2009年のモバイルコンテンツ関連市場、1兆5000億円規模に調査リポート

» 2010年07月07日 18時02分 公開
[ITmedia]

 モバイル・コンテンツ・フォーラムは7月6日、2009年のモバイルコンテンツの市場規模に関する調査結果を発表した。デジタルコンテンツを有料配信する「モバイルコンテンツ」と、物販、サービス、トランザクション系の3分野で構成される「モバイルコマース」を合わせた市場の規模は、対前年比112%の1兆5206億円に達した。

Photo 2009年のモバイルコンテンツ関連市場の規模

 モバイルコンテンツ市場は、対前年比114%の5525億円となり、分野別では1201億円を占める着うた系が最大の規模を誇る。ただ、市場の伸びでは前年比101%と鈍化しており、884億円規模のゲーム市場も大きな伸びはみられなかった。

 大きく成長したのは、前年比285%の伸びを見せたアバター/アイテム販売市場。ソーシャルゲームを中心に、フリーミアム的な新コンテンツ分野を開拓しており、市場は447億円規模に成長した。

 ほかにも動画専門市場(前年比181%、112億円)や生活情報市場(前年比157%、121億円)、きせかえ市場(前年比155%、99億円)などが成長性の高い市場として挙がっている。iPadや専用端末の登場で注目が集まる電子書籍は、コミックを中心に好調な推移で、前年比127%の500億円規模の市場を形成している。

Photo モバイルコンテンツ市場とその内訳

モバイルコマース市場は1兆規模に肉薄

 モバイルコマース市場は、対前年比111%の9681億規模に成長。物販系は、リアル店舗による取引をメインで展開していた小売業者がモバイルサイトを解説する動きが活発化しており、顧客があらゆる場所から購入できる環境の構築が1つのトレンドになっているという。

 旅行や航空、興業などのチケットを取り扱うサービス系の市場は、前年比111%の3891億円規模となり、利用者がビジネス層から個人層にも広がるなど順調に成長。証券や公営競技、オークションなどの手数料を対象とするトランザクション系については伸び率は減少したものの、公営競技でモバイル利用が拡がったことから、市場規模は拡大傾向にある。

Photo モバイルコマース市場とその内訳

 なお、今回の調査にスマートフォン経由のモバイルコンテンツ関連市場は含まれていないが、モバイル・コンテンツ・フォーラムでは今後、この市場が拡大すると予測。さらに、PCとモバイル、コンテンツのマッシュアップ化などが進む今後の環境が、キャリアのプラットフォームで成立してきた従来型のビジネスモデルに大きな影響を与えることが考えられるとし、フリーミアムのような広告モデルと課金モデルの最適化をはじめとした新たな環境に対応する成長モデルの構築が求められるとまとめている。

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