液晶ディスプレイの下部に、E713シリーズ用として新たに開発されたスリムなスピーカーユニットを搭載する。厚さ約10ミリながら、約10センチ口径のスピーカーと同等とする振動板面積を持ち、AV機器メーカーである同社ならではの豊かな音質をPCでも実現するという。
さらに、Blu-ray Discの映画タイトルなどに採用される新世代サラウンド規格「DTS-HD Master Audio」デコーダを標準で搭載するのもポイントだ。DTS-HD Master Audio以外に、ボリュームバランスを最適化する「DTS Symmetry」、ステレオスピーカーでバーチャルサラウンドを実現する「DTS Surround Sensation UltraPC」、ダイナミックレンジの調整によって出力を高める「DTS Boost」、ホームシアターシステムに連携する「DTS Connect」を含めたDTSのオーディオソリューションパッケージ「DTS Premium Suite」をPCとして初めて搭載している(2010年5月現在、DTS調べ)。
このうち、“買ってすぐ”効果を実感できるのが、DTS Surround Sensation UltraPCだ。これを有効にすると、本体のスピーカーでもイヤフォンでも、まるで音が自分の周囲を回り込むように聞こえるようになり、臨場感がぐっと高まる。Blu-ray Discの映画タイトルを何本か視聴したが、画面を間近で見るスタイルと、臨場感を感じる高品位なサウンドのおかげで意外なほど自然に作品の視聴に没頭できた。広い部屋で大型のテレビやスクリーンで視聴するシーンとはまた違った楽しみ方である(特に、真っ暗にした部屋でひとり楽しむには最適だ)。
標準の2チャンネル出力(によるバーチャルサラウンド)でもなかなかの音だが、より本格的なマルチスピーカーシステムを構築したい場合にも対応する。本体裏面にリア、センター、サブウーファー用の出力端子を備えるほか、光デジタル出力端子も搭載するので、オンキヨーのAVセンターなどと組み合わせて、さらなる音の機能強化を図るのもいいだろう(残念ながら、HDMI出力端子は備えないのだが)。
ボディの右側面に、iPod/iPhone対応のDockコネクタ付きクレードルを標準で備えるのも大きなポイントの1つだ。PC利用時にiPod/iPhoneを乗せてiTunesで同期したり、充電する使い方は当たり前として、本体のスピーカーからiPod内の楽曲を再生できるオーディオシステムにもなる。クレードルはさすがにiPadほど大きいと乗せられないが、適当なシリコンケースを付けたiPhone 3Gも普通に設置できるほど接続部分にはゆとりがある。このほか、HDMI“入力”端子を搭載するので、本機の液晶ディスプレイを(PCの起動なしに)家庭用ゲーム機やレコーダーの外部ディスプレイとして、あるいは別のPCのセカンドディスプレイなどとして利用できるようにもなっている。
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