インタビュー
» 2016年02月15日 22時57分 UPDATE

「arrows NX」なら番組持ち出しが簡単 SQV+TransferJet対応の無線アダプターとは?

バッファローのSeeQVault対応のTransferJetアダプター「BSCRTQ01/V」は、レコーダー内の録画番組をワイヤレスでスマホに転送できる周辺機器だ。

[平賀洋一,ITmedia]

 周辺機器メーカー、バッファローの広報をされている浜岡さんが、「ちょっと面白いものがあります」とITmedia Mobile編集部に遊びにきてくれました。しかも特別ゲストを連れて。一体どんなものを見せてくれるのでしょうか?

SeeQVault(SQV)対応のTransferJetアダプター「BSCRTQ01/V」 東芝の久野さんとバッファローの浜岡さん

――(聞き手、ITmedia Mobile) なんでも今日は面白いものを見せていただけるとか?

浜岡さん そうなんです。そしてもう1人、ゲストがいらっしゃるです。

久野さん こんにちは。東芝の久野と申します。

―― あ、どうも初めまして。ITmedia Mobileと申します。ところで、なぜ東芝とバッファローの方がご一緒に?

浜岡さん 2015年11月にSeeQVault対応のTransferJetアダプター「BSCRTQ01/V」を発売しました。レコーダーで撮った番組を、スマートフォンにかざすだけで素早く転送できるのが特徴です。

SeeQVault対応のTransferJetアダプター「BSCRTQ01/V」 SeeQVault対応のTransferJetアダプター「BSCRTQ01/V」

―― ほお。

浜岡さん レコーダーに録画したテレビ番組を、スマホで見たりしてますか?

―― 以前は転送していたんですけど、最近はあまりしなくなりました。ほら、転送時間が意外にかかるじゃないですか。出掛ける前に待ってられなくなりまして。

浜岡さん ですよね。そうした番組持ち出しにかかる時間をTransferJetで短縮できるのがこのアダプターなんです。

久野さん TransferJetとは対応機器同士を近づけるだけで高速データ通信ができる近接無線転送技術です。最大転送速度は560Mbps、実効速度は375Mbpsですから、USBやWi-Fiよりも高速にデータを送受信できます。

浜岡さん BSCRTQ01/Vは東芝さんのチップを使ってまして、製品開発にもご協力いただきました。今回は東芝の久野さんとご一緒にTransferJetのアピールをしたく、おいでいただきました。

―― なるほど。TransferJetといえば東芝ですからね。

浜岡さん CEATEC 2015でも展示していたんですけど、ご存じでしたか?

―― す、すいません。自分は直接見てないのですが、LifeStyleで掲載しておりますんで、読んで勉強します……。

SeeQVault対応のTransferJetアダプター「BSCRTQ01/V」 CEATEC 2015で展示されていた「TransferJet持ち出しアダプタ対応レグザサーバー」

 ところで、かざすだけ、というのは確かに便利だと思うんですが、レコーダーとかスマホの対応機種ってまだ限られているんじゃないですか。

浜岡さん 今のところ推奨対応機器は、レコーダーが「レグザサーバー DBR-T670」の1機種。スマホはNTTドコモの富士通製「arrows NX F-02H」の1機種です。

SeeQVault対応のTransferJetアダプター「BSCRTQ01/V」 推奨レコーダーの「レグザサーバー DBR-T670」
SeeQVault対応のTransferJetアダプター「BSCRTQ01/V」 推奨スマホの「arrows NX F-02H」

―― ちょっと限定的ですね……。

浜岡さん このアダプターはTransferJetだけでなく、著作権保護技術のSeeQVaultに対応しています。TransferJetとSeeQVaultの双方をサポートするスマホが今のところF-02Hだけなので、どうしても数が限られます。これから増えることに期待ですね。

久野さん SeeQVaultはデジタル放送の番組(コンテンツ)をHD画質のまま、HDDやSDカードといった外部メディアに持ち出すための著作権保護技術です。対応のテレビと外部メディアであれば、メーカーや録画した際の組み合わせを気にすることなく再生できるのが一番の特徴です。

―― HDD録画できるテレビを持っていますが、確かに使えるHDDが指定されていたり、HDDをほかのテレビにつないでも再生できません。録画した番組をほかのテレビで見たいときや、テレビが壊れた場合を考えると不便だなと思ってました。SeeQVaultならそうした不満がなくなる訳ですね。

久野さん 著作権保護の仕様上はそうですね。ただ録画先がHDDの場合、テレビのメーカーごとにファイルのフォーマット形式が異なっていて、SeeQVault対応でも完全な互換性は実現できていません。

 一方、SeeQVault対応のSDカードではWindowsと同じフォーマットを使うことが決まっています。F-02HにはSeeQVault対応のmicroSDカードが標準添付されていますが、そこに番組を転送してから、さらにほかの対応デバイスにSDカードを装着しても、問題なく録画した番組を視聴できます。

―― SeeQVaultの威力が存分に発揮されるのはもうちょっと先ってことですね。あとレコーダーの対応機種も1機種だけですよね。

浜岡さん バッファローとしては、ほかのレグザサーバー/レグザブルーレイシリーズの、DBR-M590、DBR-T660、DBR-T650、DBR-T560、DBR-T550、DBR-Z620、DBR-Z610、DBR-Z520、DBR-Z510でも動作確認をしています。ただ、これはバッファローが確認した機種で、東芝さんが動作をサポートするという意味合いではありません。

―― あれ、推奨機器と動作確認した機器と何が違うんですか。

久野さん 分かりやすく言えば、サポートしているインタフェースの世代が違うということです。

 CEATEC 2015でデモをお見せした通り、DBR-T670は初めからSeeQVaultとTransferJetに対応する機種として開発しました。東芝として、BSCRTQ01/Vとの組み合わせを推奨できるのはDBR-T670だけです。

 それ以前のSeeQVault対応レコーダーに接続した場合は、BSCRTQ01/Vを(ワイヤレスではなく)SDカードアダプターとして認識します。そのため、レコーダー側で「SeeQVault対応SDカードへのバックアップ」を選択してもらう必要があります。

SeeQVault対応のTransferJetアダプター「BSCRTQ01/V」 転送中のイメージ
SeeQVault対応のTransferJetアダプター「BSCRTQ01/V」 TransferJetのロゴ

―― レコーダーも今後は対応機種が増える。と思って良いのでしょうか?

久野さん もちろん、その方向でいろいろ検討中です。

―― 実際の使用感を教えて欲しいのですが、録画した番組はすぐにBSCRTQ01/Vからスマホに転送できるんですか?

浜岡さん レグザサーバーに録画された番組は、いったん持ち出し番組用に変換する必要があり、それには録画番組と同じ時間がかかります。つまり実時間ですね。1時間番組なら1時間後に準備完了となります。

 そのため、主な使い方として、夜のニュースやドラマなどを予約録画しておいて、夜間のうちに自動で変換。朝に素早くスマホに転送して通勤中に見る――というケースを想定しています。

―― そこはちょっと注意が必要ですね。BSCRTQ01/Vの本体にもSeeQVault対応のSDカードが装着されていますが、レグザサーバーから直接スマホに転送する訳ではないのですか。

SeeQVault対応のTransferJetアダプター「BSCRTQ01/V」 利用イメージ

浜岡さん アダプター内のSeeQVault対応SDカードをバッファ的に使っています。持ち出し番組として変換する際にダビング10のコピー回数を1回使い、アダプター内のSDカードに転送します。そこからスマホへの転送はSeeQVaultで保護された状態での“移動”になりますので、コピー回数は減りません。

―― なるほど。スマホ側での特別な操作は必要ですか?

浜岡さん 特にないのですが、動画プレイヤーはSeeQVault対応のアプリ(ピクセラ製の「SeeQVaultプレーヤーTJPlus」)を使っていただく必要があります。2017年5月までは無償配布される予定です。

SeeQVault対応のTransferJetアダプター「BSCRTQ01/V」 スマホでの視聴は専用アプリを利用する

―― スマホでテレビを楽しむには録画番組を持ち出すほかに、ネットワーク経由でリモート視聴したり、ワンセグやフルセグをスマホで直接見る方法もあります。またVODなどのネット配信サービスも一般的になりました。SeeQVaultとTransferJeでの持ち出しは、ほかの方法と比べてどんな利点がありますか?

浜岡さん リモート視聴やVODは通信環境が必要ですから、4Gの場合はデータ通信容量の問題があります。Wi-Fi環境も外出先では遅い場合もありますよね。さらにリモート視聴は自宅側のレコーダーを常に稼働させておく必要があり、ブロードバンド回線の上りも速くないと快適には視聴できません。

 フルセグやワンセグはどうしてもエリアが限られます。ワンセグは画質も低いですし、大画面化したスマホで見るにはちょっと厳しくなってきました。VODは映画などの見放題は便利ですが、テレビ番組のタイフシフト視聴とはちょっと目的が違います。

 番組持ち出しはレコーダーとスマホがあれば良いので、コストや分かりやすさの点で有利だと思います。コンテンツはスマホのローカルに保存されますから、エリアを気にする必要がありませんし、機内モードでも視聴できます。

 ただこれまでの番組持ち出しは、ケーブルをつないだり、転送時間がかかったりと、手間の面で課題がありました。SeeQVault対応のTransferJetアダプターなら、もっと手軽に、番組持ち出しを活用してもらえます。

SeeQVault対応のTransferJetアダプター「BSCRTQ01/V」

―― 対応機器(レコーダー、スマホ)の組み合わせが少ないのが気になりますが、SeeQVaultとTransferJet組み合わせが一般化すれば、番組持ち出しがかなりカンタンになりますね。今日はどうもありがとうございました。

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