実際にステレオ再生を試してみると、単体で使った場合とはまるで別物と言っていいほど、広がりのあるリッチな音を楽しめる。これまで1チャンネルだったのが左右のチャンネルに分かれるため当たり前と言えばそうだが、Echoによる音楽再生の品質に不満があった人も、これならば納得できるのではないだろうか。そう思わせてくれるクオリティーだ。
サウンドがステレオで再生されることを除けば、Echoの挙動自体は単体で再生する場合と特に変わらない。スマートフォンのAlexaアプリでは、アルバムのアートワークを含む曲情報や、次以降に再生予定の曲を表示できる他、リピートやシャッフル、曲のスキップ、戻るなどの操作も行える。音量のみアプリから操作できないので、音声コマンドか、本体のボタンで操作する。
左右のスピーカーをつなぐケーブルが不要なため、Echoの配置も自由自在だ。有線ケーブルでは距離的に届かない、部屋の対角線上に配置することもできてしまう。ただし小まめに音量調整が必要になる場合は、手の届く範囲に1台あった方が本体ボタンで直感的に操作できるので、それを前提に配置場所を決めることをおすすめする。
なお、部屋にこの2台以外のEchoデバイスがある場合は、同じウェイクワードで呼び掛けると別のEchoデバイスで再生が始まってしまうケースもあるので、設定したペアのみ「Alexa」ではない別のウェイクワード、例えば「Echo」や「Amazon」に指定しておくと間違えなくなる。使いこなす上でのコツと言えるだろう。
1つだけ気をつけたいのは、ステレオ再生できるのはAmazon MusicなどAlexaと連携するストリーミングサービスに限定され、Bluetooth経由での音楽再生には対応しないことだ。つまり、スマホ内の楽曲やテレビの音声などを、Bluetooth経由で今回作成したペアからステレオ再生することはできない。
そのため、使わなくなったEchoを2台組み合わせ、Bluetooth接続のステレオスピーカーとしてよみがえらせる……という筋書きには残念ながら対応できない。この点はあらかじめ知っておくべきだろう。
今回の試用中、ペアで再生中に2台のうち1台のACアダプターを抜いて置き場所を移動させ、再度電源を投入したところ、ペアとして再認識されない状態に陥った。結局、もう1台も再起動しつつ、Alexaアプリを強制終了させて再度立ち上げることでペアが復活したが、一方だけ不意に電源をオフにするというのは、あまりやらないほうがよさそうだ。
なお、ペアに設定できるモデルは記事冒頭で紹介した通り、対応スピーカーの同じ世代の同じモデルだけだが、サブウーファーの「Echo Sub」があれば、任意の1台と組み合わせてのステレオ再生や、Echo2台とEcho Sub1台の合計3台での再生も行える。Echo Subの詳しい使い方は、次回の連載で紹介する予定だ。
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