうしたサイトでの動画再生に関しては一定の制限をかけているようだ。周波数帯域が限られていることを考慮すれば致し方ないことと言えるが、不満を感じる人も多いだろう。ほかのサービスとの違いを理解しておいた方がいい。
繰り返し触れているように、b-mobile3G hours150はヘビーなモバイルユーザーに向けたサービスではない。また時間課金であることから、モバイルで動画などのリッチコンテンツは見ないが、IMなどを常に起動しておきたいといった使い方にも向かない。さらに、同じプリペイド方式の3Gデータ通信サービスでも、出張などで日単位、週単位といった形での長時間利用になるのであれば、イー・モバイルのEMチャージの方がお得だ。
しかしFOMAネットワークを利用する広い利用エリア、そして1分単位という料金体系は、使い方次第では非常に役立つサービスだ。ユーザーが少ない現状でテストしたため、今回計測した通信速度は目安程度に思ったほうが良いだろうが、良い意味でトラフィックコントロールが行われており、基幹ネットワークがFOMAなので“つながりにくい”ということも少ないだろう。
定額制以外の高速で合理的なモバイルインターネット接続手段を欲しているユーザーにとって、b-mobile3G hours150は魅力的なサービスとなるはずだ。
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