レノボ・ジャパンがコンシューマー市場に参入した理由(2/2 ページ)

» 2008年12月04日 09時00分 公開
[長浜和也,ITmedia]
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“大和”主導で導入された日本独自機能とは

 城下氏は大和事業所とラーレーの主導でIdeaPad S10eから導入された機能として、「Lenovoクイック・スタート」と「NOVOボタン」を紹介した。Lenovoクイック・スタートは、Linuxベースで動くシェルで、OSとしてIdeaPad S10eに導入されているWindows XP Home Edition(SP3)を起動しなくても、10秒程度でシェルが立ち上がってWebブラウザやMusicプレーヤー、チャット、Skypeが行える。Novoボタンはキーボードの上に隣接する専用ボタンとして用意されており、これを押すとアプリケーションランチャーが起動する。初期状態でInternet ExplorerやOutlook Expressなど基本的なアプリケーションがプリセットされているが、ユーザーが自分で登録することも可能だ。

IdeaPad S10eで初めて導入された「Lenovoクイック・スタート」と「Novoボタン」のほか、従来のIdeaPad S10シリーズでも採用されているマルチタッチ対応のタッチパッドではピンチ機能によるズーム操作やカイラル・モーションが可能だ

 ThinkPad/IBMから考えれば、長い空白をはさんでコンシューマー市場へ再参入したことになるレノボ・ジャパンだが、この先の展開はどのように考えているのだろうか。原田氏は、ThinkPadブランドは法人向けという位置付けは変わらず、さらに、IdeaPadに関しても、MIDタイプのIdeaPad U8などほかのモデルの投入については、「IdeaPad S10eの結果を見て考えていきたい」と述べるなど、依然として慎重な姿勢であることを示唆している。

 軸足は法人向け市場に置いたままなのか、レノボのワールドワイドの動きと歩調を合わせるためにコンシューマー市場に再参入したのか、それとも、IdeaPad S10eをきっかけとして日本でもコンシューマー市場に積極的に取り組んでいくのか。

 すべては、IdeaPad S10eにかかっているようだ。

IdeaPad S10eはレノボ・ジャパンの直販サイト以外に、ケーズデンキ、コジマ、上新電機、ソフマップ、ビックカメラ、ヤマダ電機、ヨドバシカメラといった量販店で12月6日から販売を開始する(ホワイトモデルのみ。ブルーとピンクは2009年春からの予定)。日本の流通における「特殊事情」の克服もレノボ・ジャパンがコンシューマー市場で成功するために重要になる

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