インタビュー
» 2015年03月23日 16時25分 UPDATE

「Apple Watch」と同じ! ステンレス製iPhoneバンパーの製法に迫る――ディーフ「CLEAVE Stainless Bumper “The One”」

ディーフから新しいiPhone用バンパーが発表された。今度は素材をステンレスにしたとのこと。製法もこれまでのアルミバンパーとは違うようだ。とても気になったので広報担当者に聞いてみた。

[湯梨浜健,ITmedia]

 ディーフが発表したiPhone 6用バンパーの新製品「CLEAVE Stainless Bumper “The One”」。素材に「Apple Watch」と同じステンレスを採用し、製法もこれまでのアルミニウム製バンパーとは異なっているという。ステンレスを採用した理由や、詳細な製造工程について、ディーフの広報担当者にインタビューを行った。

「CLEAVE Stainless Bumper “The One”」は“選ばれた製品”

――(聞き手、湯梨浜健) 先日、「CLEAVE Stainless Bumper “The One”」がリリースされました。凄いのが出ましたね!

photo 新たに発表された「CLEAVE Stainless Bumper “The One”」(ディーフプレスフォトより)

ディーフ広報担当者 はい、今回は特に思い入れのある製品です。

 弊社は数年前からステンレススチールという素材でバンパーを作りたくて、色々とトライをしていました。ですが、仕上がりに満足できるものではありませんでした。その間にさまざまな製造ノウハウを蓄積していき、ようやく製造できるレベルにまで達しました。製品名に付いている“The One”という名称も、そういう失敗を乗り越えて完成させた「選ばれた製品」という意味が込められています。

―― これまでのアルミニウムバンパーと製法が違うのですか?

ディーフ広報 弊社のアルミニウムバンパーは大半のモデルがCNC切削加工です。アルミニウムの固まりから少しずつ削っていってバンパーの形状にします。大量生産では金型を使ったものが一般的ですが、弊社のような小規模なメーカーですと、削り出し加工の方が色々とメリットがあります。またバンパーを選択されるユーザーも削り出し特有の質感を好まれる傾向があります。

 ステンレススチールの場合ですと、アルミニウムと同一のCNC切削加工は素材の特性上とても加工が難しく、そのままでは歩留まりも悪くなります。よって、鍛造である程度の形状に成形した後、CNC切削加工をするという手法を採りました。

―― 鍛造って、型押しする事ですよね?

ディーフ広報 その通りです。材料に500トンもの圧力を掛けて基本的な形状を起こします。これにより切削加工部分が減ります。それと、鍛造加工をすることで強度が増すのです。ステンレススチールは加工の仕方で強度が変化する素材でもあります。正しいノウハウがないと、信頼性の高い製品は製造できないのです。

 アルミニウムバンパーは強度の関係上、どうしてもある程度の肉厚が必要になります。ステンレススチールは、同じ大きさのアルミニウムと比較して高剛性・高比重なので、これまでよりも薄くすることができました。薄いと言うことは、バンパーを装着しても大きさの変化が少ないため、大型化したiPhone 6シリーズにとっては大きなメリットです。

photo 500トンのプレス機。1つ1つ機械にセットをしてバンパーの形状にプレス成形する(ディーフプレスフォトより)
photo プレス成形が終わったステンレススチール。バンパーには曲がった縁の部分だけを使用する(ディーフプレスフォトより)

―― 先月、御社デザイナーの矢原氏にインタビューした際に実物を拝見しましたが、装着感はアルミニウム製とは大きく違う印象でした。バンパーが主張しすぎないというか、装着している感覚が少ないというか…。そういえば使用しているステンレススチールの種類が“316L”とありますが、これって先日発表された「Apple Watch」に使われているものですよね?

ディーフ広報 そのとおりです。そのなかでも316Lはさまざまな耐性に優れたもので、人体に近い所で使用する際にアレルギーなどのトラブルが非常に少ない種類です。一般的なところだと指輪やピアス、高級腕時計などに使われています。特殊なところですと手術器具などにも使われています。普段手に触れるバンパーにステンレスを採用するのは当然の流れでした。素材もそうですが、製法についてもApple Watchとほぼ同じなんですよ。

photo 「Apple Watch」

―― そういえば、Apple Watchも鍛造をしてから削り出していまよすね。と、いうことはApple Watchに近い質感を感じられるバンパーなんだ! なるほど、316Lを採用したというのは自然な流れということですね。ところで、表面処理がポリッシュなのに何か理由がありますか?

ディーフ広報 今回はステンレススチールということで、表面処理にもこだわっています。ステンレススチールの持つ、表面処理後の美しさを前面に出すため、全てハンドポリッシュで1つ1つ丁寧に仕上げています。その後はPVDコーティング処理で着色をしています。

photo CNC切削加工が終わりラフに磨いた状態。ここから数工程かけてポリッシュされていく(ディーフプレスフォトより)
photo ポリッシュ専門の職人が1つ1つ手作業で加工する(ディーフプレスフォトより)
photophoto 製品版の表面は鏡のように磨き上げられている(ディーフプレスフォトより)

―― 今回のカラーラインアップのなかではジュエルビートルのカラーは綺麗ですね。

ディーフ広報 はい。このカラーは以前iPhone 4用のアルミニウムバンパーで発売したカラーです。光の当たり方で色味が変化するので、CLEAVEの三次元デザインと相まって独特な仕上がりがとても人気でした。金属製のバンパーではそれ以来のものになります。今回はステンレススチールなので、仕上がりはとても良いです。

photo 今回の特別色「ジュエルビートル」。玉虫色という名の通り明るさや角度によって色が変化する(ディーフプレスフォトより)

―― 今回は3色(シルバー、ゴールド、ジュエルビートル)の展開ですが、他のカラーは検討されていますか?

ディーフ広報 現時点ではまだ予定はありません。今回発売するカラーでの売れ行きをみて検討する可能性はあります。発売はまだ少し先ですが、期待を越えるものだと思います!

―― ありがとうございました!

製品名 バリエーション 価格(税込)
CLEAVE Stainless Bumper for iPhone 6 “The One” ポリッシュシルバー、ポリッシュゴールド、ポリッシュジュエルビートル 1万7900円
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