ポケモンGOで「あのポケモン」がいまだに登場しない理由

» 2016年08月14日 06時00分 公開
[二階堂歩ITmedia]
伝説のポケモンとしてポケモンGO未登場のミュウツー(画像は「ポケモンずかん」から引用)

 社会現象となっているスマホゲーム「ポケモンGO」には、いわゆる“第一世代”のポケモンである150種類が登場する(といわれている)。しかし、現時点で全てのポケモンを集めることは不可能だ。理由は単純で、5種類がまだゲームの世界に登場していないから。ゲーム要素として“実装されていない”のだ。

 ゲーム未登場なのは、伝説のポケモンとして最強の呼び声も高い「ミュウツー」と、同じく伝説の鳥ポケモンである「フリーザー」「サンダー」「ファイヤー」の3匹。そしてもう1匹が、図鑑No.132の「メタモン」だ。

 伝説のポケモンを、通常のポケモンと同じように登場させない理由は分かる。ミュウツーがポッポやコラッタと同じように画面に出てきたら興ざめだし、これらのポケモンは今後のアップデートの目玉として、イベントバトルなどの特別な演出付きで実装される予定なのだろう。

 しかし、メタモンはもともと伝説でも何でもない、そこらにある草むらで普通に捕まえられるはずのポケモンだ。現時点で登場しない、させられない理由が何かあるのだろうか。

なぜメタモンが登場しないのか?(画像は「ポケモンずかん」から引用)

「レアではないが特殊」なメタモン

 先ほど「伝説でも何でもない」と書いたように、確かにメタモンはいわゆる“レアポケモン”ではない。が、その一方で、一度でも「ポケモンGO以外のポケモン」を遊んだことがある人なら分かる通り、メタモンは“非常に特殊な性質”を持ったポケモンであるともいえる。

 その理由は「へんしん」だ。これは、バトル中に相手のポケモンそっくりに姿形を変え、能力値や技までも完全コピーしてしまうという技で、基本的にはメタモンしか使うことができない特技だ。

 ゲームの作り手であれば、メタモンの代名詞ともいえるこの技を、当然実装したいと思うはず。しかし、ポケモンGOはその点でやや問題がある。

 これまでのポケモンの世界では、野生のポケモンを捕まえるときには、自分の手持ちのポケモンと戦わせて相手を弱らせてから捕まえるのが一連の流れだった。しかし、ポケモンGOの世界では、ポケモンを捕まえるときには主人公であるトレーナーがいきなりボールを投げるだけで、自分の手持ちのポケモンと戦わせるフェーズが省略されている。つまり、メタモンが「へんしん」すべき相手のポケモンがいないということになる。

 ではどうするか? 筆者がゲームの作り手であればこう考える。「最初から別の種類の野生のポケモンに偽装(変身)させておけばいいのではないか?」つまり、「出会った時点ではそのポケモンがメタモンだとは気付かずに、捕まえてから初めて“実はメタモンだった”ということが分かる仕組みを作れないだろうか?」と。

 これは、遊び手側としては実に厄介で、かつわくわくする仕組みだ。何せ、「ただのポッポだと思ったら実はメタモンだった」ということが起こり得るのだから。「もうこのポケモンは持っているからいらないよ」という判断が命取り(?)になるかもしれないのだから。これは厄介だ……そして非常に魅力的だ。もし本当に実装されるのだとしたら、そのために専用の開発期間を設けてもおかしくない。

 もっとも、こうした特殊な要素を、たった1種類のポケモンのためだけに用意するのか? といわれれば、正直分からないと答えるほかない。しかし、名だたる伝説のポケモンと並んで、メタモンだけが未登場という事実を考えると、期待してしまう部分があるのもまた確かなのだ。

 ちなみにメタモンにはもう1つ特殊な性質があり、それは「ほとんどのポケモン相手に交配が可能」というもの。通常であれば「同じ種類のオスとメス」をそろえなければ作れないポケモンのタマゴが、メタモンを使えば「増やしたいポケモン1匹」を用意するだけで、簡単にタマゴを作って増やせるのだ。しかし、現在のポケモンGOの世界ではオスとメスの概念そのものが実装されていないため、こちらの要素追加はさすがに難しいと筆者は考えている。

150種類を超えて

 既に世界中で、現時点で集められるポケモン142種類(+地域限定ポケモン3種類)をコンプリートしたプレイヤーが続々と現れ始めている。今後登場するはずの伝説のポケモンも、150種類を超えた第2世代以降のポケモンも、あるいはプレイヤー間のトレードやバトルといった新要素も、徐々に情報が公開されていくことだろう。メタモンの登場も、そうした「期待できる要素」の1つと考えて、気長に(しかしできるだけ妄想をふくらませながら)実装を待ちたいところだ。

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