テレビを見ていると、Apple Watchを身につける人が増えたなあと実感します。発売当初は吉本芸人の装着率が目立っていましたが、最近は女性タレントやスポーツ選手、文化人、街角インタビューの一般人まで、ジャンルを超えてApple Watchユーザーが広がっている印象です。
それもそのはず、Apple Watchは2015年の初代発売以降、世界で累計4600万本を販売しているとアナリストのHorace Dediu氏は予測しており、2017年は世界で(日本でも)最も出荷台数の多いウェアラブルデバイスとなりました。2017年にはSeries 3が発売され、前年同期比で60%売り上げが増加しています。Series 4でもその勢いは止まらないでしょう。
初代から愛用する私ももちろんSeries 4を楽しみにしていましたが、発表内容を見た第一印象は「え……何で大きくするの?」でした。Apple Watchはファッションアイテムじゃなかったの? 画面サイズ大きくして厚み薄くしてって、そこスマホのアプローチと一緒でいいの? とモヤモヤ。
Apple Watchは写真より実物の印象がいい場合が多いので、発売日に期待してApple Storeで見てみても、やっぱり大きい。
今回、エルメスモデルのストラップと文字盤に一目ぼれしたので買おうか悩みましたが、実物がケースのせいで全体的にゴツく見えてしまい諦めました。もともとのエルメスの腕時計が、きゃしゃなケースが多いイメージなだけに余計に気になっちゃって……。こういう存在感の強いアイテムをうまく着こなしたい人生だった。
実際に装着した第一印象も「画面大きい!」でした。2つのケースサイズはそれぞれ40mmと44mmに2mmずつアップし、ベゼルの幅が狭くなったことで、ディスプレイの表示領域は30%拡大しています。
とはいえ、ケースの厚さは11.4mmから10.7mmになったこともあり、Series 3以前のモデルと比べて装着感の違いは感じられません。今回は40mmのケースを試しましたが、バンドの互換性があり(40mmのケースは、従来の38mmケース用のバンドが使える)、つけ心地も変わらず、なのにディスプレイは大きく見やすくなる。それって実はすごい改良なのかもしれません。
まだウォッチを見るたび「ごっつ……」と思わずにはいられませんが、慣れと好みの問題でしょうし、そこはもう言わないことにします。
裏を返せば、気になるのはケースのサイズくらいで、その他の性能やOSの機能は大きく進化しています。特にiOS 12の「Siriショートカット」機能とApple Watchは想像以上に相性抜群でした。
Siriショートカットは、任意のアプリの特定の操作に音声ショートカットを設定して、Siriから実行できるようにする機能です。例えば、Apple Musicのプレイリストの再生をSiriにお願いしたいとき、Siriにそのプレイリスト名を正確に伝える必要がありました。しかし、Siriショートカットを使えば、好きな音声コマンドで素早く指示できるようになります。
ライフログ系アプリの入力をSiriショートカットで設定したところ、iPhoneでアプリをわざわざ立ち上げずとも、Apple Watchで片手間に記録していけるので入力が格段に楽になりました。私のようにマメさがなく、ライフログを挫折した経験のある人にとっては、記録のハードルが下がるありがたいアップデートです。
なお、Series 4では「Hey, Siri」の声掛けなしで、手首を上げて口元にウォッチを近づけて話すだけで、Siriが起動する機能が追加されました。私の端末では声のボリュームがある程度ないと反応せず、新機能の使用感はイマイチ。リュウズを長押しする従来の方法の方が簡単かつ確実に起動します。今後のアップデートに期待です。
【更新:2018年9月27日11時53分 冒頭のApple Watchの累計販売台数が予測の数字であること、装着したApple Watch Series 4のケースが40mmであることを追記しました 】
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