補助電源ナシで使える「GeForce GTX 750 Ti」の性能をチェックMaxwell第1弾はミドルレンジから登場(1/3 ページ)

» 2014年02月19日 18時28分 公開
[石川ひさよし,ITmedia]

少ないコア数でもアーキテクチャで性能アップするのがMaxwell

 NVIDIAは、MaxwellとKeplerの違いをコア性能比で135%、電力性能比で2倍としている。また、これをKeplerと同じ28ナノメートルプロセスで実現した。Maxwellアーキテクチャの詳細は「NVIDIAの最新アーキテクチャ“Maxwell”を徹底解説」を参照していただくとして、ここではまずGeForce GTX 750 Tiの仕様から確認していこう。

 GeForce GTX 750 Tiは、「GM107」と呼ぶコアを採用している。CUDAコア数は640基。768コアのGTX 650 Tiと比べると、128基も削減されている。およそ16%の削減だ。また、テクスチャユニットも40基に抑えられており、スペックで見るとGTX 650 Tiに対して見劣りする。ただし、GPUクロックは定格が1020MHz、Boostクロックが1085MHzとされ、こちらはより高クロックだ。

 メモリ回りはGTX 650 Tiと同等で、GDDR5メモリを採用し、128ビット接続で5.4GHz相当で駆動する。メモリ帯域幅は86.4Gバイト/秒。ROPユニット数も16基で、GTX 650 Tiと同じだ。ほか、2次キャッシュの容量が異なる。GTX 650 Tiは256Kバイトだったのに対し、GTX 750 Tiは2048Kバイトに増加している。

 電源部の特徴は、補助電源コネクタがない点。TDPは60ワットに抑えられ、PCI Expressバスからの給電で間に合う。GTX 650 Tiは、TDPが110ワットで、補助電源コネクタも6ピン1基を要したことから、同じセグメントでも、消費電力帯を1つ引き下げたと言える。

製品名 GeForce GTX 650 Ti GeForce GTX 750 Ti
コードネーム GK106 GM107
GPC 2or3 1
SM 4 5
CUDA Core 768 640
テクスチャユニット 64 40
ROPユニット 16 16
GPUクロック(MHz) 925 1020
Boost Clock(MHz) - 1085
メモリクロック(GHz) 1350 1350
メモリタイプ GDDR5 GDDR5
メモリ接続バス幅(bit) 128 128
メモリ帯域幅(GB/sec) 86.4 86.4
メモリ容量(MB) 1024 2048
L2キャッシュ(KB) 256 2048
最大消費電力(TDP:W) 110 60
補助電源レイアウト 6 -
プロセス(nm) 28 28

リファレンスカードのクーラーは円筒形のシンプルなデザインだ。厚みは2スロットサイズ。コンパクトなだけでなく動作音もかなり静か。映像出力端子はDVI×2とmini HDMI。GPUの仕様としてはG-SYNCにも対応しているが、DisplayPortがないリファレンスカードでは利用できない。同社のGTX 750 Tiデモでは、サードパーティ製のDisplayPortを備えたモデルが用いられていた

補助電源はないが、パターンは残っていた。リファレンスカードだからということも考えられるが、各社からリリースされるGTX 750 Ti搭載カードも、OCモデルなどでは6ピン1基を搭載することから、補助電源ナシで動くにしてもマージンはあまり大きくとっていないのかもしれない。なお、このクラスの製品なのでSLIコネクタもない(写真=左)。GPU-Zから見たGTX 750 Ti(画面=右)

※記事初出時、GeForce GTX 650 Tiの仕様に関する記述で一部誤りがありました。おわびして訂正いたします

性能はRadeon R7 260Xと同等ながら消費電力は40ワットも低い!

 今回、GeForce GTX 750 Tiのリファレンスカードと比較をするのは、Radeon R7 260Xと、GeForce GTX 650の無印だ。GTX 650は、GTX 750 Tiよりも下のセグメントのGPUになるが、手元にあったので計測してみた。検証に用いた機材は以下の通り。

比較対象 GeForce GTX 750 Ti GeForce GTX 650 Radeon R7 260X
CPU Core i7-4770K
定格クロック 3.5GHz
メモリ(速度) DDR3-1600
マザーボード ASUSTeK Z87-PRO
チップセット Intel Z87
ストレージ OCZ Vector(Serial ATA 3.0、128GB)
OS Windows 8.1 Pro 64bit
電源 Seasonic SS-1000XP(80PLUS Platinum、1000W)

 まずは3DMarkから見ていこう。Ice Stormの3つのテストでは、R7 260Xが優位になったが、Cloud Gateで追いつき、Fire Strikeはほぼ同等のスコアとなっている。ただし、DirectX 9パフォーマンスが弱いわけではないことは、以降のゲームベンチマークを見れば分かる。

3DMark(Overall)

3DMark(Graphics Score)

 次はテッセレーションパフォーマンスのUnigine Heaven Benchmark。こちらのGTX 750 Tiの結果は、R7 260Xとほぼ同等といったあたりだ。30fpsを超えられないため画面はかなりカクカクしているが、下のセグメントのGTX 650よりは大幅にパフォーマンスが引き上げられている。

Unigine Heaven Benchmark

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