アップルは3月8日、iOS搭載タブレット端末「iPad 2」の後継モデルとして、第3世代の「iPad」を発表した。日本では2012年3月16日に発売される。ラインアップは従来と同じ16Gバイト/32Gバイト/64Gバイトの3モデルで、Wi-Fi版の価格は順に4万2800円/5万800円/5万8800円、Wi-Fi+4G版は5万3800円/6万1800円/6万9800円。
LTEについては米国でVerizonとAT&Tが対応を発表したが、現在日本でアナウンスされている通信事業者はソフトバンクのみ。このためWi-Fi+4G版の国内利用について(当面の間)は、これまでのWi-Fi+3G版と実質的に変わらないと思われる。
以前からウワサがあったように、新しいiPadでは9.7型ディスプレイを引き継ぎつつ、iPad 2の1024×768ドット(132ppi)から2048×1536ドット(264ppi)へと高解像度化したのが見どころだ(ちなみに、同社はこれをRetinaディスプレイと呼んでいるが、iPhone 4/4Sは326ppiとさらに高精細)。高解像度化とともに彩度も44パーセント向上したという。また、Retinaディスプレイの採用に伴い、iPhotoなど高解像度対応アプリが用意された。
このほか、音声入力に対応したのもポイントだ(特にiOS 5.1で日本語対応を果たしたのは日本のユーザーにとって朗報だろう)。ソフトウェアキーボードに用意されたマイクのアイコンをタップすると、テキスト入力や検索、サードパーティ製アプリとの連携(TwitterにTweetするなど)が音声だけで行える。
プロセッサには4つのグラフィックスコアを内蔵するデュアルコアの「A5X」を採用し、グラフィックス性能も向上。本体背面側には500万画素(裏面照射型センサー)のiSightカメラを内蔵した。5枚構成のレンズはiPhone 4Sで採用されているものと同じで、1080pでの動画撮影にも対応するほか、手ブレ補正や静止画撮影時の顔検出機能もサポートしている。ワイヤレス機能は、802.11a/b/g/n対応無線LANとBluetooth 4.0。従来同様に加速度センサーや環境光センサー、ジャイロスコープ、デジタルコンパスなどの各種センサーを内蔵する。
バッテリー駆動時間は最大約10時間(Wi-Fi+4G版は最大約9時間)。本体サイズは185.7(幅)×241.2(高さ)×9.4(厚さ)ミリで、重量はWi-Fi版が652グラム、Wi-Fi+4G版が662グラム。iPad 2よりも0.6ミリ厚みが増し、50グラム前後重くなった。なお、新型iPadではテザリングに対応したが、日本では利用できない。
これまで新型iPadの名称については「iPad 3」や「iPad HD」などとウワサされていたが、今回登場した第3世代iPadは(MacやiPod同様に)モデル名に数字を付加せず、単に“新しいiPad”と呼ばれている。
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