コニカミノルタは10月7日、同日開幕した「CEATEC JAPAN 2014」でホログラフィック光学素子(HOE:Holographic Optical Element)を使った「ウェアラブルコミュニケーター」(WCc)を公開した。
同社のHOEは約80%と透過率が高く、シースルー型のヘッドマウントディスプレイやスマートグラスに採用した場合に、他社のハーフミラー型と比べてさらに明るく大画面の映像を投影できるのが特徴。
平面でありながらレンズのような特性を持たせられ、画角が25度と広いうえ、屋外でもはっきりと映像を投影できる。また外界側から投影情報が見えないのもメリットだという。
今回展示されたウェアラブルコミュニケーターはBtoB向けの単眼式試作機で、主に製造や工事、医療などでの利用を想定したもの。サイズが約25(幅)×20ミリ(高さ)×5ミリ(奥行き)のHOEを搭載し、2.5メートル先に42型相当の仮想ディスプレイを表示できる。デバイスは重さ約51グラムのメガネ部と、バッテリーやWi-Fi、Bluetoothなどの通信装置を備えたコントローラー部で構成されていた。なお、映像を投影する液晶ディスプレイのサイズと解像度、OSやプロセッサは非公開とのことだ。
投影するコンテンツはHTML5やJavaScript、CSSなどのオープンな規格で作成できるため、スマートフォン向けコンテンツの流用も比較的簡単だという。またWebRTCもサポートしており、音声や映像を使ったリアルタイムコミュニケーションも行える。コニカミノルタでは専用の開発プラットフォームである「Quinque UX」も用意しており、幅広いサービスの開発に柔軟に対応できるとしている。
CEATECの同社ブースでは、ウェアラブルコミュニケーターを使って実像に追加情報を投影するデモと、さらに利用者が見ている情報をリモート環境と共有し、さらに映像に手書きメモを書き込んで注意事項などを伝えるリアルタイムコミュニケーションのデモが行なわれていた。
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