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» 2011年12月28日 18時00分 UPDATE

購入指南:あなたに最適なNASはどれ? 容量や機能で選ぶ「TurboNAS」シリーズ (1/2)

年末年始のテレビ特番録画など、この時期はHDDの消費スペースが加速しがち。とはいえ、いまはタイ洪水の影響からHDDの供給が不足し、やや買いづらい状況だ。もし以前交換したまま放置しているHDDがあるなら、有効活用できるNASキットの導入を考えてみたい。

[瓜生聖,ITmedia]

HDDが高い! でも必要! ならば「TurboNAS」だ!

og_turbonas_001.jpg NAS製品の定番、QNAPの「TurboNAS」シリーズ

 タイの洪水によるHDD供給不足の影響は大きく、価格は洪水前の7割増し程度で安定している(原稿執筆時点。ちなみにクリスマスイブである)。洪水の影響が解決すれば価格も以前の水準に近づくことが予想される以上、いまHDDを購入するのは得策ではない。だが、この季節はさまざまなイベントでのビデオ撮影や、年末年始のテレビ特番録画など、HDDの消費ペースは増加傾向にある人が多いはずだ。

 もし容量不足のために交換したHDDが余っているのであれば、NASの導入をおすすめしたい。1台では力不足な容量でも2台、3台のHDDを組み合わせれば十分利用価値がある。QNAPのTurboNASシリーズは、組み合わせ次第でオンラインのまま容量拡張が可能なので、冬のボーナスで懐が温かいうちにTurboNASを購入し、HDDの価格が安定してから大容量HDDに交換する、というプランもいい。また、HDDとは異なり、SSDは洪水の影響を受けていないモデルも多数あるので、PCのHDDをSSDに換装し、PCから取り外したHDDをTurboNASで利用するという方法もある。

 だが、TurboNASシリーズは、ベイ数1から12まで、幅広いラインアップが特徴の一つ。いくら予算が潤沢だとしても「とりあえず一番いいものを」という選び方はおすすめできない。今回はさまざまな角度から「TurboNASの選び方」を考えてみたい。

TurboNASの選び方――容量編

 TurboNASはHDD別売のNASキットだ。そのため、容量は搭載するHDDに依存する。また、複数のHDDを搭載する場合は、どのような構成にするかで利用可能容量が変わってくる。

 当然ながら1ベイモデルではHDD容量と利用可能容量は同一だが、2ベイモデルではJBOD/RAID 0/RAID 1の構成が可能になる。ディスク容量の異なる複数のHDDを利用する場合には、JBODで構築すると全HDDを1ボリュームとして利用できる。容量が同じ場合は高速化も実現できるRAID 0がよい。RAID 0は「同じ容量の複数のHDD」に分散して読み取り/書き込みを行うことで高速化するため、容量が異なるHDDでRAID 0を構築すると最も容量の少ないHDDの容量にそろえられてしまう。つまり、500ギガバイトと1TバイトのHDD1本ずつでRAID 0を組んだ場合の利用可能容量は、500ギガバイト×2の1Tバイトということになる。

 JBODもRAID 0も冗長部分がないため、HDDが1本でもクラッシュするとすべてのデータを失うことになる。PCのバックアップ先としてTurboNASを利用するのであればよいが、そうでない場合は保存データの重要性によってHDDのクラッシュに備えた構成をとることも検討したほうがよい。2ベイモデルから可能な構成はミラーリングのRAID 1だ。

og_turbonas_002.jpgog_turbonas_003.jpgog_turbonas_004.jpg JBODは「とりいそぎ今あるディスクを全部かき集めて容量確保」といった利用方法になる。さまざまな容量のHDDで構築する場合には最も効率がよいが、その後の移行などを考えると空きスロットを残しておかないと苦労する(図=左)。RAID 0は容量増加の効果もあるが高速化が主眼だ(図=中央)。RAID1(ミラーリング)は同じ内容を2台(以上)に書き込んで障害に備える(図=右)

 4ベイ以上のモデルになると、これらに加えてRAID 5/6/10が選択可能になる。RAID 5は3台以上で構成し、構成台数マイナス1台分の利用容量、RAID 6は4台以上で構成し、構成台数マイナス2台分の利用容量、RAID 10はRAID 0で組んだボリュームをRAID 1で構成したもので4台以上の構成となる。

 RAID 5は、冗長構成をとりながらも比較的利用効率のよい方式だが、パリティの計算を行うためにRAID 1よりも書き込み時の負荷が高くなりがちだ。また、HDDクラッシュ後の復旧作業時にさらにもう1台がクラッシュしてしまうというケースもある。

 復旧時のクラッシュに備え、異なる計算方法でパリティを2重に記録するのがRAID 6だ。そのため2台までのクラッシュに対してデータの保全が可能となっている。その反面、2種類のパリティの計算が必要なこと、その分書き込みデータが増えることから、RAID 5に比べてパフォーマンスは下がる傾向にある。

 RAID 10はミラーリングしたボリュームを2セット用意し、それらをストライピングして分散読み出し/書き込みを行う。ストライピングによる耐障害性の低下をミラーリングで補い、ミラーリングによる書き込み速度の低下をストライピングで補う、というものになる。パリティの計算も行わないため、その分のオーバヘッドもない。ただし、RAID 6の場合は構成するHDDのどの2台がクラッシュしてもデータが保たれるのに対して、RAID 10ではRAID 1を構成する2台の両方がクラッシュするとデータは失われる。

og_turbonas_005.jpgog_turbonas_006.jpg RAID 5は3台以上で構築する。TurboNASのCPU負荷をかけるのでクライアント数に留意が必要だ(図=左)。RAID 6は4台以上で構築し、RAID 5よりもさらにCPU負荷がかかる。RAID 5以上になると「とりあえずの構成」ではなく、継続的な構成としての構築を考えたほうがいいだろう(図=右)

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