レノボ、「ThinkPad X1」ファミリーを刷新 注目は狭額縁化+LTE対応の「X1 Carbon」

» 2017年02月08日 18時45分 公開
[井上翔ITmedia]

 レノボ・ジャパンは2月8日、ThinkPadのプレミアムモデル「ThinkPad X1」ファミリーの2017年モデルを発表した。

 今回発表されたのは、クラムシェルタイプの「ThinkPad X1 Carbon(第5世代)」、ディスプレイが360度回転する2in1タイプの「ThinkPad X1 Yoga(第2世代)」とマルチモードタブレットPC「ThinkPad X1 Tablet」の3シリーズ。いずれも、1月に米ラスベガスで開催された「CES 2017」で披露されたものだ。

ThinkPad X1 Carbon(第5世代):狭額縁化してよりコンパクトに

 ThinkPad X1 Carbon(第5世代)は、従来の14型画面を保ちつつ、狭額縁ボディーとしたことで標準的なThinkPadの13.3型モデルと同等の本体寸法を実現した。ボディーカラーは伝統的なブラックに加えてWeb直販限定でシルバーを選択することもできる。

 法人窓口での受注は2月8日から、Web直販での受注は2月10日から開始する。直販販売価格は20万円(税別)からとなる。

ThinkPad X1 Carbon(第5世代) ThinkPad X1 Carbon(第5世代)の実機。左がWeb直販限定の新色シルバー、右がブラック(いずれもUSキーボードを搭載)

 画面はWQHD(2560×1440ピクセル)またはフルHD(1920×1080ピクセル)の14型IPS液晶を搭載する。プロセッサは第7世代Intel Core iファミリー(Kaby lake)を採用し、メインメモリは8GBまたは16GB、ストレージはSATAまたはPCI Express接続のSSD(最大構成で1TB・NVMe・OPAL2対応)を搭載可能だ。

 本体インタフェースは、左側面にThunderbolt 3(USB 3.1 Type-C)端子×2(うち1つはUSB PD対応)、USB 3.0端子×1、HDMI端子×1とEthernet端子×1(要変換アダプター)を備え、右側面にイヤフォンマイク端子×1とUSB 3.0端子(常時電源供給対応)を備えている。なお、従来のThinkPadに付いていた角形の電源端子は廃止された。外部ストレージは、microSDに対応している。

左側面 左側面にはThunderbolt 3端子×2、USB 3.0端子×1、HDMI出力端子×1、Ethernet端子×1を備えている。本体への電源供給は2つあるThunderbolt 3端子のいずれかにUSB PD対応の電源アダプターをつないで行う
右側面 右側面にはイヤフォンマイク端子とPowered USB対応のUSB 3.0端子を備える

 セキュリティ面では、「Windows Hello」対応のタッチ式指紋センサーや赤外線カメラを搭載する構成を選択できる。指紋センサーは、FIDOベースのパスワードレス認証にも利用可能だ。

 ワイヤレス通信では、WiGig対応の無線LAN(Wi-Fi)/Bluetoothモジュールや、LTE-Advanced対応のモバイル通信モジュールを搭載する構成を選択できる。

 特に注目したいのが、日本向けX1 Carbonとしては初めて搭載できるようになったモバイル通信モジュールだ。このモジュールはSIMロックフリーで、国内では以下の通信規格と周波数帯(Band)に対応している。おおむね国内の大手携帯キャリアが利用しているBandは網羅しているが、IOT(相互接続性試験)は行っていない。SIMカードはMicro SIMに対応している。

  • FD-LTE:Band 1/3/8/18/19/21/28
  • TD-LTE:Band 41
  • W-CDMA(3G):Band 1/6/8/9/19
背面のMicro SIM・microSDスロット 背面にはMicro SIMスロット(モバイル通信モジュール搭載時)とmicroSDメモリーカードスロットがある。スロットのふたはピンで取り外す

 本体サイズは323.5(幅)×217.1(奥行き)×15.95(厚さ)mm。重量は最軽量構成

で約1.13kgとなる。バッテリー駆動時間は約10時間(JEITA 2.0測定値)となる。

ThinkPad X1 Yoga(第2世代):フレームとキーボード面が完全フラットに

 ThinkPad X1 Yoga(第2世代)は、キーボードとベゼルの構造に改善を加え、タブレットモードにした時や画面を閉じた時にキーボード・TrackPointがキーボードフレームとフラットになるようにした。X1 Carbonと同様に、ボディーカラーはブラックとWeb直販限定のシルバーの2色展開となる。

 法人窓口とWeb直販での受注は4月上旬から開始する予定。直販販売価格は20万5000円(税別)からとなる。

ThinkPad X1 Yoga(第2世代),ThinkPad X1 Yoga(第2世代)の実機。左がWeb直販限定の新色シルバー、右がブラック(いずれもUSキーボードを搭載)
キーボードまわり(タブレットモード)キーボードまわり(画面を閉じた時) キーボードとベゼルの構造に改善を加え、タブレットモード(写真=左)と画面を閉じた時(写真=右)にキーボード・トラックポイントとフレームがフラット化

 タッチ・ペン操作対応の14型ディスプレイは、フルHDのIPS液晶、WQHDのIPS液晶と、「完全な黒色」とAdobe RGBの色域を100%カバーするWQHDの有機ELディスプレイ(OLED)から選択できる。「OLEDモデルの受注開始はIPS液晶モデルよりも遅れる見通し」(関係者)だが、「第1世代の時ほど極端な遅れにはならない予定」(同)だ。

 プロセッサは第7世代Intel Core iファミリー(Kaby lake)を採用し、メインメモリは8GBまたは16GB、ストレージはSATAまたはPCI Express接続のSSD(最大構成で1TB・NVMe・OPAL2対応)を搭載可能だ。

 本体インタフェースは、左側面にThunderbolt 3(USB 3.1 Type-C)端子×2(USB PD対応)、USB 3.0端子×2(うち1つは常時電源供給対応)を備え、右側面にイヤフォンマイク端子×1、Ethernet端子×1(要変換アダプター)、USB 3.0端子×1とHDMI端子×1を備えている。なお、X1 Carbon同様に角形の電源端子は廃止された。外部ストレージは、microSDに対応している。

左側面 左側面にはThunderbolt 3端子×2、USB 3.0端子×2を備える
右側面 右側面にはイヤフォンマイク端子×1、Ethernet端子×1、USB 3.0端子×1とHDMI端子×1

 付属のデジタイザーペン「ThinkPad Pen Pro for 2017」は、従来のThinkPad Pen Proと比べてより自然な書き味を実現しているという。使っていない時はX1 Yogaの本体にしまえば充電できる。

 また、X1 Carbonと同様にLTE-Advanced対応のモバイル通信モジュールを内蔵する構成も選択できる。基本的な仕様はX1 Carbonと同様だが、microSDやMicro SIMをピンなしで着脱できる点が異なる。

X1 YogaのmicroSD・Micro SIMスロット X1 YogaのmicroSD・Micro SIMスロットは、ピンなしでアクセスできる

 サイズはIPS液晶モデルが約333(幅)×229(奥行き)×17.05(高さ)mm、OLEDモデルが約333(幅)×229(奥行き)×17.4(高さ)mm。最軽量構成時の重量はIPS液晶モデルが約1.42kg、OLEDモデルが約1.36kgとなる。

ThinkPad X1 Tablet(第2世代):CPUを第7世代に刷新

 ThinkPad X1 Tablet(第2世代)は、CPUを第7世代のCoreプロセッサに刷新したことが大きな変更点で、それ以外の基本仕様は2016年モデルに準じている。

 法人窓口での受注は2月8日から開始し、Web直販での受注は4月上旬から開始する予定だ。直販価格は18万7000円(税別)となる。

ThinkPad X1 Tablet(第2世代) ThinkPad X1 Tablet(第2世代)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年04月19日 更新
  1. バッファロー製Wi-Fiルーターに脆弱性 対象機種は今すぐファームウェア更新を (2024年04月17日)
  2. ノートPCに外付けキーボードを“載せて”使える「タイプスティックス/打ち箸」に新色 (2024年04月18日)
  3. さらなる高速化を実現! PCI Express 5.0接続SSDの新モデル「Crucial T705」を試して分かったこと (2024年04月18日)
  4. ついに8K対応した「Insta360 X4」の画質をX3と1インチ360度版で比較 今買うべき全天球カメラだと確信した (2024年04月16日)
  5. SwitchBotのミニプラグに不具合 「断続的にオン/オフを繰り返す、異音」などで該当製品の交換を呼びかけ (2024年04月17日)
  6. アイロボットが4万円切りの「水拭き対応ロボット掃除機」を投入 “一家に1台”を目指す (2024年04月17日)
  7. 「JBL GO 4」でBluetoothスピーカーデビュー! 累計出荷台数5700万台を突破した人気製品の最新モデルを試す (2024年04月17日)
  8. あなたのPCのWindows 10/11の「ライセンス」はどうなっている? 調べる方法をチェック! (2023年10月20日)
  9. 無線LANルーター「Aterm」シリーズの一部に複数の脆弱性 設定変更や買い替えをアナウンス (2024年04月11日)
  10. NVIDIA、Ampereアーキテクチャを採用したシングルスロット設計のデスクトップ向けGPU「NVIDIA RTX A400/A1000」を発表 (2024年04月17日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー