iPad漬けの日々、すっかり出不精に……ITmediaスタッフが選ぶ、2012年の“注目ケータイ&トピック”(編集部後藤編)

» 2012年12月28日 20時35分 公開
[後藤祥子,ITmedia]
Photo iPad(第3世代)

 iPad(第3世代)は、心から「買ってよかった」と思った1台だった(あっという間に第4世代が登場したのはちょっと悔しいが)。それまで使っていた初代iPadに比べてサクサク動くし、何といっても軽くなったのがうれしい。ベッド、居間のソファ、キッチン、バスルームと、あらゆるところに持ち込んで使うようになった。

 iPadの利用頻度が上がるのに伴って、家でPCを開く機会は激減した。まず、iPadでメールやタスクをチェックし、iPadで対応できることはそれで済ませる。画像の編集や記事の執筆、企画書の作成など、込み入った作業の時だけPCを使う――といった具合だ。ノートPCを使っているので、開くのに手間がかかるわけでもないのだが……。

 2012年はスマートデバイス向けのさまざまなエンターテインメントサービスが登場したこともあり、それにどっぷりはまった1年でもあった。1つは定額見放題のビデオ・オン・デマンドサービス「Hulu」。もう1つは電子書籍サービスだ。

タブレットで映像コンテンツを見るのが日常に

 2012年は、じつにさまざまなビデオ・オン・デマンドサービスが登場したが、私がハマったのはHulu。月額980円で数千エピソードのテレビドラマや数百本の映画が見放題のこのサービスは、タブレット端末の中にレンタルビデオ屋があるようなもの。返却期日や延滞料金を気にする必要がないので、面白そうな作品を片っ端からチェックできる。これが意外な作品との出会いにつながるのが楽しいところで、街のレンタルショップにはない醍醐味だ。海外ドラマ一辺倒の私が、アニメ作品「夏目友人帳」に出会ったのもHuluのおかげだった……。

Photo 豊富なラインアップがうれしいHulu。海外ドラマの充実ぶりは特筆モノだ。かと思えば、小津安二郎映画も揃っているなど守備範囲は広い。最近では昔のアニメーション作品も増えている。個人的には“ながら視聴”がしやすい吹き替え版が増えるとうれしいのだが……

 自分で面白そうな作品を探すのも楽しいが、雑誌などで紹介されて気になっていたものの、見忘れていた作品と出会えたりするのもうれしい。シリーズものの作品は、最新作をテレビで、前シリーズをHuluで――といった視聴ができるのも便利で、最近では「孤独のグルメ」がこのパターンだった。

 余談だが、Huluに加入してから、HDDレコーダーの中身やDVDを整理できたのもありがたかった。これまでは、気に入ったドラマや映画があると「とりあえず録画して保存する」というのが習慣になっており、結局、あとからほとんど見ないのにDVDが貯まる一方で、HDDレコーダーの容量も無駄に圧迫されていた。この“なんとなく”な作品群がHuluのラインアップにある場合、「手元のコンテンツを処分してもいいや」と思えるようになったのだ。いつでも手軽に視聴できるHuluがあることで「見もしない番組を貯め込んでいた無駄」に気がついたともいえるかもしれない。ただし、Huluの登録作品が永久に残っているとは限らないので、みなさんにおすすめはできないが……。

 なお、このサービスは、コンテンツを端末内に保存できず、視聴するのにネット環境が必須な点がデメリットとして挙げられることもあるが、私の場合は移動中に視聴することはほどんどないので、特に不便に感じることはなかった。

“タブレットで読書”が日常に

 2012年は、電子書籍サービスが花開いた1年でもあった。この1年で、読書に向く端末も書籍配信サービスも増え、比較的新しい作品も電子書籍化されるようになったため、利用する機会が増えた。

 電子書籍も多くが試し読みをできるため、知らなかった作品と出会う機会が増えるのが楽しい。しかし、自制がきかなくなって「シリーズ全巻一気買い」で大枚はたいてしまいがちなのは恐ろしいところだ。私もついうっかり、「ちはやふる」(末次由紀氏のコミック)、「大東京トイボックス」(うめ氏のコミック)、「坂道のアポロン」(小玉ユキ氏のコミック)を一気買いしてしまった……。

 電子書籍ストアには膨大な数の書籍があるため、検索しづらいのが難点だが、最近では特集を組んだり、購入履歴に基づいたレコメンドサービスを提供するストアも増えており、改善されつつある。紙の本と違って家の中で場所をとらないし、すきま時間にいつでもどこでも読める便利さには抗えないものがある。最近では雑誌の電子化も進んでおり、ますます“タブレットで読書”が日常化しそうだ。


 こんなタブレット漬けの1年をおくっていたら、すっかり出不精になっている自分に気がついた。趣味の世界は広がったものの、行動範囲は狭くなったような……。2012年は、もっと外に出るタブレット活用を考えないと……。

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