ソフトバンクは12月16日、ソフトバンクショップ店員の接客コンテスト「ソフトバンク接客No.1グランプリ2015」の全国決勝大会を開催した。
接客コンテストは、ショップ全体の接客技術の底上げやユーザーの満足度向上を目的に2010年から開催されており、今回(2015年)で6回目となる。全国の予選を勝ち抜いたソフトバンクショップの店員14名が、1人15分の持ち時間で接客のロールプレイングを行い、グランプリを決定した。
今回のテーマは「フィーチャーフォンからスマートフォンへの買い替え」。初老の男性客がショップに来店し、スマホへの買い替えを相談するが、買い替えを止めようとする妻や娘が登場。「スマホは難しい」「必要ない」「キャリアを乗り換えた方が安い」という意見に対し、スマホの便利さや楽しさ、乗り換えなくても安くなる方法を提示し説得していく。端末やアプリはもちろん、各種サービスや固定回線を含む料金プランまで、深く広く知識が必要とされる。
「難しいから使いこなせるだろうか」と不安を口にする男性客には、端末をシンプルモードにしたり、電話のダイヤル画面を表示したりして、フィーチャーフォンと変わらず分かりやすいことを紹介。また、フリック入力を実際にやってもらったり音声入力を使ってもらったりして、文字入力に対する不安を払拭していた。
「お父さんには必要ない」という娘さんの意見に対しては、男性客の趣味を聞き、旅行好きと聞けばGoogleマップのナビ機能を紹介。車にカーナビが付いていると聞けば、駐車場から目的地への歩行ナビ機能など、観光地での利用を勧めていた。また、乗り換えの方が安くなるのでは、という指摘には、MNPをすると違約金や転出手数料、新しいキャリアでも契約手数料がかかること、ソフトバンクを継続する場合は、自宅のインターネット回線をソフトバンク光に変えることで、家族全員の携帯電話基本料が割り引かれることを紹介し、トータルではフィーチャーフォンを使っていた頃とほとんど変わらないことを計算して示していた。
全員のロールプレイングが終了後、別室で審査が行われ、栄えあるグランプリはソフトバンク十条(東京都北区)の堂本侑さん、準グランプリはソフトバンク自由が丘(東京都目黒区)の杉本和臣さん、第3位はソフトバンク高岡駅南(富山県高岡市)の小林奈々さんが受賞した。
審査委員長のソフトバンク専務取締役の久木田修一氏は、ファイナリスト14名の点数差はほとんどなく、ていねいな接客態度に「今後のソフトバンクは明るい」と讃えた。「フィーチャーフォンからスマホへの乗り換え」のテーマに関しては、「フィーチャーフォンユーザーはまだ4000万人以上いるといわれる。スマホの楽しさを伝え、変えてもらうのは、店員自らスマホを使う努力があってこそできること。頼もしく思う」と賞賛した。また、ショップの売上はソフトバンクグループの7〜8割を占めると述べ、今後も変わらない協力を求めた。「ソフトバンクショップのあり方については“一から出直し作戦”と称し、宮内社長以下経営陣が取り組んでいる」と述べ、バックアップを充実させていくことを約束していた。
総務省の「携帯電話の料金その他の提供条件に関するタスクフォース」では、「実質0円」など行き過ぎた端末購入補助を見直すべきという提言案が示されており、ショップにとって、さらに厳しい時代が到来しそうだ。正確で幅広い知識はもちろん、お金には代えられない親身で誠実な対応がより求められるようになると感じた。
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