ソニーネットワークコミュニケーションズが、「nuroモバイル」向けにSIMロックフリーの「Xperia XZ Premium」を発売する。Xperia XZ Premiumは日本ではNTTドコモしか扱っていないが、新たな選択肢ができた形だ。
nuroモバイルのXperia XZ Premiumならではの特徴は、専用帯域を用いた「Xperia限定プレミアム帯域オプション」を利用できること。通常のnuroモバイルとは異なる帯域を使い、さらに高速データ容量が残っている状態なら、上りの通信が使い放題となる。
気になるのは料金だ。nuroモバイルのXperia XZ Premiumは一括9万9800円(税別、以下同)で、ドコモ版の8万7000円よりも高い。一方で通信料はドコモより安く、プレミアム帯域オプション無しなら、端末代(36回払い)を含めて月額2980円から利用できる。
実際のところ、通信料金も含めた月額の費用は、nuroモバイルとドコモでどれだけ違うのだろうか? nuroモバイルの3プランと、ドコモのMNP、機種変更の場合で3年間のトータルコストを比べてみた。
ドコモの基本プランは、5分以内の通話がかけ放題となる「カケホーダイライトプラン」を選択。毎月のデータ容量は、nuroモバイルがデフォルトで組み込んでいる2GBとした。料金は概算で、ドコモは月々サポート以外の割引サービスを加味していない。
nuroモバイルの3プランの詳細は以下の通り。
結論からいうと、nuroモバイルの3プランいずれも、3年間のコストはドコモよりも安いという結果になった。
月額2980円〜3980円のリーズナブルプランが特に安く、3年間で13万1280円。ドコモの機種変更より10万円近く安いが、かけ放題のサービスは含まれず、通話料金は加味していないので、通話をすると、もう少し料金は上がる。またリーズナブルプランにはプレミアム帯域オプションは付かない。
10分かけ放題とプレミアム帯域オプションが付くベーシックプランだと、差は縮まる。nuroモバイルの20万880円に対し、ドコモのMNPは21万2400円。ドコモのXperia XZ PremiumはMNPだと月々サポートが手厚くなり、毎月の端末代は600円で済む。機種変更も23万4600円で、nuroと3万円ちょっとの差になる。
ベーシックプランに端末補償を付けたベーシックPlusプランだと、nuroモバイルが21万8880円、ドコモのMNPが23万400円、機種変更が25万2600円。
リーズナブルプランはnuroモバイルの方が約8万〜10万円安いが、プレミアム帯域オプションが付く他2つのプランだと、約1万〜3万5000円の差に縮まる。この差をどう評価するか、ということになる。
今回はデータ容量2GBで比較したが、5GBのプランだと、ドコモの方がさらに高くなる。2GBプランの差は2800円だが、5GBプランの差は3700円で、3年間のコストはnuroの方がさらに安くなることは付け加えておきたい。
料金の安さに加え、「上り通信使い放題」に魅力を感じるなら、nuroモバイルを選ぶ価値は大いにある。一方ドコモは、MNPでデータ容量2GBなら、nuroモバイルのベーシックプランと遜色ない料金になる。モバイル通信は2GBで十分かつ、MNOならではの安定した通信品質を重視するという人は、MNPでドコモ版を選んだ方がいいかもしれない。
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