海外メーカーの携帯電話を1500台以上所有する筆者のコレクションから、過去の懐かしい製品を振り返る「懐かしの海外ケータイ」。今回はLGが韓国で販売していたゲーミング携帯電話、「KV3600」をご紹介します。
2005年にLGは韓国で面白い外観の携帯電話を投入しました。「SV360」(SKテレコム)、「KV3600」(旧KTF)は、パッと見だと普通のフィーチャーフォンのようですが、横に開くと中から横型ディスプレイとゲームコントローラーパッドが現れるという、ゲーミングケータイなのです。どちらのモデルも基本機能は同一。キャリア向けカスタマイズがそれぞれ行われています。紹介するのはKV3600です。また、このころのLGは携帯電話のブランドに「CYON」の名前を使っていました。
閉じた状態でもテンキーの上にあるキーは、円形の十字方向キーの対角線上にも丸いボタンを配置する独特のデザイン。閉じた状態でも音楽再生やメッセージの確認ができます。韓国では古くから携帯電話向けの音楽配信サービスも提供されていたため、このころの携帯電話も音楽再生に力を入れたモデルがほとんどでした。厚さはかなりあるものの、メディアプレーヤーとして考えれば悪くない大きさだったのでしょう。そして横から開くと端末のイメージはがらりと変わります。
QVGAディスプレイの左右には小型ながらもスピーカーが2つ備わり、ステレオ再生が可能です。ゲーミングパッドは左右にあり、左側は上下左右、右側はAB/XYキーとして使えました。中央にテンキーが並んでおり、この状態で電話をかけることも可能。左側のパッドはそれぞれのボタンにアプリが割り当てられています。
ゲーム機能はかなり本格的で、世界初の100万ポリゴン/秒を表示するグラフィックチップを搭載、本格的なゲームプレイが可能でした。しかもテレビ出力も備え大画面でも遊べます。とはいえ、QVGAですから画面表示はかなり粗かったことでしょう。モーションセンサーも搭載していたので、体を動かしながらレーシングゲームなど動きのあるコンテンツを思う存分楽しめました。
カメラも1300万画素でフォトライト搭載と、当時としては高性能。側面にはカメラボタンも備え、ワンタッチで写真を撮ることもできました。音楽プレーヤー、ゲーム機、デジカメ全てが1台に詰まった若者向けのエンタメマシンだったのです。内部ディスプレイは3Dメニューと呼ばれる立体的なアイコンがくるくる回るUIで、ついつい本体を開いて何かをしたくなる、そんな工夫もされていました。
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