「誰でも簡単にホログラムを作れる」――パイオニア、ホログラムを印刷できるカラープリンタを開発CEATEC JAPAN 2012

» 2012年10月02日 23時00分 公開
[池田憲弘,ITmedia]
photo ホログラム作成用プリンタは、「超臨場感コミュニケーション」をテーマとしたブースで展示している。パイオニアの企業ブースとは別の場所だ

 CEATEC JAPAN 2012(2012年10月2日〜10月6日、幕張メッセ)で、パイオニアはホログラム(3次元像を記録した写真)作成用のカラープリンタを参考出展として展示している。

 通常、物体を撮影してホログラムを作成しようとすると、大規模な撮影装置や高度な撮影技術を必要とするが、このプリンタを使えば、PCで3DCGを作成して印刷するだけで、ホログラムを作成できるという。

 ホログラムは75.6(幅)×50.4(奥行き)ミリのフォトポリマーに印刷する。印刷時間は単色の場合で1枚あたり90分、カラーの場合で120分だ。「ホログラムの作成には、1枚のフォトポリマーに何度も印刷する必要があるため、時間がかかる。印刷時間が早くなる可能性は十分にあるが、複製や大量印刷には向かない。プレゼントや記念品の方が向いている」(説明員)そうだ。

photophotophoto 通常、ホログラムを作成しようとすると大規模な撮影装置や高度な撮影技術を必要とする(写真=左)。ホログラム作成用プリンタ(写真=中央)を使えば、PCで作成した3DのCG(写真=右)を印刷するだけで簡単にホログラムを作成できる
photophoto 印刷用のフォトポリマー(写真=左)。ホログラム印刷後の様子(写真=右)。白色光で照らせば像が浮かび上がる。ホログラムの視認角度は上下左右すべて約23度だ

 開発にかかった期間は約3年。フォトポリマーを使った記録媒体「ホログラフィックメモリ」の開発を行っていたチームが、事業の統合によりホログラム用のプリンタの開発をすることになったという。

 本体サイズは370(幅)×580(奥行き)×130(高さ)ミリと、家庭用のA4インクジェットプリンタよりも一回り大きいくらい。「ゆくゆくはコンシューマー用として売り出せるくらいに一般的なものになってほしい」と開発者は語る。

 ブースでは地図や名刺の印刷といった用途を訴求しているが、複製しづらいという特徴を生かし、セキュリティ関連の認証にも利用できるとしている。「用途についてはまだまだ募集中といったところ。ユーザー側の発想やニーズで用途が広がると考えている」(説明員)。

photophoto ブースでは地図や名刺、図鑑などさまざまな用途を紹介していた
photophoto 3次元像の顔を社員証に張りつけた例が展示されていた。見る位置を変えると、顔が回転しているように見える。実在するものをホログラムにするには、まず3DCGを作成するという一手間が加わる

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