5月28日から東京ビッグサイトで開催されているワイヤレスジャパン2014で、日本Androidの会がNFCタグやiBeaconの活用事例を紹介。秋葉原のメイド喫茶で働くしおんさんがLEDで光り輝く“電子工作”の制服やアクセサリーを身につけ、その姿を披露した。
2013年のワイヤレスジャパンでは主にNFCタグの活用事例を紹介していたが、2014年は低消費電力の近距離無線技術である「Bluetooth Low Energy(BLE)」を利用した「iBeacon」とNFCの組み合わせを提案。iOS 7に搭載されたことで注目を集めているiBeaconの仕組みやNFCとの違いについても言及された。また、メイド喫茶「橙幻郷」で試験的に行っているというNFCタグとiBeaconの活用事例では、お客さんとメイドさんがより密にコミュニケーションを取れるような、うれしい話も飛び出した。
iBeaconは、BLEを使った新技術で、電波を発信する「Beacon」と呼ばれるデバイスに近づくと、Bluetooth接続によりスマートフォンの位置情報を取得したり、そのデバイスが設置された店舗の情報を受信したりといったことができる。
そのため、NFCと異なり、スマートフォンのBluetoothをオンにしておけばBeaconの近くを通りがかっただけでプッシュ通知がされる仕組みだ。例えば服屋のあちこちにBeaconを設置しておけば、店の近くを通りがかると店内に入るよう促され、特定の服に近づくと服の情報が通知され、商品を買うとその商品に合う別の商品の情報が届き、退店すると感謝の通知が届く、という流れだ。そのほか、米メジャーリーグのスタジアム近くを通るとその日の試合情報が通知されたり、美術館や博物館などでも展示情報が通知されたりするなどの試みがなされている。
登壇者の大坂泰弘さんは、「一概にNFCとiBeaconのどちらがいい、悪いという問題ではない」と前置きした上で、両者のスペックを比較した。iBeaconはNFCより通信距離が長く、iOSにも対応しているなどの特徴があるが、NFCはタグを数十円で購入でき、アプリの事前インストールは不要だ。
最も大きな違いは、NFCはユーザーが何らかの意思を持って対象に近づきタッチをする必要があるのに対して、iBeaconは意識せずとも自動的に情報がプッシュされてくるという点だ。どちらも「人とモノをつなぐ」という点では同じであるため、大坂さんは「両者を組み合わせることで、よりコミュニケーションが楽しくすることができるのでは」と話す。
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