インタビュー
» 2016年12月27日 06時00分 UPDATE

MVNOに聞く:「2017年春頃から製品ラッシュが始まります」――増田社長が語る、FREETELの逆襲 (1/3)

スマートフォン本体、データ通信料、5分かけ放題を含めた「スマートコミコミ」を提供するなど、MVNO事業を強化しているFREETEL。一方で2016年の端末はやや勢いが弱まった感もある。これはなぜか? 増田社長にFREETELの戦略を聞いた。

[石野純也,ITmedia]

 大手MVNOで、セットプランの導入が進んでいる。これは、端末やデータ通信料に加え、音声定額プランなどをパッケージ化したもので、総額がいくらになるのかが分かりやすいのがポイント。それぞれを個別に購入、契約するより節約になることもあり、各社で利用者が増えているという。どちらかというとこれまでの大手キャリアに近い販売方法で、MVNOの利用者層の変化がうかがえる。

 SIMロックフリー端末メーカーとして、FREETELブランドの端末を企画、販売するプラスワン・マーケティングもその1社だ。同社はMVNO事業も展開しており、これらをセットにした「かえホーダイ」を10月に発表した。その料金プランを11月に「スマートコミコミ」にリニューアル。端末を半年に1回機種変更できる特徴はそのままに、組み合わせ可能な料金プランの幅を広げ、通話も無料通話から音声定額にアップグレードした。端末に関してはFREETELブランドのものだけでなく、ASUSやHuaweiのスマートフォンも取りそろえていくという。

FREETEL スマートフォン本体、データ通信料、5分かけ放題を組み合わせた「スマートコミコミ」

 また、端末はフラグシップモデルの「KIWAMI2」を発表。5000mAhのバッテリーを搭載した「RAIJIN」の発売も予定しており、フルラインアップ戦略は継続する。一方で、端末に関しては、2015年よりラインアップが減少している。「REI」のような売れ筋になりそうなモデルを中心に据え、“無駄打ち”をなくそうとしているようにも見える。

FREETEL 12月22日に発売されたフラグシップスマホ「KIWAMI2」

 スマートコミコミに代表される料金プランやスマートフォンのラインアップからは、FREETELの戦略に変化の兆しが表れているような印象も受ける。そこでプラスワン・マーケティングの増田薫社長に、スマートコミコミの狙いや、最新の端末戦略を聞いた。

「かえホーダイ」を「スマートコミコミ」に変更した理由

FREETEL プラスワン・マーケティングの増田薫社長

――(聞き手、石野純也) 最初に、スマートコミコミを開始した狙いを教えてください。かえホーダイから1カ月で料金を変えてきたのは、少々驚きでした。

増田氏 (かえホーダイからスマートコミコミに変えたのは)より分かりやすくしたいと思ったからです。もともとのかえホーダイも、要は割賦の料金プランで、その中の1つに端末を半年間で取り換えられる特典がありました。ただ、売りの1つである割賦をプラン名の代名詞にするのは、ちょっと分かりにくい。であれば、込々でいろいろなものが入っていることを、分かりやすくメインのタイトルにした方がいいとなりました。

―― 名前だけでなく、中身もよくなってますね。

増田氏 その中で大きいのが、従量制の料金プラン(使った分だけ安心プラン)が入ったことです。従量制の方がいいという方はやっぱりいますからね。もちろん、定額制(容量別の料金プラン)でこれだけ使うということを宣言してくれる人に対しては、より魅力的にすべきで、Instagramの無料化も始めています。

 また、通話に関しても、5分間の音声定額を入れています。お客さまからも定額が欲しいという声があり、それを反映しています。

―― なるほど。確かにデータ通信の容量ごとに無料通話の時間が変わるのは、ちょっと分かりにくいと感じていました。

増田氏 そうなんです。好きな言葉は「食べ放題」なので(笑)、それに合わせました。

―― それは、あんまり関係ないのでは(笑)。端末に関しては、画面割れも交換の対象にしています。

増田氏 これも、分かりやすくです。

他社端末はどのモデルを提供する?

―― かえホーダイのときは、自社で修理して中古のような形で流通させるとおっしゃっていました。スマートコミコミでは他社端末も入りますが、この点はきちんとペイするのでしょうか。

増田氏 回ると思っています。自社内で修理する体制も整っていますからね。

―― 他社端末をスマートコミコミの対象に加えた理由を教えてください。

増田氏 一切縛りを入れたくなかったというのが、ベースにあります。FREETELの中で自由に変えられるというと、ユーザーからは「FREETELを使い続けなきゃいけないのか」と思われてしまいます。エンドユーザー目線だと、他のものが選べた方がいいですからね。

―― その分、自社の端末が売れなくなってしまう心配もあると思います。

増田氏 そこはエンドユーザーの選択だと思っています。うちも、モノ作りの体制はかなりよくなりました。資本金も集まりましたが、何をやったかというと、営業マンは1人も増やしていません。増やしているのは開発チームで、深センの工場に行くと、電波や音声など、それぞれをチェックする機械もあります。

 こういった機械は、どんどんうちで買っています。ODMビジネスがありますが、あれをやめたい。設計から何まで自社で全てやる。工場では、単純に作ってもらうだけという形に持っていき、人も設備も徹底的に高めていきます。ソフトウェアの開発陣もいるので、FREETELボタンやFREETEL UIなどの使い勝手にも、磨きをかけてきました。

 何を言いたいのかというと、うちの製品を触ってみて、「FREETELっていいじゃん」と思っていただけるようになってきたということです。ここでFREETELを積極的にいいと思っていただける体制しないと、あと8年9カ月での世界一が見えてきません。

―― 他社端末を入れても自社端末が選ばれるよう、今まで以上に開発に力を入れるということですね。スマートコミコミ導入後の選択率はいかがでしょうか。

増田氏 スマートコミコミにしてから、割賦を選ぶ方が圧倒的に増えました。比率は上がっていますし、これによって女性のお客さんへの広がりも見えています。

―― ちなみに、提供はいつごろからになるのでしょうか。

増田氏 いつから、何をやるのかは、まだ発表していません。(旧かえホーダイのユーザーが端末を実際に変えるのは)半年後なので、2月か3月ぐらいに発表しようと思っていました。彼ら(海外メーカー)の売っている製品はどこからでも仕入れられるので、そのときの売れ筋を、そのときに決めればいいと思っています。

 もっと言ってしまうと、どうせやるなら、本当は日本で出ていないモデルを出したいんですけどね。

―― 例えば、中国で伸びているOPPOなどを扱ったり……ということもあるのでしょうか。

増田氏 そうですね。FREETELのお店に来れば面白いものがあるとなれば、それだけ(FREETELが選ばれる)チャンスも増えます。そこでいいと思っていただけないと、やはりメーカーとしてはヤバいですからね。

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