中学生のケータイ利用の実態は

» 2009年04月21日 07時00分 公開
[ITmedia]

 ピットクルーは4月20日、中央区立日本橋中学校と共同で実施した「中学生のインターネット利用に関する調査」の結果を発表した。調査は2月17日から3月6日まで、同校の生徒を対象に実施したもので、有効回答数は325人。

 同調査によれば、日本橋中学校の生徒の携帯電話所有率は1年生が75%、2年生が81%、3年生が84%で、文部科学省が公表した中学2年生の携帯電話所有率全国平均である45.9%を大きく上回った。男女別に見ると、男子は73%、女子は87%と、女子の方が高い所有率を示している。

 利用頻度については、約半数が「週7日利用する」と回答。PCの所有形態は「家族共用」という回答が多く、これに対して携帯電話は「自分だけの情報ツール」として高い頻度で使われている実態がうかがえた。

 携帯電話を初めて所有した時期は、「小学校5年生〜中学1年生」が70%を占めた。詳細に見ると、学年が下がるほど所有時期が早まる傾向があり、男女別に見ると、女子の方が早い時期に所有する傾向があった。

 どのようなジャンルのサイトを利用しているかを聞くと、PCでは40%近い生徒が「ポータル・検索」をよく利用していると回答し、動画閲覧という回答も30%近かった。これに対して携帯電話からよく利用しているのは「コミュニティ」で、30%となっている。

 男女を比較すると、コミュニティを利用しているのは主に女子で、男子はコミュニティよりもポータル・検索を利用しているという回答が多かった。男子は情報を求めて検索を動的に活用し、女子は静的にコミュニティスペースを利用する傾向があり、同調査では「男子=動的」「女子=静的」という児童生徒の遊び方にみられる典型的パターンが、ネット利用にも現れていると分析している。

Photo よく使うPC/ケータイのコンテンツ

 インターネットを利用している際に「怖い」と思ったことがあるかという質問には、22%の生徒が「ある」と回答した。男女を比べると、男子が15%だったのに対し、女子は30%と大きな差が見られた。特に3年生女子では50%が「ある」と回答している。

 どのようなできごとを「怖い」と思ったかを聞くと、「荒らし・誹謗中傷」が26%で最多となり、「ワンクリック詐欺」が19%、「意図しないサイトへの遷移」が19%でこれに続いた。男女別で見ると、男子は「ワンクリック詐欺」が32%、女子は「荒らし・誹謗中傷」が32%で最多となっている。

 インターネットを利用する際、注意するよう心がけていることがあるかを聞くと、女子では63%、男子では40%が何らかの心がけが必要だと感じていると回答した。「怖い」経験と同様、ネット利用時に心がけが必要だと感じている生徒は3年生女子が最も多く、77%が「必要」だと回答している。

 今回の調査により中学生のネット利用では、学年や性別によって行動や考え方に大きな違いがあることが分かった。同調査では、ネットリテラシー教育を実施する際には、学年や性別ごとのネット利用実態を注視し、生徒の特性に応じたプログラム内容の細分化が必要であるとまとめている。

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