鮮やか・くっきり・麗しい――「Galaxy S7 edge」のカメラをあれこれ試す荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ(1/5 ページ)

» 2016年06月07日 19時30分 公開
[荻窪圭ITmedia]

 サムスン電子の「Galaxy S7 edge」、今回は気合いがはいっていますな。KITTE(東京都千代田区)で「Galaxy Studio」というイベントまでやっていたほどに(参考記事)。

Galaxy S7 edge SCV33で撮影したGalaxy Studio Galaxy S7 edgeで撮影したGalaxy Studio

 今回、私はau版の「Galaxy S7 edge SCV33」をお借りして、ほぼカメラ機能しか使ってないれけど、すごく良くできてるもの。イベントをやるほど気合い入ってるのも分かる。

 ここ2年ほどGalaxyのカメラは、スマートフォンではiPhoneシリーズと肩を並べるレベルに良くなってたのだけれど、イメージセンサーが16:9であるなど、ちょっとクセがあったのだ。

 対して、Galaxy S7 edgeは以前と比べてかなり良くなっている。まず、画面がきれい。コントラストが高くて、屋外でもよく画面が見える。「これ、カメラを通して画面で見た方が肉眼で見るよりきれいじゃない?」とは、モデルをしてくれた女子大生の弁。

有機ELディスプレイ Galaxy S7 edgeの有機ELディスプレイはとてもきれい

 そう。有機ELディスプレイの画面が明るくてきれいなのである。これは、手に持ったとき誰もが思うはず。試しに「iPhone 6s Plus」と並べてみよう。どちらも明るさは最大にして、屋外で見比べてみる。

Galaxy S7 edge(左)とiPhone 6s Plus(右) Galaxy S7 edge(左)とiPhone 6s Plus(右)を並べてみる
斜めから見比べる 斜めから見比べてみる

 ご覧のように、S7 edgeのディスプレイは屋外でも白っぽくならずに見やすい。視野角もすごく広い。これ、印象が良くなるよねえ。画面の両端が湾曲している「エッジディスプレイ」なので、エッジギリギリまで写真が表示されてるのも見栄えがする。

iPhone 6s Plusと撮り比べてみよう

 でも、いくら画面がきれいでも、撮った写真がどうかはまた別なのだ。

 というわけでここからが本編。iPhone 6s Plusのカメラと撮り比べてみよう。

 その前に、Galaxy S7 edgeのカメラのスペックについて簡単に説明する。アウトカメラの画素数は1200万画素で、先述の通りイメージセンサーは4:3とポピュラーなものになった。

 カタログに「デジタル一眼レフカメラ技術搭載」と書いてあるけれど、もちろんこのカメラは「一眼レフ」じゃない。これは「デュアルピクセル」技術のことを指している。今までのところ、デュアルピクセルを採用したセンサーを使っているカメラがキヤノンの「EOS 7D markII」「EOS 70D」というデジタル一眼レフカメラだけだった、というだけの話だ。デジタル一眼レフカメラが全てデュアルピクセルセンサーを使ってるわけではないし、一眼レフカメラのための技術ってわけでもないし、これを使えば写りが一眼レフ並みになるということでもない。最近、スマホのカメラ宣伝文句に「一眼レフ並み」とか使いすぎだよね、S7 edgeに限らず。

 それはともかくとして、デュアルピクセルはひとつの画素が2つに分かれていて、片方を位相差オートフォーカス(AF)センサーとしても使うことで「AFが超高速」になるのである。「AFって何?」レベルでさっと合う。これは快適である。センサーサイズもちょっと大きめだ。

 レンズは26ミリ相当とかなりの広角で、F1.7という明るさ。これはかなり明るい。レンズが明るいと、暗いところでもシャッタースピードを落としたりISO感度をあまり上げたりせずに済むわけで、ノイズやブレの抑制面ですごく有利だ。

 前のモデルより大きめのセンサーと、明るいレンズのレンズはどのような効果をもたらすのか。話をもとに戻して、S7 edgeの「最大のライバル」であるiPhone 6s Plusと比べてみよう。センサーの画素数はどちらも1200万画素なので比べやすい。

いつもの作例で撮り比べ

 まずは、いつもの3つの被写体を撮り比べ。ひとつめはガスタンク。

Galaxy S7 edgeで撮影したガスタンク Galaxy S7 edgeで撮影したガスタンク。基本のISO感度は50のようだ(1/2680秒・F1.7・ISO50)
iPhone 6s Plusで撮影したガスタンク iPhone 6s Plusで撮影したガスタンク。レンズがF2.2と少し暗く、基本ISO感度も25と低めなので、シャッタースピードはS7 edgeより遅くなる(1/1451秒・F2.2・ISO25)

 ぱっと見はどちらも良い色を出していて、差はあまりないように見える。では、等倍にしてチェックしてみよう。

ガスタンクを等倍で比較 ガスタンクを等倍で比較。左がGalaxy S7 edgeで、右がiPhone 6s Plus

 S7 edgeの方が少し広角なので、等倍にするとちょっと小さくなる。しかし、それを加味しても、頑張っている。シャープネスはS7 edgeの方が強めで、ディテールもしっかり出てるのが特徴だ。いいじゃないか、S7 edge。

 ふたつめは象の滑り台。

Galaxy S7 edgeで撮影した滑り台 Galaxy S7 edgeで撮影した滑り台
iPhone 6s Plusで撮影した滑り台 iPhone 6s Plusで撮影した滑り台

 S7 edgeの方が暗部がちょっと明るくて写っていて(一部明暗逆転してるようなとこも?)、空の雲もしっかり出ている。等倍でチェックしてみるとこう。

滑り台を等倍で比較 滑り台を等倍で比較。左がGalaxy S7 edgeで、右がiPhone 6s Plus

 ガスタンクと違い、今度はS7 edgeの方がディテールがもやっとしてる。なぜだ?

 その理由は簡単。HDRのせいだ。HDRを「オート」にしている場合、S7 edgeは明暗差がちょっと大きいとすぐHDRを使いたがるのだ。

 6s PlusのHDRは、露出を変えながら(明るさを変えながら)複数枚連写して合成するという一般的なものだが、S7 edgeのHDRは「リアルタイムHDR」といって、センサーの画素の半分で明るい写真、半分で暗い写真を撮って合成するため、画素数が実質的に半分になってしまうのだ(厳密にはもうちょっと高度な処理をしてるかもしれないけれど)。

 だから、S7 edgeはディテールがちょっと甘くなるわけである。でも、このレビューでは「できるだけデフォルトの状態で撮影する」という考えでやってるので、HDRオートで撮ってるのである。

Galaxy S7 edgeの撮影画面 Galaxy S7 edgeの撮影画面。左端に「HDR Auto」とあり、左上に「HDR ON」と表示されている。「カメラがHDRオンで撮ります」と教えてくれてるわけだ

 じゃあ、HDRオフで撮るとどうか。等倍での比較を交えて見てみよう。

HDRオフで滑り台を撮影 「HDRオフ」にしたGalaxy S7 edgeで撮影
S7 edgeのHDRオン/オフでの等倍比較 Galaxy S7 edge同士で等倍比較。左がHDRオフ、右がHDRオン

 ご覧の通り、HDRオフの法が木の枝がくっきりしっかり出ているのがわかる。その分、暗部がちょっと暗くなったり、空の一部が白飛びしてしまったりしている。

 ディテールを取るか、階調の豊かさ(ダイナミックレンジの広さ)を取るか、なのだけれど、個人的には後者を取りたいな。撮った写真をSNSへ上げたり画面で見たりするのがメインなら、階調が豊かな方がきれいだもの。プリントするにしても、A4サイズくらいなら問題ないし。

 ディテールをしっかり出したい、拡大表示して細かくチェックしたい、ぐわっとクロップして使いたいケースもあるので、その場合はHDRオフにして撮ればよいかと思う。

 次はあずまや。どちらもHDRは自動的にオンになった。

Galaxy S7 edgeで撮影したあずまや S7 edgeで撮影したあずまや
iPhone 6s Plusで撮影したあずまや iPhone 6s Plusで撮影したあずまや

 パッと見てわかるように、S7 edgeの方が緑が鮮やかできれいに出ている。これはなかなか良いではないか。

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