MVNOのSIMサービスも徐々に浸透し、従来、オンラインで行っていた申し込みや購入が、最近では家電量販店やスーパーなどにある専用カウンターからできるようになってきました。店頭申し込みができることで、大手通信事業者同様に契約したその場で使い始められるため、これまで以上に利用までのハードルを下げてくれます。そこで、店頭で即日SIMカードの受け取りができるMVNOを紹介。
IIJがビックカメラ向けに提供している「BIC SIM」。こちらの申し込みはビックカメラ店頭で行えます。音声通話の可能な「みおふぉん」の受け付けと即日開通が可能。また、他事業者からのMNP受け付けも行っています。
BIC SIMはビックカメラだけでなく、ソフマップやコジマといった系列店でも取り扱っています。取り扱い店舗を順調に増やしているとともに、ニーズの拡大をうけ旗艦店である有楽町店では受け付けカウンターを増やしました。
家電量販店ということもあり、多彩な端末の品揃えや、専門知識を有する販売員による対応などが行えるため強みを生かした販売を行っています。
東京 | ビックカメラ単独店舗:有楽町店、新宿西口店、池袋本店、渋谷東口店 ソフマップ単独店舗:秋葉原本館 統合店舗:ビックロ新宿東口店 |
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神奈川 | ビックカメラ単独店舗:ラゾーナ川崎店 統合店舗:ビックカメラ×コジマ梶ヶ谷店 |
愛知 | ビックカメラ単独店舗:名古屋駅西店 |
京都 | ビックカメラ単独店舗:JR京都駅店 |
大阪 | ビックカメラ単独店舗:なんば店 |
福岡 | ビックカメラ単独店舗:天神2号館 |
ゲオはOCNと協業し、OCN モバイル ONEを扱っています。昨年12月よりテスト販売的にアキバ店でのみ、店頭におけるSIM即日発行を開始し、4月3日にゲオモバイルの旗艦店となる渋谷センター街店をオープン。第一四半期中に福岡博多口店、大阪日本橋店、札幌狸小路4丁目店、名古屋大須新天地通店を開店させ、夏までに10店舗への拡大を目標に掲げています。
ゲオは、単にSIMカードの販売代理店としてではなく、契約者に対して月100円の割引クーポンを提供するなど、協業することによりお得感を全面に打ち出しています。
専門の販売員も用意されるため、疑問点や料金プラン等の相談対応も可能。これまでMVNOの弱点とされていたきめ細やかな対応というものが、両社のストロングポイントを合わせることで解消できたのではないでしょうか。
東京 | アキバ店、渋谷センター街店 |
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楽天も店頭にてSIMの即日発行を行っています。渋谷にある「楽天カフェ」というカフェの一角にカウンターを用意。他の事業者が店舗に併設といった形をとっているのに対し、楽天はカフェの中にカウンターを設けています。楽天SIMの契約だけではなく、無料Wi-Fiや電源コンセント、携帯充電器なども用意されているため、その場でSIMを契約してゆったりくつろげる空間となっています。
また、東北楽天ゴールデンイーグルスの本拠地である仙台の楽天Koboスタジアム宮城では、併設している楽天イーグルスグッズショップの一角に楽天モバイルのカウンターを設置。楽天ファンをスタジアムに呼ぶのと同時に、楽天SIMの魅力をその場で体験できるようになっているのも特徴のひとつといえます。
東京 | カフェ併設店舗:楽天カフェ 渋谷公園通り店 |
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宮城 | ショップ併設店舗:楽天イーグルスグッズショップ 仙台駅東口店 |
※上記の店舗に加え、二子玉川に楽天カフェが4/24にオープン。 |
MVNO独自で専門店を開設する形態も増えてきました。U-NEXTが提供するU-mobileもその一つで、青山に独自ショップ「U-NEXTストア」を開設しました。SIMの即日発行に対応し、その場でSIMを受け取ってすぐに使い始めることができます。
使い放題プランでその知名度を一気に上げたU-NEXTだけに、今後の店舗拡大に期待を寄せている人も少なくはないでしょう。
東京 | U-NEXTストア(南青山) |
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忘れてはいけないのが、スーパーやショッピングモールを手掛けるイオン。b-mobileと協業して980 円SIMを業界に先駆けて発売し、さらに昨年は「イオンスマホ」の販売を開始。格安スマホ・格安SIMの認知拡大に大きく貢献したことは記憶に新しいと思います。
イオンの特徴は、b-mobile SIMの即日発行はもちろん、IIJやBIGLOBEなど他の主要なSIMも取り扱っていること。店頭で比較検討することもできます。カウンター設置店舗数も213店舗と、今回紹介したモノの中で最も多く、あなたの街のイオンでも即日開通カウンターがあるのでは!?
※店舗により、携帯電話コーナーではなく、ゲームコーナーやAVコーナーなど取り扱い場所が異なる場合があります。
「TSUTAYA」や「Tポイント」で知られる、カルチュア・コンビニエンス・クラブもMVNO事業に参戦。独自に企画・製作を行ったSIMフリースマホ「PandA」を取り扱う「freebit」との協業で、この春からサービス名を「トーンモバイル」とし、新たにスタートします。
二子玉川駅周辺の再開発地区に旗艦店をオープンし、全国にあるTSUTAYA店頭でもSIMカードの即日発行が検討されています。
なお、CCCモバイルと協業を行うfreebitは「ATELIER」と呼ばれる店舗を展開しています。こちらでは、新規だけでなくMNPの即日開通にも対応。さらにATELIERとは別にSTANDという可動式の業務形態をもっています。STANDは期間限定でのオープンとなっているため、場所や時間についてはfreebitのWebページにて確認ください。
東京 | 渋谷スペイン坂 |
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愛知 | 名古屋大須 |
福岡 | 福岡天神 小倉 |
インターネットでのオンライン販売を主体としている各社が、店頭でのカウンター受け付けを可能としたことで、大手通信事業者と同様に、その場ですぐに他社から電話番号を変えるMNPを行えます。
MNPを行う場合は、あらかじめ移転元事業者でのMNP予約番号の発行と、契約に必要な写真付きの本人確認書類やクレジットカードなどが必要になりますので、必要なものをそろえた上で店頭に行きましょう。
また、契約時にメールアドレスにて認証を行うMVNOもありますので、送受信できるメールアドレスをあらかじめ控えておくことをお勧めいたします。
店頭でSIMの即日発行ができるようになったことで、大手通信事業者とも大差がなくなり、気軽に使い始められるようになりました。MVNOは多種多用なサービスや料金プランが参入しており、いつでも好きな時に乗り換えできるようになってきました。今回ご紹介した店頭での受け付けカウンターを利用すれば、MNPなどを行った場合でも回線切り替えによるタイムラグなどを気にせず、乗り換えができるようになります。
また、5月中旬以降にヨドバシカメラは、MVNO 8社のSIMの即日開通が可能な「ヨドバシSIMカウンター」をヨドバシカメラマルチメディア Akibaにオープンさせます。MVNO SIMやSIMフリースマホを使いたい人に対し、その人にあったSIMプランとスマホを提案してくれるとのこと。格安SIM、格安スマホを取り巻く環境と私たち消費者の買い方に、変化を与えてくれそうな予感がします。これをきっかけに各社の販売方法にさらなる違いが出てくるかもしれませんね。
※文中で記載しております店舗数、店舗名等は執筆時点の情報です。
(文:斉藤克久)
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