コラム
» 2019年01月09日 11時45分 公開

5G、楽天、ドコモ値下げ――2019年のモバイル業界注目トピック

2019年は、モバイル業界にとってターニングポイントの一つといわれる年になりそうだ。特に注目すべき3つのトピックを紹介したい。9月に「5G」のプレサービスが始まり、10月には楽天がMNOとして参入予定。ドコモが料金プランを変えることも見逃せない。

[田中聡,ITmedia]

 2019年は、モバイル業界にとってターニングポイントの一つといわれる年になりそうだ。特に注目すべき3つのトピックを紹介したい。

5Gサービスが開始、対応端末も登場

 まずは次世代通信規格の「5G」。NTTドコモが2019年9月開催のラグビーワールドカップに合わせて、5Gのプレサービスを提供する。

ドコモ5G ドコモは2019年9月に5Gのプレサービスを開始し、2020年春に商用サービスを開始する予定

 ドコモの吉澤和弘社長は年頭所感で、まずは「高速・大容量」という特徴を生かし、スポーツ観戦やeスポーツイベントなどで新たな体感ができるサービスを目指すと述べている。例えば、複数カメラで撮影した多視点の試合映像を、ラグビー観戦者の端末に配信する、といった形が考えられる。

 5Gサービスを体験するには「端末(スマートフォンやタブレット)」が必要になるので、このプレサービスが“日本初の5G端末”お披露目の場になる可能性が高い。より多くのユーザーに体験してもらうべく、ラグビーの試合会場では5G端末が貸し出されるかもしれない。

 5Gに対応したプロセッサとして、既にQualcommが「Snapdragon 855」を発表しており、2019年内に30を超える5G対応端末が登場することを予告している。LTEが始まったころのスマホはとにかくバッテリーの持ちが悪く、使い勝手がいまひとつだったが、5G端末は当初から快適に使えるのかにも注目したい。

Qualcomm Qualcommは、5G対応のプロセッサ(Snapdragon)が、30を超える端末に搭載されることを予告

 なお、日本では3.7GHz帯、4.5GHz帯と28GHz帯の周波数を5G用に使い、2018年度末までに割り当てが決まる予定だ。まだ気が早いが、MVNO(格安SIM)の5G対応にも期待したい。IIJの勝栄二郎社長は、年頭所感で「IIJがフルMVNOとしてどのように5Gに関わっていけるのかはいまだ勉強中だが、MNO各社とも連携しながら5G時代のMVNOを開拓していきたい」と決意を述べており、MVNOも含めて5Gの動向は注目したい。

楽天のキャリア参入、カギは「ポイント」か

 10月には楽天がMNO(キャリア)として商用サービスを開始するが、通信品質、料金、サービス内容など、良くも悪くも気になる点は多い。

 通信品質については、楽天が構築したインフラに加え、2026年3月31日まではKDDIのローミングを活用することで全国エリアのカバーを目指すが、東京23区、大阪市、名古屋市はローミング対象外。サービス開始当初から全国でしっかりつながり、高速で通信できるのかは未知数だ。

 料金はMVNOの「楽天モバイル」と同程度(月額1000円台〜)になることが期待される。他社からの乗り換えを促すべく、MNPを対象としたキャンペーンも積極的に行うだろう。

楽天 MVNOの楽天モバイルが提供している料金プラン(スーパーホーダイ)。MNOのプランもこれに近くなるかも

 楽天は年頭所感で「楽天グループの総力を結集して携帯キャリア事業に取り組んでいく」「『楽天エコシステム』とのシナジーを最大限に発揮する」という力強いコメントを発している。このシナジーの一環として当然、楽天スーパーポイントとの連携も取り入れるはずで、楽天経済圏のユーザーが他キャリアから乗り換えることも期待される。この秋は楽天が台風の目になることは間違いない。

ドコモの料金プランが変わる

 ドコモが2019年度第1四半期(4〜6月)に料金を値下げすることを予告しており、その内容についても注目が集まる。

 現在判明しているポイントは3つ。「おトクで」「シンプルな」料金プランにすること、そして端末代金と通信料を分けた「分離プラン」が軸になること。

ドコモ新料金 ドコモは料金を2〜4割下げることを予告

 おトクについては、1年あたり最大4000億円規模を還元し、2〜4割程度値下げする。ただし何を基準に2〜4割の値下げになるのかは判然としておらず、契約内容によっては値下げにならない場合もありえる。一方、吉澤社長は「3Gケータイからスマートフォンへの移行も積極的に進めていく」と年頭所感で述べており、ここにも一定の資金を投じることになりそう。

 ドコモの料金プランは「仕組みが複雑で分かりにくい」という声が多く挙がっているそうで、シンプル化にも努める。ドコモの料金は基本プランを4つから選び、データプランは「1人用」か「家族用」かを決めた上で、段階制のプランにするか、定額プランにするかを選ぶ形なので、なかなか簡単には決められない。選択肢を絞りつつ、どれだけ多くのユーザーのニーズを満たすプランを設計できるか注目したい。

ドコモ料金プラン ドコモの現行プラン。4種類の基本プランとパケットパックを組み合わせる形。この図版だけだとシンプルだが、パケットパックは「家族用」「1人用」でさらに種類が分かれるため、組み合わせパターンは相当な数になる

 分離プラン導入となると、端末購入にひも付く割引の「月々サポート」は廃止されることになるが、そうなると、逆にユーザーの支払い額が増える恐れもある。ドコモは分離プランとして、月額1500円をずっと割り引く「docomo with」を展開済みだが、対象端末が限られるので完全な分離プランとはいいがたい。このdocomo withの対象端末を拡大する方向もあるかもしれない。あるいは、KDDIとソフトバンクが実施している、分割代金の半額を免除する施策をドコモも導入するかも? いずれにせよ、月々サポートに代わる何らかの割引策は打ってくると予想する。


 「5G」「楽天」「ドコモ新料金」の3トピックについては特に注力して取材し、ITmedia Mobileでさまざまな記事を展開していく予定なので、ご期待いただきたい。なお、5Gについては総力特集「ビジネスを変える5G」も展開しているので、こちらもぜひご一読いただきたい。

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