先週、多くのパーツショップにAMDのCPU「Opteron 3280」のリテールボックスが入荷していた。価格は2万2000円弱で、在庫は潤沢だ。同型番のCPUは3月ごろにバルク品が少数で回ったが、代理店経由のリテールボックスが流通するのは初となる。
Opteron 3280はSocket AM3+対応の8コアCPUで、TDPが65ワットと低いのが特徴。同作ロックは2.4GHz(ターボ時最大3.5GHz)で、L2/L3キャッシュはともに8Mバイトとなる。1CPUで動作するサーバ向けのラインアップだが、FX-8150などのBulldozerアーキテクチャをベースにしており、「GA-990FXA-UD7/UD5/UD3」といったギガバイト製AMD 990FXモデルのように正式サポートをうたうマザーボードもある。加えて、代理店が動作検証したマザーボードも公開されており、比較的導入しやすい環境が整っている。
TSUKUMO eX.の4階・AMDフロアなど、コアなAMDユーザーが集まるショップでは「発売前から多数の予約をいただいております。TDP 65ワットと、8コアCPUのなかでもダントツで低い消費電力がいいアピール材料になっていますよね」と、好調に売れている様子だった。ただし、予約が思うように集まらないショップもいくつかあり、「久々にAMDなら鳴り物入りで登場するCPUですし、もっと盛り上がってほしいんですけどね」(某ショップ)といった声も聞いた。
そうした声には、Opteron 3280単体の売れ行き以上に、AMD製CPU全体の再興まで期待するニュアンスが読み取れる場合が多かった。ソフマップ秋葉原本館は「いまはインテル一強状態で、我々としては売りやすいんですけど、ちょっと寂しい感じ。たまにはAMDにもヒットモデルが出て、巻き返してほしい。AMDの存在感が薄すぎる現状、ガツンとインパクトを与えるラインアップに期待したいです。そういう意味で、Opteron 3280は本当応援していますよ」と熱く語っていた。
ほかにも、「割安なのはいいんですが、それよりも尖ったスペックに期待するAMDファンは多いと思います。いっそ、さらにTDPが低い8コアモデルや、すごく高クロックなラインアップを出してくれたら楽しいですね。がんばってほしいです」(パソコンショップ・アーク)といったエールもあった。
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