低価格スマホで若者から支持 モトローラがSIMフリー市場で“安定”している理由SIMロックフリースマホメーカーに聞く(1/2 ページ)

» 2018年06月26日 15時13分 公開
[石野純也ITmedia]

 売れ筋モデルの後継機にあたる「moto g6」「moto g6 plus」に加え、2万円を下回る価格の「moto e5」を発売したモトローラ・モビリティ・ジャパン。前者2機種がトレンドともいえるデュアルカメラや18:9の縦に長いディスプレイを搭載し、ミドルレンジの底上げを図ったモデルなのに対し、後者は日本で初めて投入するエントリーシリーズの端末だ。moto e5は価格も2万円以下に抑え、SIMフリー市場でのシェア拡大を目指す。

モトローラ 5.7型の「moto g6」。motoストアでの価格は2万8800円(税別、以下同)
モトローラ 5.9型の「moto g6 Plus」。motoストアでの価格は3万8800円

 同社はどちらかといえば、「moto mods」に対応し、機能を後から拡張できるmoto zシリーズでおなじみだが、moto e5を投入したことで、ラインアップの幅をエントリークラスにまで広げた。ただ、市場全体を見ると、サブブランドや大手キャリアの低価格プランなどに押され、MVNOの勢いが落ちつつある。それに引きずられる形で、SIMロックフリースマホ市場の成長にも陰りが見えている。一方で参入済みのメーカーは多く、シェア上位のメーカーも顔ぶれが固まりつつある。キャリア市場以上に競争環境は厳しいといえるだろう。

 このような状況の中、同社はSIMフリー市場にどのような考えで臨んでいるのか。最新モデルの特徴やグローバルでの状況などと合わせて、同社のダニー・アダモポウロス社長が日本での戦略を語った。

日本での現状には満足している

モトローラ モトローラ・モビリティ・ジャパンのダニー・アダモポウロス社長

―― 最初に、日本での状況を教えてください。市場シェアなども開示できるものがあれば、お聞かせください。

アダモポウロス氏 まずgシリーズですが、引き続き(販売台数面での)旗艦的な役割を持つモデルとして受け入られています。今ではかなりの部分がgシリーズですが、一方でxシリーズやzシリーズも好調で、現状にはかなり満足しています。moto modsも、これまでになく人気が高まっています。

 市場シェアに関して興味深いお話をすると、この2四半期ほど、(全体が)激動の状況になっていました。Huaweiがシェアを伸ばしたり、MVNOが別のMVNOに買収されたりと、動きがかなりありましたが、私どものシェアは変っていません。上がってもいなければ、下がってもいないのです。安定しているともいえるでしょう。これは、製品がうまくいっていることを示しているのだと思います。

―― 日本ではeシリーズが初めて投入されます。この狙いを教えてください。

アダモポウロス氏 moto e5を投入することに対しては、高く期待しています。過去にも申し上げたことかもしれませんが、私たちは3か年計画をもってビジネスを成長させています。その第1弾としてgシリーズから始めましたが、gシリーズを安定させ、zシリーズ、xシリーズと投入してきました。

 一方で、MVNOのユーザー層を見ると、若い層がかなり多くなってきています。20代、30代の方々は、これからファンになってくれる世代でもあるので、ここを引きつける必要があります。若い消費者の方々は価格にも敏感です。彼らはお値打ち品を探していて、品質が高く、最新のスペックを備えていることを求めています。ただ、200ドル(約2万2119円)以下だと、型落ちのものになってしまうことが多い。今こそグローバルのポートフォリオ(ラインアップ)を生かし、日本に投入するいいタイミングだと考えました。

 moto e5は低価格ですが、DSDS(3GとLTEのデュアルSIM、デュアルスタンバイ)に対応し、オーディオやカメラの性能もいい。カタログでも、いろいろな機能にチェックを付けられる(対応していることを示せる)製品で、タイミングもいいと思います。お客さまやMVNO、家電量販店ともお話ししながら、投入する最適な時期を探ってきましたが、この価格帯で新製品が出るということに対し、圧倒的に多くのフィードバックをいただいています。

若年層はgシリーズに関心を持っている

―― eシリーズも1機種ではないと思いますが、なぜmoto e5だったのでしょうか。

モトローラ エントリーモデルの「moto e5」。motoストアでの価格は1万8500円

アダモポウロス氏 確かにグローバルにはもっと広いポートフォリオがあり、日本にはその一部を投入しています。eシリーズも、moto e5の他にmoto e5 plusがあり、その中で意思決定を行っています。一度に多くの製品を投入するのではなく、消費者のニーズに合ったものを選んで投入していきたいですね。その方が、われわれが伝えたいメッセージを最適化することもできます。ある程度資源は限られているので、1つに集中する形にしました。

―― 逆にいうと、moto g6はplusも出ましたが、これは販売台数も多く、ニーズが分散しているからということでしょうか。

アダモポウロス氏 これまでのデータがあり、消費者の好みも分かっています。日本の場合、「moto g5」と「moto g5 plus」の両方に人気があった経緯があります。この後継機という意味で、今回も2機種を投入しました。

―― モトローラは携帯電話業界の中で歴史のあるブランドですが、若い人の認知度はあまり高くない印象もあります。20代、30代の獲得をあえて強化したいということでしょうか。

アダモポウロス氏 そのことについては、1年半ほど前に日本でリサーチしました。モトローラブランドがアピールできる世代は男性で35歳より上、あるいは50代以上という結果が出ています。ですから、デジタルやソーシャルキャンペーンへの投資を行ってきました。若い人たちはお店に行くよりも、まずカタログを見たい。そういったところに訴えかけるようなことをしてきました。

 この話には2つのポイントがあり、1つは私たちの行ったキャンペーンのメッセージがきちんと伝わったということです。1つ驚きだったのは、45歳ぐらいの女性の方々がスマートフォンを買うときに、関心を持っていただけたことです。

 もう1つのポイントは、若年層はgシリーズに関心を持つことが分かりました。ただ、この方々は可処分所得が高くないため、価格に対してはセンシティブです。一定の価格に対して最高のバリューを求めているのです。moto e5を投入したのも、そういった理由からです。

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