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» 2010年06月30日 11時00分 UPDATE

イマドキのイタモノ:ASUS「M4A88TD-V EVO/USB3」で“AMD 880G”を試す (1/2)

AMD 880Gは、エントリークラスのマザーボードを想定した新世代チップセットだ。動作クロックが上がった統合グラフィックスをメインにその“戦力”を探る。

[石川ひさよし,ITmedia]

マイナーバージョンアップ?メジャーバージョンアップ?

 「AMD 880G」はAMD 8シリーズチップセットのラインアップでエントリークラスをカバーするグラフィックス統合モデルだ。AMD 8シリーズのグラフィックス統合チップセットとして上位モデルに「AMD 890GX」があるが、AMD 880Gとの違いは、グラフィックスコアの動作クロックと、複数のグラフィックスカードを使ったCrossFireX構成でPCI Expressの16レーンを「8+8」レーンに分割できるかできないか、という点になる。

 従来モデルのエントリークラス「AMD 785G」に統合されたグラフィックスコアはAMD 785GはRadeon HD 4200、AMD 880Gに統合されたグラフィックスコアはRadeon HD 4250と型番は異なるものの、ともに「Radeon HD 4000」シリーズでDirectX 10.1までのサポートであるのは変わらない。両者で異なるのは動作クロックで、AMDから公式なアナウンスはないものの、マザーボードベンダーによれば、Radeon HD 4250のリファレンスクロックは560MHzとされている。Radeon HD 4200の500MHzからわずか60MHzとはいえクロックアップしたことになる。なお、AMD 890GXに統合されたRadeon HD 4290の動作クロックは700MHzなので、その低クロックバージョンと見ることもできる。

 チップセットの仕様では、ノースブリッジとサウスブリッジ(SBシリーズ)の接続がAMD 785Gより帯域の広いA-Link IIIに変更された。AMD 8シリーズでサポートされたSerial ATA 6Gbpsや最近のマザーボードで対応例が増えてきたUSB 3.0を十分活用するための重要なアップデートといえる。なお、サウスブリッジはSB850に加えてSB710も利用可能だ。Serial ATA 6GbpsをサポートするハイエンドモデルならSB850を組み合わせ、バリュークラスのモデルなら、コストを抑えるためにSB710を採用するなど、バリエーションモデルの展開が可能となっている。

チップセット AMD 890GX AMD 880G AMD 785G
PCI Express x16レーン数 22 22 16
CrossFireX x8+x8
それ以外のPCI Express x1(2.0)×6 x1(2.0)×6 x1(2.0)×6
グラフィックスコア Radeon HD 4290 Radeon HD 4250 Radeon HD 4200
コードネーム RV620 RV620 RV620
DirectXバージョン 10.1 10.1 10.1
統合型シェーダユニット数 40 40 40
GPUコアクロック 700MHz 560MHz 500MHz
サイドポートメモリ
UVD UVD2 UVD2 UVD2
N-Sチップ間接続バス Alink Express III(x4 PCI Express) Alink Express III(x4 PCI Express) Alink Express II(x4 PCI Express)
サウスブリッジ SB850 SB850/SB710 SB750

サウスブリッジ SB850 SB710
プロセスルール TSMC 65nm TSMC 130nm
USB 2.0 14 12
USB 1.1 2 2
Serial ATA 6Gbps 6
Serial ATA II(3Gbps) 互換 6

 今回、AMD 880Gの評価に用いたマザーボードはASUSの「M4A88TD-V EVO/USB3」だ。ATXフォームファクタでバックパネルの画像出力インタフェースにはHDMIとDVI、D-Subの3系統をそろえる。サウスブリッジにSB850を組み合わせているので、Serial ATA 6Gbpsも利用できるほか、NEC製の専用コントローラを実装してUSB 3.0も対応する。CPU電源回路は8+2フェーズで、高いTDPを要求するCPUや定格以上の駆動電圧を必要とするオーバークロック動作も安定する。

kn_amd880g_01.jpg ASUSのAMD 880Gマザーボード「M4A88TD-V EVO/USB3」は、拡張性の高いATXフォームファクタで、各種のオーバークロック機能やコア復活機能を備えた「遊べる」モデルだ

 拡張スロットは、PCI Express x16が2基、PCI Express x1が1基、PCIが3基を用意する。2基のPCI Express x16スロットが利用できるレーン構成は16レーン+4レーンで固定だ。このレーン数の組み合わせでCrossFireをサポートする。

 AMD 880Gはエントリー向けのモデルだが、M4A88TD-V EVO/USB3はその中でも上位モデルに近いスペックを持つ。Serial ATAはPCI Express x1スロットの後方で、拡張カードとの干渉も少ない。5基が基板に用意され、1基はバックパネルに設置されてeSATAとしても利用できる。一方、専用のコントローラを実装してParallel ATAも対応するが、このコネクタがPCIの第2スロットとPCI Express x16の第2スロットの間にある。拡張カードと干渉することはないが、IDEのフラットケーブルを取り回すにはあまり使い勝手がよくない。

 Parallel ATA以外にも、専用チップとしてHDオーディオ、IEEE1394、USB3.0のコントローラを実装する。USB3.0チップはNEC製だ。そのほか、マルチコアCPUでDisableなコアを復活させる「Core Unlocker」機能や、「Turbo Key II」「Turbo V EVO」といったオーバークロック関連機能も充実している。

 先ほど、AMD 880Gに統合されたグラフィックスコアのRadeon HD 4250の動作クロックは560MHzと説明したが、M4A88TD-V EVO/USB3では、初期設定の状態で700MHzに設定されている。これは、BIOS設定をデフォルトに戻してもグラフィックスコアの動作クロックは700MHzのままだ。700MHzという設定はAMD 890GXに統合されたRadeon HD 4290に相当する。

kn_amd880g_10.jpg M4A88TD-V EVO/USB3はデフォルトでグラフィックスコアの動作クロックが700MHzに設定されている。ASUSは、Radeon HD 4250のデフォルトクロック560MHzに対しオーバークロック状態で出荷していると説明している。なお、ユーティリティ「TurboV」から再設定可能だ

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