まずはWindows 7のエクスペリエンスインデックスから見ていこう。最高スコアはWindows Aeroおよび3Dゲーム用グラフィックスの7.9で、HDDが5.9、CPUが7.5、メモリが7.6となっている。普段使いには十分過ぎる性能だ。
次はおなじみのベンチマークテストを実施した。計測したのは、いつも通りPCMark05、PCMark Vantage、3DMark06、3DMarkVantageで、3Dゲーム系ベンチマークはFINAL FANTASY XI Official Benchmark 3、LOST PLANET体験版&ベンチマークDirectX 10版、THE LAST REMNANT体験版&ベンチマークといった定番ベンチマークだ。これらのテストは本来の性能をチェックするために3D Visionを無効にして計測している。ただし、FINAL FANTASY XIV Official Benchmarkは、3D Visionの有効/無効を切り換えて両方テストを行った。
結果はグラフの通りだが、3D Visionを有効にしないベースマシンの素姓とも言える各種ベンチマークの結果は非常に高いスコアとなった。3Dゲームをプレイする用途で購入したとしてもストレスを感じずにプレイすることができる。特にDirectX 9以前のゲームであれば、何の苦もなくプレイすることが可能だろう。ただし、最新の3Dゲームで3D Visionを有効にするとやはりスコアは落ち込む。
これは3D Visionの仕組みを考えると分かりやすい。3DVisionは、左目と右目用にレンダリングデータを用意し、アクティブシャッターを使って左目用と右目用のレンダリング画像を最大60fps(60Hz)で切り換える。つまり2画面分のリアルタイムレンダリングが必要となるわけだ。さすがのハイエンドGPUであるGeForce GTX 480でも、フルHD(1920×1080ドット)のサイズで2画面分のレンダリングは負荷が高い。ベンチマークの結果を見れば分かるように、1画面のレンダリング(3D Vision無効)に対して2画面のレンダリング(3D Vision有効)になるため、スコアは半分程度に落ち込んでしまう。
実際、FINAL FANTASY XIV Official Benchmarkとでは、低解像度(1280×720ドット、LOW設定)と高解像度(1980×1080ドット、HIGH設定)でスコアがほぼ半分程度になっている。FPSなどは見渡せる距離が広く、なおかつフレームレートが高いほど有利にプレイできるが、フルHD解像度で3D Visionを有効にするとガクンとフレームレートが落ち込んでしまう。非常にシビアなタイミングが要求されるFPSでは、フルHD解像度では3D Visionを無効するか、オプション設定でゲームの画面サイズを1280×720ドット以下に設定してプレイするなどの対応が必要になるだろう。あるいはもう1枚、GeForce GTX 480を用意するかだ。
FPSゲームタイトルではよりシビアな反応が要求されるため、さらなるグラフィックス性能の底上げが必要だが、それ以外のリアルタイムストラテジーや恋愛シミュレーションなどのゲームでは、3D Visionを有効にしてプレイすることで、さらに臨場感あふれる3D立体視画面でゲームを満喫することができる。
特にRTSではミニチュアの箱庭をのぞくような感覚、いわばTilt-shift写真が動きまわっているような感覚を味わうことができるので非常におススメだ。恋愛シミュレーションも奥行き感が出てくるので感情移入しやすくなるように感じた。
以上、i800GA8は価格的にも性能的にも非常に満足度の高い製品であるが、FPSやMMORPGは通常モードで快適に、RTSやSLGは没入感の高い3D立体視で楽しむ、といったユーザーに特に向いている。もちろん、3Dゲームはたまにしかせず普段は映像を重視するという人でも満足度の高い製品であることは言うまでもない。
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