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» 2013年11月21日 23時32分 UPDATE

1アンテナ4ストリームMIMOの公開実験も:いま、ドコモが夢中になっている新技術 (1/2)

NTTドコモは、同社が現在進めている研究開発の成果を紹介するOpen Houseを横須賀市のドコモR&Dセンターで11月21日から行っている。

[長浜和也,ITmedia]

ドコモ、Open Houseで1アンテナ4ストリーム公開実験などを紹介

 NTTドコモは、同社が現在進めている研究開発の成果を公開するOpen Houseを横須賀市のドコモR&Dセンターで11月21日から行っている。その展示内容の一部と同日発表になった「マルチバンド対応屋内基地局と屋内アンテナ」と「近距離通信を活用したコミュニケーション手段の開発」に関する説明とデモ、そして、11月13日に発表した「Smart Vertical MIMO」の公開実験を行った。

 NTTドコモ 取締役常務執行役員(CTO) 研究開発センター所長の尾上誠蔵氏は、ドコモが注力している研究開発の概要を説明した。ドコモでは研究開発分野のキーワードとして、新領域に拡大するサービスでは「クラウド」「ビッグデータ」を、モバイル関連技術の進化では「5G」「LTE/LTE-Advanced」「ウェアラブル」「ネットワーク仮想化」を挙げている。Open Houseでは、それぞれのキーワードに関連した展示を行っており、例えば、近距離通信コミュニティー手段はクラウド領域に関連する開発で、マルチバンド対応屋内基地局とアンテナ、そして、Smart Vertical MIMOはLTE/LTE-Advanced領域の研究開発の成果にあたる。

kn_dcmrd_01.jpgkn_dcmrd_02.jpg NTTドコモ 取締役常務執行役員(CTO) 研究開発センター所長の尾上誠蔵氏(写真=左)。NTTドコモの研究開発で現在重視しているキーワードと関係者に紹介した関連開発の内容(写真=右)

マルチバンドとキャリアアグリゲーション対応で屋内も効率的に

 マルチバンド対応屋内基地局と屋内アンテナは、スマートフォン普及に伴う屋内トラフィックの増加に対応するため、従来ワンバンド(2GHz帯)に加えて、1.7GHz帯と1.5GHz帯に対応する屋内向け基地局とアンテナを用意、さらに、キャリアアグリゲーションに対応することで、空いている1.5GHz帯を活用して伝送速度を向上できると説明している。アンテナ構成は、2×2のMIMOをサポートする。屋内基地局は、親機と子機を光ファイバーで結ぶ「ROF:Radio Over Fiber」形式で、親機と子機の距離は最大20キロ、1台の親機に接続できる子機の台数は最大で128台(集約装置8台×子機最大16台接続)になる。

 マルチバンド対応の屋内アンテナもキャリアアグリゲーションに対応したタイプで、サイズは150×150×40ミリ、重さは約320グラムと、従来の屋内アンテナよりサイズで20ミリ大きくなり、重さで約90グラム重くなるが、建築の法的基準では同じとみなすことができるとNTTドコモの担当者は説明している。取り付け金具の位置とサイズも従来アンテナと同じなので、そのまま取り外して取り付けるだけで交換できるという。

kn_dcmrd_03.jpgkn_dcmrd_04.jpgkn_dcmrd_05.jpg 屋内基地局の構成例(写真=左)に、屋内基地局を構成する親機、集約装置、子機(写真=中央)。そして、マルチバンドに対応した屋内基地局アンテナ(写真=右)

デバイスだけでワイヤレスWANを構築できるか?

 近距離通信を活用したコミュニケーション手段の開発では、大規模災害や大規模イベントなどワイヤレスWANが機能しなくなったときに、携帯電話だけでネットワークを構築するために、近距離通信技術を使ったアドホックネットワークの構築と活用を主な目的として考えている。

 NTTドコモではネットワークインフラとして、無線LANアドホックや無線LAN Directの活用も考えたが、無線LANアドホックに既存の携帯電話やスマートフォンが対応していなかったり、無線LAN Directでは、近距離通信コミュニケーションで必要な「1対他」接続(マルチポプ)に対応したいないなどの問題があり、現時点では、通信速度に制約があって到達距離が短いBluetoothをネットワークインフラとして使うことを想定している。

kn_dcmrd_06.jpgkn_dcmrd_07.jpgkn_dcmrd_08.jpg 大規模災害や大規模イベントなど、ワイヤレスWANが機能しなくなったときに(写真=左)、携帯電話だけでネットワークを構築するのが目的だ(写真=中央)。ネットワークインフラとしてはBluetoothが最も汎用的だった(写真=右)

 NTTドコモが考える最終目的では、大規模災害でワイヤレスWANの基地局などのインフラが損傷して使えなくなっても、近距離通信ネットワークが代替することだが、そのためには、大規模災害のときに使うのではなく、日常から利用してユーザーが自然と使えるように慣れておく必要があると認識している。このことから、日常でも近距離通信を使えるアプリや活用案などを紹介しているが、その1つが「まちあわせアプリ」だ。

 オンラインコミュニティーのオフ会や、ファンサイトなどのイベントで普段顔も知らない(でも、ハンドルネームは知っているみたいな)メンバーが集まるとき、待ち合わせアプリにキーワードを入力しておけば、お互いがBluetoothのサーチモードで検出したときにアラームとおおよその距離を示すことで、無事に集合できる、という機能を持つアプリをデモとあわせて紹介していた。

kn_dcmrd_11.jpgkn_dcmrd_09.jpgkn_dcmrd_10.jpg まちあわせアプリのデモ。Bluetoothはペアリングがいらないサーチモードで同じ合言葉を入力したデバイスを見つけたら本体のフォトランプが点灯して、相手の名前とおおよその距離を表示する

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