日本時間の9月14日、「iOS 10」の配信がスタートした。
iOS 10の対応機種は以下の通り。
- iPhone……iPhone 5、iPhone 5c、iPhone 5s、iPhone SE、iPhone 6、iPhone 6 Plus、iPhone 6s、iPhone 6s Plus
- iPod touch……iPod touch(第6世代以降)
- iPad……iPad Pro(12.9型)、iPad Pro(9.7型)、iPad(第4世代)、iPad Air、iPad Air 2、iPad mini 2、iPad mini 3、iPad mini 4
iOS 10は、iTunes経由またはWi-Fi環境下で端末単体からアップデートできる。iPhone 6sの場合、アップデート用のファイル容量は1.1GB。なお、iPhoneからアップデートを実施すると、iPhoneが動かなくなる(文鎮化する)場合があるようで、Appleが復旧方法を案内している。アップデートはバックアップを取ってから実施するようにしよう。
Appleが「過去最大のリリース」とアピールするiOS 10では、ロック画面、Siri、写真アプリ、マップアプリ、Apple Music、メッセージアプリなどが拡張される。
アップデートの主な内容は以下の通り(以下、iPhoneに配信された通知内容を整理したもの)。
- 「ラウド」「ジェントル」「スラム」「見えないインク」の吹き出しエフェクトを付けてメッセージを送信できる
- お祝いするときなどに、フルスクリーンのエフェクトをつけて送信できる
- メッセージ、リンク、写真にTapbackで素早く返答できる
- 手書きメッセージは、紙の上に書いているかのように見える
- スケッチ、タップ、ハートビートを送信できるDigital Touchメッセージ
- タップするだけで、文字を絵文字に置き換えられる
- リッチリンクを使って、共有したWebページのプレビューを表示する
- iMessage用の新しいApp Storeが利用可能になる
- 「メッセージ」内でアプリを使って、友人と項目を共有や共同作業ができる
- ステッカーをダウンロードして、吹き出しに貼ったり、写真を送ったりできる
「Digital Touch」が送信可能に(写真=左)。App Storeからステッカーを購入できる(写真=右)
Siriでは以下のサードパーティーアプリが利用できるようになる。
- テキストを送信、検索、読み上げるためのメッセージ用アプリ
- 電話をかけるためのVoIPアプリ
- イメージや写真を検索するための写真用アプリ
- 配車を予約するための配車サービス用アプリ
- 個人の支払いをするための支払い用アプリ
- ワークアウトを開始、停止、一時休止するためのフィットネス用アプリ
- 天気、ラジオ、座席、個人用の設定を調整するためのCarPlay自動車メーカー用アプリ
- まったく新しいデザインに一新される
- 過去の移動履歴や「カレンダー」の予約情報をもとに、これから行きそうな場所を予測して提案する
- 新しいコールアウトデザイン、クラスタ化された検索、カテゴリーフィルタによる検索機能の改善
- 自宅、勤務先、よく使う場所、「カレンダー」の次の予定の場所などが表示される
- CarPlayまたはBluetooth経由で、駐車した場所を表示する
- 現在表示中のエリアの天気を表示する
- 対応しているレストラン予約用アプリを使って、マップ内から席の予約ができる
- 対応している配車アプリを使用して、マップ内から目的地までの配車の予約ができる
- ターンバイターンのナビゲーションを改善
- 経路に沿って、ガソリンスタンド、レストラン、コーヒーショップなどが検索できる
- 進行方向の表示を自動的に調整する
- ナビゲーションの最中にマップを動かしたり縮小・拡大したりできる
- 通行料金と高速道路の利用を避けるオプションが追加された
- 深層学習(ディープラーニング)を使ってデザインされた顔認識機能により、自動的に似た顔を見つけグループ化する
- デバイス上のライブラリをスキャン。物体や光景を認識し、写真に写っているものから検索ができる
- 地図上ですべての写真、ビデオ、Live Photosが見られる「撮影地」アルバム機能
- イベント、旅行、人々などをハイライトし、コレクションにまとめて表示する
- 自動的にテーマ音楽、タイトル、映画のような効果を付けて編集されるメモリームービー機能
- 場所、時間、人、シーン、物体などに基づいて、関連したメモリーをコレクションに表示し、より多くの写真を再発見しやすくする
- 友人や家族とも簡単に共有できる
- ブリリアンスの調整が、明るさ、ハイライト、コントラストに写真の全体ではなく部分的に適用される
- HomeKit対応のアクセサリを安全に管理、コントロールするための新しいアプリとなる
- タップするだけで一連のアクセサリをコントロールできるシーン機能
- アクセサリを素早くコントロールできるリッチな通知機能
- オプションとして、家族や友人とホームのアクセスを共有できる機能
- Apple TVやiPadを使用した、アクセサリへのリモートアクセスとオートメーションの機能
新たに用意された「ホーム」アプリ
- デザインが一新され、より簡単に好きな楽曲を楽しめる
- ライブラリをナビゲートするメニューが改善され、オフライン中でもデバイス上で再生できる「ダウンロード済み」の項目をすべて見られる
- 「For You」には、ラブ済みのミュージックやアーティストに基づいて、ミックス、プレイリスト、アルバム、Connectの投稿などがお勧めとして紹介される
- 「見つける」では、Appleのエディタによって週ごとにピックアップされたリリースや、キュレーターのプレイリストや、重要なリリースが簡単に見つけられる
- 「Radio」を聴くのもより簡単になる。Beats1で現在放送中の内容がすぐ確認できたり、お気に入りの番組をオンデマンドで聴いたり、すべてのジャンルでキュレーターによるステーションを選んだりしやすくなった
- ミュージックの再生をする「再生中」の機能も改善。上スワイプで歌詞を見られる。次に再生される曲を見たり編集したりできる
デザインが一新されたApple Music(写真=左)。楽曲の歌詞表示も可能になった(写真=右)
- iPhoneを持ち上げて手前に傾けると画面のスリープを自動的に解除する
- 通知機能は、リアルタイムの情報、オーディオ、写真、ビデオをサポートする
- 「今日」の表示が新しいデザインになり、「天気」「次の予定」「マップ」「株価」など、たくさんの新しいウィジェットをサポートする
- 「コントロールセンター」も新しいデザインになる。コントロール項目にアクセスしやすくなり、ミュージック再生とホームが別々のカードになった
- 3D Touchの利用を拡大
- ロック画面の通知を増やせるようになる
- 「天気」「株価」「リマインダー」「ヘルスケア」「ホーム」「FaceTime」「iCloud」「Drive」「設定」など内蔵アプリのグラフィックが新しくなる
- コントロールセンターからフラッシュライト、タイマー、計算機、カメラ用のクイックアクション項目にアクセス可能に
- 通知センターで「すべて削除」が可能
コントロールセンターは楽曲再生を個別に表示する形となった
ロックは従来のスワイプではなくホーム画面を押して解除する形に(写真=左)。左スワイプでカメラが起動し、右スワイプで通知(写真=右)が表示される
- 新しい絵文字を追加。既存の絵文字にも性別や家族の多様性、レインボーフラッグを加え、よく使われる絵文字を美しく再デザインした
- 現在地、最近使用した住所、連絡先の情報、カレンダーの予約状況などについて文脈に応じた予測を行う
- 絵文字の予測変換
- 深層学習(ディープラーニング)の技術を利用して、「メール」と「メッセージ」の会話からカレンダーのイベントを検出する
- 複数言語キーボードは、キーボードを切り替えずに複数の言語をタイプすることが可能になる
- iPadのレスト&タイプ機能は、ユーザーのタイピングパターンに適応する
- 予測タイピングのの精度を改善した
- 留守番電話の発音表記(ベータ)
- 迷惑電話識別アプリによる迷惑電話のアラート機能
- 割込通話、消音、お休みモードのサポートを含めた、ロック画面上で他社製のVoIPアプリによる通話受信のサポート
- SafariでのApple Payの使用
- iPad上のSafariで、Split Viewを使用して2つのページを同時に表示
- 複数の人に参加を依頼してメモを共有して作業する機能
- 「メッセージ」「写真」と「メモ」に保存されたPDFでのマークアップのサポート
- 「時計」の「ベッドタイム アラーム」を使うと、規則的な睡眠スケジュールの設定と就寝時刻のリマインダーが受け取れる
- Live Photosに手ブレ補正サポートが追加
- Live Photos撮影時におけるライブフィルタのサポート
- iCloud DriveにmacOSのデスクトップと書類フォルダのサポートが追加
- 中国語と日本語による、Spotlightでのライブ検索結果
- 游教科書体フォントと凸版文久体フォントの追加(日本語)
- 「拡大鏡」はiPhoneまたはiPadのカメラを使って実物をデジタル的に拡大して表示する
- ディスプレイカラーフィルターに新しいレンジが追加され、異なる種類の色覚障害やその他の視覚に関する問題をサポート
- VoiceOverに、単語の発音の仕方を変える発音エディタ、新たな声、複数の音源のサポートが追加
- 「画面の読み上げ」と「選択項目の読み上げ」に新たなテキストハイライトのオプション。それに加え、キーボードの文字を読み上げる機能と、複数モデル学習をサポートする予測タイピング候補
- スイッチコントロールで、iOS、macOS、tvOSをすべて同じiPhoneまたはiPadからコントロール可能になり、2つ目のデバイス用にスイッチを設定する必要がなくなった
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