「Monster X3」を冷静に使うイマドキのイタモノ(1/3 ページ)

» 2011年02月22日 11時00分 公開
[芝田隆広,ITmedia]
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HDMIからの1080/24pキャプチャーに対応

 エスケイネットの「Monster X3」は、HDMI入力を装備したビデオキャプチャーカードだ。「フルHDビデオキャプチャー」のキャッチコピー通り、最大1920×1080ドットでPCに動画を取り込める。従来モデルの「Monster X2」は、HDMI出力とD端子を装備していたが、「Monster X3」はD端子を廃止した。その代わりに1080/24pの動画表示/再生に対応したのが「Monster X3」の特徴だ。

 Monster 3でなくなったD端子は、アナログ信号対応なのでコネクタやケーブルなどの品質や接続状態により画質劣化が生じるが、HDMIはデジタル信号対応なので、信号の伝送経路における画質劣化は「理論上」生じない。

 縦方向の解像度が1080ドットで1秒間の映像が24フレーム、映像の走査方式はプログレッシブの動画表示と再生に対応したことで、データ転送量はインターレス対応のときよりはるかに大きくなり、それだけに負荷の高い処理が求められる。そのため、Blu-ray映画やビデオなどで採用が増えている「1080/24p」の公式サポートをうたうキャプチャーカードは少ない。そういう意味で、24p映像を扱うユーザーにとって「Monster X3」は貴重な製品といえる。

MPEG-2やH.264での録画をサポート

 Monster X3のパッケージには、キャプチャーカード本体とマニュアル、ドライバとユーティリティを収めたCD、そして、保証書 兼 ユーザー登録はがきが付属する。

 カードはPCI-Express x1スロットに装着する。基板はコンパクトで、ロープロファイルに対応したサイズだが、ロープロファイル用のブラケットが付属しない。製品情報ページには「ロープロファイルブラケットは受注生産。詳しくは営業部までお問い合わせください」とある。Monster X3を組み込むPCの要求スペックが高いので、ロープロファイルが必要となるスリムタイプのバリュークラスデスクトップPCで使うユーザーはそう多くないかもしれないが、ロープロファイルブラケットはさほどコストがかかる部品でもないので、できれば標準で添付してほしいところだ。

 入力端子はHDMIを1基備える。なお「Monster X3」は、コピーガード規格「HDCP」のスルーはできない。国産キャプチャーカードなら当然ともいえる仕様だが、この製品に興味を抱くユーザーの多くは、スカパーHDのチューナーや、Blu-ray Disc レコーダー、ゲーム機などのHDMI出力をキャプチャーしたいだろうが、これらの機器のほとんどにはHDCPがかけられているので、Monster X3に直接つないでも録画できない。

 世の中には「PS3などのゲーム機の映像を、HDMI非対応のPC用ディスプレイに表示するためのDVI切り替え器」などという名目で販売されている製品があり、これらの機器を経由して接続すればHDCP信号をスルーして、Monster X3でもHDCP機器の映像を取り込める。ただしHDCPを解除する行為は著作権法的に適不適の解釈が分かれている問題の多い領域であるので、その利用には格別なる注意が必要だ。

Monster X3はHDMI入力端子を装備したハイビジョンキャプチャーカードだ。基板自体はロープロファイルサイズだが、ロープロファイル用の交換ブラケットは付属しない

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