Nokiaの「復刻版バナナフォン」のオリジナルモデル「8110」(懐かしの海外ケータイ)

» 2018年03月19日 10時34分 公開
[山根康宏ITmedia]

 海外メーカーの携帯電話を1500台以上所有する筆者のコレクションから、過去の懐かしい製品を振り返る「懐かしの海外ケータイ」。今回はMobile World Congress 2018で復刻版が登場したNokia「8110」のオリジナル版です。

Nokia8110 Nokiaの「8110」
Nokia8110 カバーを開くとテンキーが現れる

 2018年2月に発表されたNokiaブランドの「8110 4G」は、バナナのように湾曲したボディーが特徴の4G対応フィーチャーフォン。そのオリジナルモデルが、1996年に発売された「8110」です。黒いボディーにテンキー部分を覆うスライド式のカバーを備えたデザインは、復刻版よりもスタイリッシュに見えます。

 この8110を一躍有名にしたのは映画「マトリックス」でした。キアヌ・リーブス演じる主人公のネオが、映画の中の一シーンで8110を取り出し片手で持つや、フリップ部分がシャキーンと自動で伸びるのです。わずか一瞬ですがこのギミックは近未来の携帯電話を使っていることを感じさせるものでした。

Nokia8110 側面から見ると、どれだけカーブしているかが分かりやすい

 8110は当時のNokiaの携帯電話として初めて8000番台の型番を持ったモデルです。そのころのNokiaは薄型(当時としては)モデルの「2110」シリーズがヒット。8000番台は新しいシリーズで、デザインを精錬させたスタイリッシュなモデルに付けられました。その最初の製品が8110というわけです。湾曲した本体の緩やかなカーブは顔に当てると耳と口元にジャストフィット。カバーを閉じたときは携帯電話とは思えぬフォルムを見せてくれました。

 この美しいボディーラインとスライド機構がSF映画にマッチするということで劇中に登場したのでしょう。ただし映画のシーンでは自動でフリップが飛び出しますが、実機は手動式。それでも片手で本体を持って親指でフリップを開け閉めすることができます。なおバッテリーも外側は湾曲していますが、バッテリーの内側、すなわち8110本体のSIMスロットも湾曲しています。

Nokia8110 バッテリーやSIMスロットまで湾曲している

 8110には細かいバリエーションモデルとして「8110i」「8146」「8148」が存在します。またフランスのキャリアOrange向けには「nk503」「nk504」というモデルもありました。そして1999年には映画のシーンを再現できる、プッシュボタンを押すとカバーがバネで開く「7110」が発売になりました。ただし8000番台のモデルではないため、本体デザインは少しやぼったくなっています。

Nokia8110

Nokia「8110」の主な仕様

  • メーカー:Nokia
  • 発売年:1996年
  • 通信方式:GSM
  • サイズ:約48(幅)×141(高さ)×25(奥行き)mm
  • 重量:約152g
  • その他:モノクロ4行表示ディスプレイ

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