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» 2012年11月30日 19時45分 UPDATE

第4世代は本当に第3世代の2倍なのか?:ゲームがギュンギュン動くiPadは! どれだ! (1/2)

本格的なグラフィックス性能を測定できる「MOBILE GPUMARK」が登場した。ならば、“Retina”なiPadやiPad miniのゲーミング性能を測定してみようかと。

[長浜和也,ITmedia]

MOBILE GPUMARKで調べるiPadのゲーム性能

kn_mgmipad_31.jpg iPadの“世代間”ゲーミング性能の違いもMOBILE GPUMARKで確認できる

 シリコンスタジオが11月から配布を開始した「MOBILE GPUMARK」は、AndroidやiOSを導入するタブレットデバイスにおけるグラフィックス処理、特に3Dや特殊効果の描画演算処理に特化して性能を評価するベンチマークテストだ。ゲームエンジンを開発しているソフトウェアベンダーが手がけただけあって、シェーダプログラムによるリアルタイムレンダリングや、グレア表現、レンズエフェクト、HDR表現、アンチエイリアスといった最新のポストエフェクトを駆使して、実際のゲームタイトルを想定した性能が評価できる。

 軽量小型でバッテリー駆動を重視するタブレットデバイスといえど、最近ではゲームデバイスとして注目するユーザーも多い。タブレットデバイス登場当初は、グラフィックス処理が軽いゲームタイトルがほとんどだったものの、最近、特にNVIDIAが強力なグラフィックスコアを統合する「Tegra 2」を投入するようになってから、PCゲームやコンシューマーゲーム機に相当するグラフィックス描画を可能にしたゲームタイトルが、タブレットデバイスでも登場するようになった。この傾向は、クアッドコア(+コンパニオンコア)を訴求する「Tegra 3」の登場でさらに加速している。

 MOBILE GPUMARKの概要と、収録するテスト項目、そこで実施する評価項目の内容は、すでに紹介しているが、ここでは、実際にiPadの各世代と (Retina対応モデルと第3世代に相当するモデル、そしてiPad Mini)でベンチマークテストを走らせて、そのスコアを並べてみた。また、各テストで用意している「DEMO」の機能と、「GPU BENCHMARK」で行う各テストの画面、そして、システム構成を確認できる「DEVICE PROFILE」のチェック項目もあわせて紹介しよう。

意外と健闘! iPad mini!

 iPadの各世代で測定したMOBILE GPUMARKの結果は以下のグラフのようになる。参考までに、OSが異なるAndroidデバイスのNexus 7で測定した値も並べてみた。アップルが、「従来の2倍高速な処理性能」と説明するように、iPad(Retine対応モデル)の測定結果は、iPad(第3世代相当モデル)のほぼ2倍に達する。この傾向は、測定条件をHighからNormal、Lowと負荷を軽くしても変わらない。

kn_mgmipad_01.jpgkn_mgmipad_02.jpgkn_mgmipad_03.jpg MOBILE GPUMARKの「RIGID GEMS」(写真=左)と「DEAD PARKING」(写真=中央)、そして「NATURAL BONE」(写真=右)の各テストにおける測定結果

kn_mgmipad_04.jpgkn_mgmipad_05.jpg High設定で測定したGPU BENCHMARKの各項目における測定結果

 iPad miniの測定結果は、iPad(第3世代相当モデル)を大きく上回る。搭載するプロセッサが同じはずなのに測定結果に違いが出るのは、MOBILE GPUMARKの負荷条件として用意するHigh、Normal、Lowがいずれも「そのデバイスで表示できる最大解像度」をベースに決定しているためだ。一番負荷が重くなるHigh設定は、測定するデバイスの最大解像度でベンチマークテストを実行するので、iPad(第3世代相当モデル)では最大解像度の2048×1536ドットで測定する一方、iPad miniは、解像度を1024×768ドットに設定した条件でベンチマークテストが走ることになる。同じプロセッサとグラフィックスコア(どちらもPowerVR SGX543)を搭載しながら、負荷が軽い状態で測定することになるiPad miniでスコアが高くなるのは当然だ。

 搭載するGPUの性能を比較する従来の3Dベンチマークテストでは、測定条件を同じくすることで、GPUごとの性能差を調べていた。その手法からすると、負荷に大きな影響を与える解像度条件をユーザーが設定できず、デバイスの最大解像度で決定してしまうMOBILE GPUMARKは、グラフィックスコアの性能比較に向いていないといえるかもしれない。ただ、一方で、「その“タブレットデバイス”で動くゲームのパフォーマンスを比較したい」という目的で性能評価を行う場合、解像度設定のないタブレットデバイスでは、利用できる最大解像度でベンチマークテストを走らせて、そのスコアをデバイス単位で比較するのも妥当といえる。

 なお、解像度の違いが3Dグラフィックスに大きく影響する典型的な例として、「Nexus 7」と、小さなボディを最優先した3型液晶ディスプレイ搭載Androidタブレットデバイス「Xperia mini pro」でMOBILE GPUMARKを測定した結果も紹介しておこう。最新のNexus 7は、クアッドコアのTegra 3を搭載し、グラフィックスコアもNVIDIAの12コア内蔵GeForce GPUという強力な構成だが、MOBILE GPUMARKでは解像度設定が1280×736ドットで走ることになる。そのため、Xperia mini proは、プロセッサがARM v7ベースで動作クロックが680MHzのシングルコアという旧式構成なのに、解像度設定が480×320ドットになるため、測定値がNexus 7を上回ってしまうことになる。

kn_mgmipad_06.jpgkn_mgmipad_07.jpgkn_mgmipad_08.jpg 新旧のAndroidデバイスで「RIGID GEMS」(写真=左)と「DEAD PARKING」(写真=中央)、そして、「NATURAL BONE」(写真=右)を測定したスコア

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