NTTドコモが6月中旬に発売する「Xperia XZ Premium SO-04J」は、ソニーモバイルコミュニケーションズ製XperiaシリーズのAndroid 7.1搭載フラグシップモデルだ。5.5型 4K HDR映像対応のディスプレイを搭載し、最大788Mbpsデータ通信にも対応する。24日の発表会で展示されていた実機で、その実力をチェックした。
5.5型 4K(SID規格に基づく2160×3840ピクセル表示)のHDR対応ディスプレイを搭載。高いコントラストと発色の良さを生かして、最新4KテレビやUltra HD Blu-rayなどで対応が進む4K HDR(ハイダイナミックレンジ)映像を再生できる。HDR映像は従来の映像と比べて、画面の明るい部分の階調や発色について優れた表現が可能だ。肝心の4K HDR映像の配信だが、当初は対応映画作品などをdTV、Amazonビデオ、ひかりTVのサービスから利用できる。
Xperia Z5 Premiumと同じく、全ての画面が4Kでの表示になるわけではない。通常のAndroidの操作時はフルHD(1080×1920ピクセル)表示で処理されており、写真を見る「ギャラリー」や、4K映像に対応した「ビデオ」アプリ、Androidの「4K Display Mode」のAPIに対応したアプリの動作時のみ4K表示に切り替わる。
なお、スペック表やカタログでは4Kディスプレイという表記に、「SID規格に基づく3840×2160ドット」という注釈がついている。これは前モデルの「Xperia Z5 Premium」と同じく、4Kに相当する視認ができるという意味合いだ。
実際にディスプレイをマクロレンズや顕微鏡で撮影して拡大表示すると、横方向は完全な3840ピクセルだが、縦方向は2160ピクセルの3分の2となる約1440ピクセルを規則的にずらして配置する「サブピクセルレンダリング」によって、見た目の解像感を2160ピクセル相当にしている。
とはいえ、5.5型の4Kは解像度が801dpiで、サブピクセルレンダリングを考慮しても746dpi以上はある。人間の目が画面の細かさを判別できるのは300dpi前後といわれており、肉眼で完全な4Kかサブピクセルレンダリング採用の4Kかを気付くことは無理だろう。
データ通信は最大788Mbpsに対応。3.5GHz帯TDD-LTEの4×4MIMO技術と、従来のLTEのキャリアアグリゲーション技術をより最適化することで実現する。なお、最大788Mbpsに対応するのは2017年8月から。対応次第アップデートが実施されるという。それまでは最大682Mbpsのデータ通信に対応する。
なお、これら3.5GHz帯を利用した700Mbps前後の通信を利用できるエリアは、全国の市街地や観光地などに限られる。ドコモでは2017年8月以降に全国250都市以上に展開する。まだ3.5GHz帯対応のドコモ製品は少ないので、3.5GHz対応エリア内では当面他の製品よりも高速な通信を利用できる可能性が高くなる。
プロセッサはQualcommの最新ハイエンド「Snapdragon 835(MSM8998)」を搭載。2.45GHz×4+1.9GHz×4の8コア構成だ。Xperiaシリーズの中では、現時点で最高のプロセッサを搭載した製品となる。メインメモリも4GBと大容量だ。
発表会に展示されていた実機で計測した「Antutu Benchmark 6.2.7」のスコアは16万点台。常温で動作するSnapdragon 835搭載スマホとしては平均的な結果を確認できた。Snapdragon 820搭載で13万点台のXperia XZなどと比べると、大ざっぱにいえば1.2倍ほど高性能だ。
USB-C(USB Type-C)端子は加えて、USB3.1 Gen1(理論値5Gbps)の高速データ転送に対応。PCとケーブルの両方がUSB3.0以上に対応していれば、特別な操作なしに利用可能だ。これに合わせて、64GBの内蔵ストレージも従来のeMMCより高速なUFSを採用している。
実際にXperia XZ PremiumからSurface Pro 3にUSB3.0(理論値5Gbps)対応ケーブルで接続して100MBのファイルをコピーしたところ、1秒以内とほぼ一瞬で完了した(従来のXperia XZだと約4秒)。実際の速度計測はより詳細なテストが必要だが、この結果だけでも従来のスマホと比べてPCとのファイル転送がかなり高速なことが分かる。
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