上下左右のない「Aura」をテーブルPCで使う2013 International CES

» 2013年01月18日 10時05分 公開
[長浜和也,ITmedia]

テーブルをみんなで囲むなら「円くて回る」のがいいよね。

 Lenovoは、2013 CESに合わせて「IdeaPad Yoga 11S」「ThinkPad Helix」などの新モデルか発表している。その中の1つが「IdeaCentre Horizon Table PC」だ。27型ワイドという大サイズの液晶ディスプレイを搭載しながら、その形状はスレートスタイルで、まさに“板”のようなタブレットPCといいたくなるようなスタイルをしている。

 ただ、Lenovoでは、そのまま“大画面タブレットPC”のように本体を抱えて利用するのではなく、IdeaCentre Horizon Table PCに対応したスタンドに載せて本体の角度を変えることで、液晶一体型PCのように使うときもあれば、水平に倒して“テーブルPC”のようにも使えることを想定している。

 デスクトップPC版コンバーチブルモデルのような、幅広い利用シーンをユーザーに提供できることがIdeaCentre Horizon Table PCのコンセプトといえ、この考えは、IdeaPad Yogaシリーズとも共通の、LenovoがこれからのPCで重要な要素として考えていることが伺える。

 テーブルPCとしても使える液晶一体型PCとしては、すでに2012年にIdeaCentre A720を投入している。ただ、IdeaCentre A720は「水平まで倒してテーブルのようになる」「10点同時対応タッチパネルを搭載した」というハードウェア的な条件でテーブルPCとして使えるようになったに過ぎなかった。

 ユーザーインタフェースやアプリケーションといったソフトウェアの視点では、「ディスプレイを囲んだ複数のユーザーが同時に使う」という状況を考慮した“上下左右”を意識させない画面デザインやユーザーインタフェースを持つものを用意しておらず、テーブルPCの特性をユーザーを理解してもらうのがいまひとつ難しい状況にあった(そのため、Lenovoでは、エアホッケーなど、マイクロソフトがタッチ操作を訴求するために用意したゲームを、IdeaCentre A720のプロモーションで利用していた)。

 このように、ソフトウェアがあってこそのテーブルPCだが、Lenovoは、IdeaCentre Horizon Table PCにディスプレイを囲む複数のユーザーが同じように使える「上下左右」が関係しない新しいユーザーインタフェースとして、「Aura」を用意した。

 Auraは、初期状態でコースターのような円形の姿をしている。外周部に機能を図示したアイコンが並び、そのアイコンをタップすることで、それぞれのアイコンに関連するファイルのサムネイルがその外側に扇のように展開する。タップしたのがファイルやアプリケーションだった場合は、関連付けたアプリケーションが起動する。

 初期状態の“コースター”も展開したサムネイル、そして、起動したアプリケーションのウインドウもダイヤルのように回転できるので、ディスプレイの回りを取り囲むすべてのユーザーが同じような感覚で利用できるのがテーブルPCで使うユーザーインタフェースとしてAuraの最も注目したい特徴といえる。

 Auraが実装する機能は、ファイルの階層管理と関連付けたアプリケーションの起動といった“ファイラー”にとどまっているが、それでも、上下左右が関係ない画面デザインとなったことで、“テーブル”のように使う意識は従来と比べて格段に増している。現在のバージョンではサポートしていないが、テーブルに広げたファイルを、画面にタッチした指をスライドして「飛ばす」ことで、接続しているプリンタから出力したり、その方向にいるユーザーとデータを共有したりできると、より直感的にPCを使えるようになる、そんな、可能性もAuraは持っている。

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