FZ-T1の詳しい特徴については、同製品を担当した土田淳プロジェクトマネージャーが説明した。
従来機種のFZ-X1/N1は、高い頑丈性と高機能、高性能を特徴とし、屋外の過酷な現場で使える端末として評価されてきたという。しかし、店舗や倉庫などの屋内で仕事をしている人には「そこまでの頑丈性能はいらないので、もう少しスマートで軽い端末がほしい」という要望があったことが、FZ-T1の開発の背景にあると土田氏は語る。
それを踏まえて、FZ-T1は「頑丈設計」「優れた操作性」「豊富なオプション」の3点を特徴として据えた。
頑丈設計面では、米軍の物資調達基準である「MIL規格」を超える以下のような独自試験を実施し、頑丈さを確認している。
また、MIL規格に準拠した耐振動試験、IP6X等級に準拠した防塵(じん)試験とIPX6/8等級に準拠した防滴・防水試験、さらに低温から高温まで温度を振った耐環境試験なども合わせて実施し、業務の現場でしっかりと使える商品であることを確認しているという。
操作性面では、バーコード読み取りボタンを両側面に配置し、利き手が左右どちらでも便利に使えるように配慮をしている。バーコードの読み取りは約40種類に対応し、しかもすばやく連続で読み取れるようにしている。
また、水に濡れても操作できる「レインモード」や「手袋モード」の設定も可能。バッテリーは脱着可能で、長時間かつ長期間、製品を使い続けることができる。
ちなみに、一般的なスマホはバッテリーを外すと電源を入れて再起動する必要があるが、FZ-T1はバッテリーを交換したあと、再起動する必要がない「ウォームスワップ」という機能に対応する。なお、兄弟機のP-01Kはウォームスワップ機能に対応しない。
【訂正:2018年7月5日15時49分 初出時に、P-01Kがウォームスワップ機能に対応しない理由として「ドコモで販売する端末の要件の都合から」と記述していました。会場での取材をベースに記述しましたが、後日、パナソニック側から事実ではないとの指摘が入ったため、削除いたしました。】
オプション面では、交換用バッテリーパック、画面保護フィルムなど、ユーザーのニーズに合わせて豊富なアクセサリーを用意。バーコードリーダーをよく使う人には「ピストルグリップ」や、離れた場所からでもバーコード読み取れる「オートレンジバーコードリーダー」を提供することも計画している。
ハードウェアだけでなく、ソフトウェア、サービスのオプションも用意し、「導入から運用までメーカー品質でサポート」(土田氏)する体制を整えている。例えば、Wi-Fi設定やAPN設定などの作業を簡単にする「一括設定ソリューション」や「キッティングサービス」、複雑なメニューを隠して業務に必要なアプリのみを表示する「エンタープライズランチャー」などを提供し、「新入社員や異動者など、作業に不慣れな人でも簡単に操作できる」(同氏)ようにする。また、カメラやブラウザなど、業務に不要な機能を制限するカスタマイズもできる。
B2Bでは1つの商品を長期間使用することが多いため、FZ-T1もソフトウェアの更新サービスやサポートも、長期間提供することを計画している。
発表会後、武藤社長にコンシューマ向けスマホの展開(復活)ついて質問したところ、「P-01Kも、基本的にはドコモさんの法人向け端末。今後も法人向けに展開する」とのことだった。
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