Macを買うことに決めた。でもメールの移行はどうしよう?高橋敦の「Macでいいじゃん!」第5回

» 2007年12月14日 15時08分 公開
[高橋敦,ITmedia]

Outlook ExpressからMailへの長い道のり

 Windows XPの標準メールソフトは「Outlook Express」、Mac OS Xの標準メールソフトは「Mail」だ。この両者のメールボックスの保存形式には互換性がなく、前者から後者に直接メールボックスを引き継ぐことはできない。

 オープンソースのメーラー「Thunderbird」を間に入れて、Outlook Express(Windows)→Thunderbird(Windows)→Thunderbird(Mac)→Mail(Mac)と変換していけば移行は可能だが、これはちょっと面倒だ。

まずはWindows側にThunderbirdをインストールしてOutlook Expressのデータを引き継ぎ(画面=左)、その後Mac側にもThunderbirdを用意してWindows版のデータを引き継いで、さらにMailの「メールデータ読み込み機能」で受け取れば移行完了(画面=右)

そこで“あらかじめGmail”作戦

Gmailはプラットフォームに依存せず、WindowsとMacで操作方法が変わったりはしないので安心。ブラウザ表示のフォントがきれいで読みやすいのはMacの特権だ

 さて困った。困ったときは”Google先生”だ。またGoogle頼りかよ、と思われるかもしれないが、実際便利なのだからしかたない。

 今回利用するのは、もちろん「Gmail」だ。Gmailについて改めて詳しく説明する必要はないだろう。現時点で約5Gバイトという膨大な容量、そして通常のメールソフトと同等以上の機能や使い勝手を持つ、“ド定番”のオンラインメーラーだ。そしてGmailは、当然Mac(のブラウザのSafari)にも対応している。

 そこでこういう対策案はどうだろう。Macを購入する前に、あらかじめ一足先にOutlook ExpressからGmailに乗り換えておくのだ。そうしておけば、Macを購入したときにはそのままGmailでメールを始められる。そして何も変わらず使い続けられる。

だけどLeopardの新Mailは魅力的

 WindowsからMacへのスイッチを考えているのなら、当面はGmailということで問題はないだろう。だが、Macの最新OS「Mac OS X 10.5 “Leopard”」に搭載されているMailの最新バージョンが実はかなり強力なのだ。どうせMacに乗り換えるなら、いずれはこちらへの移行をおすすめしたい。Thunderbird経由の移行は面倒だけど、その価値はある。

 Leopard版Mailの新機能は多岐にわたるが、最も印象的で、実際に使っていても便利だと思ったのがメモ機能。これは送受信メールとは別に自分でメモを作成でき、それらをMailで管理するというものだ。

 それの何が便利なのさ? と疑問に思うかもしれないが、Mail、というか一般のメールソフトには、時系列での並び替えや、さまざまな検索条件からの抽出など、メモを管理するために便利な機能がすでに用意されている。つまり、多くのメーラーはメモソフトとしてあらかじめ高い可能性を秘めており、これをうまく利用したのが新Mailというわけだ。

 MailにはiCal(スケジュールソフト)と連携する「To Do」機能も用意されていて、アドレスブックとの連携も従来以上に強化されており、使いこなしの幅は広い。あとはこのメモ機能が公式にiPod touchと同期するようになってくれれば言うことはないのだけど……アップルさん、お願いします。

ツールバーの「メモ」「To Do」のボタンでそれぞれを新規に作成できる。現時点ではメモにタグを付ける機能がないので「&Works」のように手打ちでタグ入力をしておく(画面=左)。条件検索を保存しておけるスマートメールボックス機能の設定条件でも「メッセージの種類が“メモ”」を選べるようになった。この画面は「種類が“メモ”で文中に“&Works”を含む」という設定例(画面=右)

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