「iPhone 5」のLTEテザリングが快適すぎる!! WiMAXと勝負してみた広田稔のMaッ……iPhoneでいくの(10)(1/5 ページ)

» 2012年10月04日 11時13分 公開
[広田稔,ITmedia]

テザリングに「HTC J」を使う筆者、「iPhone 5」に1本化すべきや否や

iPhone 5のLTEはWiMAXに比べて快適なの? という素朴な疑問を検証してみました

 ここ最近の話題といえば、9月21日に発売した「iPhone 5」は外せない。アップルファンなら、Apple Storeに並んだり、量販店に予約してすでにゲットした人も多いだろう。10月には、ストラップ(iPod touch loop)付きでさらに持ちやすくなったiPod touchも登場し、しばらくはこの辺の「手のひらデバイス」が注目されそうだ。

 さて、iPhone 5は本体の軽さや薄さ、カメラ性能の向上、えらくシンプルになったマップなどが注目されているが、個人的にうれしかったのはテザリング(インターネット共有)をサポートしたこと。テザリングをオンにすれば、PCやタブレット端末、ゲーム機などがiPhone 5を経由してインターネットにつなげるようになる。

 iPhone 5では、エリアの広い「3G」と通信速度の速い「LTE」(Long Term Evolution)という2つの通信方式でテザリングが利用できる。au版はすでにサービスを開始しているが、ソフトバンク版は12月15日にスタートする予定だ。両社とも利用料は月額525円で、ともに2012年12月31日まで申し込むと2年間無料になるキャンペーンを実施している。

 筆者はモバイラーで、今でも3G/WiMAXで通信できるAndroid端末「HTC J」を活用し、取材の合間に喫茶店やファミレスでガリガリ原稿を書いている。そんなわけでiPhone 5の登場後、モバイルルーターとして見た場合に、HTC Jとどちらが魅力的なのかはとても気になっていた。iPhone 5に1本化したほうが、月々の料金的にも持ち運びでも楽になりそうではあるが、はたして実用面ではどうなのだろうか?

 というわけで、au版のiPhone 5とHTC Jを手に、東京の新宿を半日回って、速度やつながりやすさを調べてみた。

ともにauの端末である「iPhone 5」と「HTC J」。筆者がHTC Jを買った理由は、WiMAXが入らないエリアでも、3Gでもつなげる点に魅力を感じたから。とても便利に使っております

積年の夢!! まさかiPhoneでテザれる日が来るとは……

 のっけから申し訳ないが、世の中の大半の人はテザリング機能について、割とどうでもいいと考えているようだ。

 今やPCのWebサイトを見たり、PC用のメールを読み書きするといった、出先でPCが必要になる用事は、スマートフォンで代替できるようになっている。スマートフォンより大きな画面がほしければ、3Gに対応したiPadやAndroidタブレットもあるし、PCを持ち出すにしても喫茶店やホテルにある公衆無線LANで事足りるケースも多い。

 ただ、一方でPCを常時インターネットにつなげないと困る人たちもいる。地方出張が多くて移動中に資料をよくやり取りする営業職の人や、顧客からの電話1本でサーバを遠隔操作する必要があるエンジニア、筆者のようなWeb媒体で書いてるライターなどが該当する。入った喫茶店の公衆無線LANが不調でつながらない、つながってもポートが閉じられていてVPNが使えず社内サービスにログインできない、なんてことが起こって仕事に支障が出ると困るので、保険という意味でもモバイルルーターは必須。そのルーターをスマートフォンだけで実現してくれるテザリング機能は、荷物や管理の煩雑さを減らす点でかなりの魅力なのだ。

 実はiPhoneも、2009年6月にiPhone 3GSと一緒に発表した「iPhone OS 3.0」の時代からテザリングをサポートしていた。このときはUSBかBluetoothでの接続だったが、2011年3月の「iOS 4.3」では「パーソナルホットスポット」に進化して、無線LAN経由でもつなげるようになった。

 しかしソフトバンクやauがテザリングを提供しておらず、日本のiPhoneユーザーは「隣の青い芝生」を見続けるしかなかった。ユーザーの中には、どうしてもiPhoneでテザリングしたくて、海外で販売しているSIMロックなしのiPhoneをゲットし、NTTドコモや日本通信のSIMを差して使う猛者もいた。それがいきなりiPhone 5でまずauがテザリングOKになり、ソフトバンクも「やりましょう」となし崩しで解禁されたわけだから、「ええっ、テザっていいのかい? うぉー!!」という気分なわけだ。

テザリングは「設定」アプリの「一般」→「モバイルデータ通信」→「インターネット共有」をオンにすれば利用可能。2度目以降は「設定」メニューのトップに「インターネット共有」が現れるので、そこからオンにする(画面=左/中央)。別の機器からつなぐと、ホーム画面上部に接続数が現れるようになる(画面=右)

Macからつなぐ場合は、インターネット共有の開始後、メニューバーの無線LANから「(端末名)のiPhone」を選べばOK

 筆者が今使っているHTC Jも、月額525円のオプションでWiMAXを付けられて3Gよりも速い最大40Mbpsでの通信が可能。iPhone 5のLTEはそれを超える最大75Mbpsでお値段も一緒と、お得感がある。デメリットは、今のところ始まったばかりなのでWiMAXに比べると対応エリアが狭くて、ひと月の通信が7Gバイトを超えると「使い過ぎ」と見なされて速度が128kbpsに制限されてしまう点だ(WiMAXは無制限)。

製品名 iPhone 5 HTC J
通信方式 3G/LTE 3G/WiMAX
通信速度 下り:最大75Mbps、上り:最大25Mbps 下り:最大40Mbps、上り:最大15.4Mbps
月額料金 525円 525円 
エリア 現在は主要都市のみ。2012年度末に人口カバー率約96%予定 人口カバー率99%
速度制限 毎月7.5GBまで(以降、128kbps) なし
HTC Jでは、ホーム画面をめくってテザリングボタンをタップすればOK。WiMAXもここからオン/オフできて、バッテリーをこまめに節約できる

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