IIJmioとNifMoが好調――「格安SIM」10サービスの実効速度を比較(ドコモ回線7月編)通信速度定点観測(1/2 ページ)

» 2015年07月30日 06時00分 公開
[小林誠ITmedia]

 MVNOが提供している「格安SIM」を選ぶうえで、料金はもちろんだが、「通信速度」も重要な決め手になる。料金は各社のWebサイトやカタログに表示されていて比較しやすいが、通信速度は各社一律「下り最大150Mbps」「下り最大225Mbps」などと表記されており、実際のところどれだけの速度が出るのかが分からない。

 そこで、各社が提供している格安SIMの“実効速度”を毎月調査し、その結果を横並びで紹介する。今回は7月編として、ドコモ系MVNOの通信速度をリポートしたい。au系MVNOについても同時に調査したので、別途記事化する。本企画がMVNOサービスを選択する際の一助になると幸いだ。

photo 今回は10社の格安SIM+本家ドコモSIMを比較した

通信速度の調査方法

 今回、テストを行ったのは以下の11サービスだ。

  • IIJmio
  • OCN モバイル ONE
  • BIGLOBE LTE・3G
  • b-mobile(おかわりSIM)
  • 楽天モバイル
  • So-net モバイル LTE
  • NifMo
  • ワイヤレスゲート
  • DMM mobile
  • U-mobile(高速定額)
  • ドコモ(mopera U)

 いずれのSIMも、下り最大150Mbpsまたは225MbpsのLTEサービスに対応したものを使っている。このうちドコモのmopera UはMVNOではなく、ドコモが提供しているインターネット接続サービス。いわば“本家”の通信速度となる。

 調査条件は以下の通り。

  • 計測端末:ZenFone 2
  • 計測アプリ:RBB TODAY SPEED TEST
  • 計測時間帯:平日午前(8時50分〜)、正午(12時〜)、夕方(18時〜)の3時間帯。
  • 計測場所:JR横浜駅西口(3時間帯)、東京都港区のアイティメディア社内(正午のみ)
  • 計測回数:各時間帯・場所ごとに1サービス、上下3回ずつ(平均値を掲載)

 なお通信測定のエラー、明らかにありえない速度(理論値超え)が表示された場合は再測定とした。

 本企画で紹介する通信速度は、時間帯や場所によって大きく変化するので、記事で紹介されている数値を100%うのみにせず、あくまで参考値としてご覧いただきたい。また、測定は1台のZenFone 2を使って順番に行ったため、測定時間は分単位では異なる。すべてのサービスを同時に測定したわけではないこともご理解いただきたい。

7月の平日午前は「NifMo」が最速

 今回の測定は7月22日(火)にJR横浜駅西口前、7月23日(水)に東京港区のアイティメディア社内で行った。まずは横浜駅での午前中(8時51分〜9時30分)の測定結果をお伝えする。

photo

 最速は下り26Mbpsを超えたNifMo。So-net モバイル LTEとU-mobileも、下り20Mbps超えでNifMoとほぼ同等だった。下り10Mbpsを超えたのはIIJmio、b-mobile、DMM mobileで、IIJmioは上りが最速だった。

 ワイヤレスゲートは下り3.29Mbpsでやや遅い。OCN モバイル ONEとBIGLOBE LTE・3Gは下りで4Mbps台、楽天モバイルは5Mbps台で、比較的遅かった。mopera Uは上りが1.94Mbpsで振るわなかった。

JR横浜駅西口での測定結果(午前)
計測開始時刻 下り平均(Mbps) 上り平均(Mbps)
IIJmio 8:51 16.37 8.6
OCNモバイルONE 8:56 4.22 2.01
BIGLOBE LTE・3G 9:00 4.25 7.59
b-mobile(おかわりSIM) 9:03 12.58 2.69
楽天モバイル 9:06 5.09 8.51
So-net モバイルLTE 9:09 23.05 6.08
NifMo 9:13 26.98 7.7
ワイヤレスゲート 9:17 3.29 2.49
DMM mobile 9:23 18.95 6.03
U-mobile(高速定額) 9:26 24.77 4.73
ドコモ(mopera U) 9:30 6.94 1.94

7月の平日正午は「ドコモ(mopera U)」が最速

 続いて横浜駅での正午(12時〜12時37分)の測定結果を見ていこう。

photo

 下りの最速はmopera Uで、唯一の20Mbps超えを果たした。午前中よりも周囲はにぎやかで、明らかに人出が多い。ネットワークも混雑しているはずで、そのせいか平均で10Mbpsを超えたのはIIJmioとU-mobileのみ。ほかのMVNO各社は一気に通信速度が落ちている。

 楽天モバイルとDMM mobileは下り0.72Mbpsと低調で、b-mobileも1Mbpsに達しなかった。むしろ上りの方が結果の良いサービスが多く、OCN モバイル ONEが平均8.98Mbpsで下りよりも速い。ほかのサービスも上りは数Mbpsで安定している一方で、U-mobileのみ上りは0.43Mbpsと振るわない。下りの速度は優秀だっただけにその落差が目立った。

JR横浜駅西口での測定結果(正午)
計測開始時刻 下り平均(Mbps) 上り平均(Mbps)
IIJmio 12:00 18.29 7.53
OCNモバイルONE 12:04 3.12 8.98
BIGLOBE LTE・3G 12:07 1.34 5.81
b-mobile(おかわりSIM) 12:10 0.87 2.79
楽天モバイル 12:13 0.72 3.09
So-net モバイル LTE 12:17 1.55 5.34
NifMo 12:20 1.56 4.06
ワイヤレスゲート 12:23 3.41 3.28
DMM mobile 12:26 0.72 7.87
U-mobile(高速定額) 12:30 15.2 0.43
ドコモ(mopera U) 12:37 23.67 5.52

7月の平日夕方は「NifMo」が最速も、6.11Mbpsにとどまる

 横浜駅の夕方(18時〜18時32分)は、全般的に速度が落ちている。

photo

 最速でもNifMoの下り6.11Mbpsで、10Mbpsを超えるサービスはない。周囲は帰宅する人や買い物客、アフターファイブを楽しむ人で大混雑。1日で最もトラフィックが多いのかもしれない。

 全体的に振るわない中でも、特に速度が落ちたのはBIGLOBE LTE・3Gで、下りが0.64Mbpsだった。So-net モバイル LTEは0.68Mbps、OCN モバイル ONEは0.71Mbps、楽天モバイルは0.93Mbpsという具合に、下り平均1Mbps以下のサービスが4社も出た。

 上りの通信速度も午前、正午より落ちており、最速でも楽天モバイルの上り平均4.43Mbpsだった。最も遅かったのはmopera Uの1.41Mbps。午前に続いて本家ドコモは上りが苦手なのだろうか。

JR横浜駅西口での測定結果(夕方)
計測開始時刻 下り平均(Mbps) 上り平均(Mbps)
IIJmio 18:00 1.77 3.46
OCNモバイルONE 18:04 0.71 2.82
BIGLOBE LTE・3G 18:09 0.64 3.54
b-mobile(おかわりSIM) 18:11 1.13 2.24
楽天モバイル 18:15 0.93 4.43
So-net モバイル LTE 18:18 0.68 2.44
NifMo 18:20 6.11 1.96
ワイヤレスゲート 18:23 2.84 3.05
DMM mobile 18:26 1.14 3.57
U-mobile(高速定額) 18:29 1.38 2.51
ドコモ(mopera U) 18:32 4.44 1.41

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