インタビュー
» 2018年09月12日 06時00分 公開

なぜあのデザインに? デュアルカメラの秘密とは? ソニーモバイルに聞く「Xperia XZ2 Premium」 (1/2)

ソニーモバイルの最上位スマホ「Xperia XZ2 Premium」は、Xperiaとしては初めて背面にデュアルカメラを搭載した意欲作。4Kディスプレイと合わせて、ソニーが持つ最先端の技術が凝縮されている。そんなXperia XZ2 Premiumの特徴を、ソニーモバイルの開発陣に聞いた。

[田中聡,ITmedia]

 ソニーモバイルコミュニケーションズのフラグシップスマートフォン「Xperia XZ2 Premium」が、国内ではNTTドコモとKDDIから発売された。Xperiaシリーズの「Premium」といえば、高精細な4Kディスプレイを搭載していることでおなじみだが、今回のXZ2 Premiumでは、Xperiaとしては初めて背面にデュアルカメラを搭載した意欲作。ディスプレイと合わせて、ソニーが持つ最先端の技術が凝縮されている。

 そんなXperia XZ2 Premiumの特徴を、ソニーモバイルの開発陣に聞いた。

Xperia XZ2 Premium
Xperia XZ2 Premium 「Xperia XZ2 Premium」。左がクロムブラック、右がクロムシルバー

より手になじむデザインに

 Xperia XZ2 Premiumの本体デザインは「Xperia XZ2」を踏襲しており、背面に3Dガラスを採用したことで持ち心地の良さを目指した。スクエアな形状だった「Xperia XZ1」シリーズや「Xperia XZ Premium」と比べると、デザイン言語が大きく変わった。

 デザイン担当の飯嶋義宗氏は、「ソニーモバイルの調査では、スマートフォンを触る時間は1日平均で5.5〜6時間で、10年前から8倍に増えたという結果が出ています。スマートフォンは人間が一番触れる機器なので、Xperiaの『人に寄り添うコンセプト』に合うよう、より手になじむデザインに変更しました」とその意図を話す。

Xperia XZ2 Premium 背面のガラスが大きくカーブしている
Xperia XZ2 Premium デザイン担当の飯嶋義宗氏

 Xperia XZ2 Premiumは背面の中央部分が膨らんでいるが、ここの内側は駄肉(空洞)になっているわけではなく、階段状に部品を並べ、最小限の体積に部品を収めているという。「厚みはありますが、いろいろな技術を1つに凝縮させることが命題だと思っています」と飯嶋氏。

 一方で約236gという重量は、スマホとしてはヘビー級だ。その理由について商品企画を担当した市野利幸氏は「カメラをはじめとした部品が増えていること」と「3Dガラスを使っていること」を挙げる。特にガラスは「ここまで曲面を取っているところは他社にはあまりない」と市野氏が言うほどカーブをかけており、割れないように品質を担保したことも重量アップにつながったそうだ。

 特に、カーブの角度をどこまで付けるかは苦労したそうだ。「(背面には)光が映り込むので、3D図面上できれいな光だったとしても、モックを作ると不必要な光になったりして、その調整に時間をかけました」と飯嶋氏。ちなみにカーブの率は、Xperia XZ2シリーズの各機種に合わせて最適化をしているとのこと。

 大きな角度でカーブがかかっていると、落としたときにガラスが割れやすいことが心配だが、表と裏どちらも強化ガラスの「Corning Gorilla Glass5」を採用しており、「落下試験に耐えることができ、従来モデルよりも耐衝撃性は高い」(市野氏)とのこと。

Xperia XZ2 Premium 商品企画担当の市野利幸氏

 Xperia XZ2に比べて、ディスプレイの額縁が広くなってしまったのも気になるところ。その理由について市野氏は「4Kディスプレイに流す電力を確保すること」「インカメラに1320万画素の大型センサーを積んでいること(XZ2のインカメラは500万画素)」を挙げる。

 もう1つ気になったのが画面のアスペクト比。Xperia XZ2では縦長の18:9の比率を取り入れているが、Xperia XZ2 Premiumは従来と同じく16:9のまま。これはなぜか。

 市野氏は「ディスプレイ体験として、18:9と16:9はそれぞれいいところと悪いところがあります」と話す。「18:9だと縦の閲覧性が上がることでスクロール回数が減ります。コミュニケーションをするのには向いていますが、写真や動画を見るという観点だと、撮影フォーマットは16:9が基本なので、16:9の方が適しています」(同氏)

「光の反射」を取り入れたカラー

Xperia XZ2 Premium CMF(カラーマテリアルフィニッシュ)デザイン担当の片山奈美氏

 Xperiaの「人に寄り添う」というテーマはカラーにも反映されている。Xperia XZ2 Premiumの本体色はクロムシルバーとクロムブラックの2色展開。CMF(カラーマテリアルフィニッシュ)デザイン担当の片山奈美氏によると、「日常の中にあふれる心地よい光のような、環境に溶け込む存在になる」ことを意味する「フロー・オブ・ライト(Flow of Light)」というテーマでアプローチしたという。

 Xperia Z5 PremiumやXperia XZ Premiumでは鏡面仕上げが印象的だったが、Xperia XZ2 Premiumではあえて反射を抑えている。それは、XZ2 Premiumが背面に3Dガラスを採用していることにも関係している。「今までのPremiumはミラー調で提案していたので、(XZ2 Premiumを)ミラー調に置き換えてみたところ、曲面との掛け合わせで強すぎる印象を与えてしまいました」と片山氏。

 完全なる鏡面仕上げも、とがったモデルの象徴として好きな人も多いだろうが、「フラットな形状でも目立つので、曲面だとかなりクセが強くなってしまう」と市野氏は言う。これでは目指した“心地よさ”に反するため、XZ2 Premiumでは鏡のギラつき感を弱め、質感とカラーで新しい提案をすることにした。

Xperia XZ2 Premium 同じ本体カラーでも、背面の仕上げはさまざまなパターンを試した。写真の6枚のパネルはいずれも異なる仕上げで、製品化されていない。左が製品版のクロムシルバー

 片山氏が注目したのが「光の反射」で、「3Dガラスの曲面と反射のバランス感を吟味した」という。「クロムシルバーは水や空気の色が持っているような、自然な青み具合が出るようにし、クロムブラックは純粋な黒というよりはクロームの質感を入れ、蒸着塗装をすることでニュートラルに反射を高めました」(同氏)

 フレームはアルミだが、「滑らかなガラスの光沢感からフレームの輝きがつながるよう、色や質感の調和を目指しました」と片山氏。確かに、ガラスからフレームまでシームレスにつながっているように見える。

 Xperia XZ2 Premiumではディスプレイの額縁(表面)も着色しているが、表面と背面では着色の手法が違うという。「表はダイレクトに印刷や蒸着をかけていますが、背面はフィルムで加色しています。背面は3Dガラスで曲がっているので、フィルムでないと色の追従が難しかったのです。印刷はフラット形状に適している手法なので」と片山氏は説明する。

指紋センサー、なぜあの位置に?

 Xperia XZ2 Premiumのデザインでもう1つ特徴的なのは、背面が左右対称になっていること。フォトライト、カメラ、指紋センサーなどのパーツが中央にバランス良く配置されている。指紋センサーを背面中央に配置したのは、左右どちらからの手でもロックを解除できるようにするだという。

Xperia XZ2 Premium カメラの下に指紋センサーがあるが、真ん中よりなので、触りにくいという意見もある

 一方で指紋センサーの位置がカメラの下にあるため、間違えてカメラのレンズを触ってしまうことも多い。この点について飯嶋氏は「部品の制約で自由に行かなかったということもあります。確かに慣れないうちはカメラに触れてしまうという意見もありますが、慣れればスムーズだと思います」と話す。

 従来のXperiaは側面の電源キーに指紋センサーを搭載しており、ロックを解除するにはキーを押し込む必要があったが、今回はセンサーに触れるだけでよいので、その点では操作性は向上している。また市野氏によると、指紋センサーの精度はXZ1など従来機種よりも向上しているとのこと。

 なお、指紋センサーをなぞってシャッターを切ったり画面をスクロールしたりすることはできない。他の機能を入れると誤動作が増える恐れがあるため、あえてロック解除のみに使うことにしたそうだ。

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