ソーシャル機能やアイテム課金を取り入れた携帯ゲームの利用者が増える中、ディーツー コミュニケーションズ(以下、D2C)がドコモ向けゲーム総合サービス「ドコデモゲーム」を6月23日に開始する。iモードサイト「ドコデモゲーム」に無料のFlashゲームやブラウザゲームをそろえ、アイテム課金型のゲームでゲーム会社とのレベニューシェアにも取り組む。また、他のゲームサービスとの差別化ポイントとして、メーカーの垣根を越えたコラボゲームや、得点に応じて店のクーポンがもらえるゲームなどに注力。同社のアバターサービス「iアバター」と連動したランキング機能なども提供し、幅広いユーザーの獲得を目指す。
ドコデモゲームではiアバターのシステムをベースにしたアバター機能に加え、課金やランキングなどの機能をAPIとしてゲームメーカーに提供。過去に開発したFlashゲームのタイトルなども簡単にドコデモゲームに対応させられるほか、iアバターのキャラクターをランキングに登場させたり、ゲーム内に登場させたりすることも可能だという。
ユーザー獲得に向けた取り組みとして、D2Cのドコモメディア事業本部長 鈴木登志夫氏は「4つのゲームの展開」を挙げる。携帯ゲームのトレンドである「ライトな無料ゲーム」や、育成・コレクション要素のある「『じっくり型』課金ゲーム」に加え、他のゲームサイトにはないオリジナルゲームとして、人気ゲームやキャラクターの「コラボレーションゲーム」や、クーポンなどが得られる「とくするゲーム」も積極的に展開するという。
コラボレーションゲームの第1弾は、ハドソンとバンダイナムコゲームスがタッグを組んだ「パックマン×ボンバーマン」「高橋名人と塊魂」だ。有料ゲームでは実現が難しい企業間のコラボレーションも、ライトで無料なモバイルゲームなら実現しやすいという。7月末以降には、ディズニーの人気キャラクターであるスティッチとボンバーマンのコラボゲームも登場する。
とくするゲームの第1弾としては、得点に応じてローソンの商品「Lチキ」の30円引きクーポンがもらえるゲーム「Lチキ フィーバー」をラインアップする。ゲームで高得点を出すと、ローソン店舗にある情報端末「Loppi」でクーポンを取得するためのQRコードがユーザーに提供される。こうした、現実世界で“トクをする”ゲームは、今後も有名企業と連携によって増やしていく考えだ。
APIの中には、ゲーム会社の公式サイトへユーザーを誘導するための機能も盛り込まれている。無料ゲームでメーカーの魅力を知ってもらいながら、メーカーの公式サイトで有料ゲームも楽しんでもらう――こうした導線を提供して、ゲーム会社にメリットのあるサービス作りを目指す。
参加企業の1社であるハドソンも、公式サイトへの誘導に期待を示す。同社の柴田真人執行役員によれば、ケータイ公式サイトのビジネスは、かつては利用者数のランキング順に掲載されるiモードメニューで上位を獲得すれば「お客さんが集まった」が、現在はサイト構成の変化や導線の多様化もあって、ブランドの知名度だけでは集客が難しくなっているという。「300個はくだらない」という公式サイトのFlashゲームを有効活用したい思いが強まる中で、ドコデモゲームへのゲーム提供を決めたという。
iPhoneアプリを多数リリースするなど、モバイルゲームに積極的に取り組む同社だが、ドコデモゲームでは開発が容易なFlashアプリのフットワークを生かして、コラボゲームをはじめとする「いままでできなかったこと」に挑戦したい考えだ。
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