この調査を踏まえて、神経科学(neuroscience)とリーダーシップを研究しているDavid Rock氏は「神経科学の知見がこの状況の打破に寄与するだろう」と述べています(「Being the Boss Isn't So Stressful After All:結局上司になることは何らストレスにならない」)。
現在の神経科学の最新の研究も、この上司のストレスに関する研究を指示するものだそうで、
One of the big ideas that has emerged out of the connection between neuroscience and leadership is that leaders are largely motivated by what we've come to call the SCARF model.
神経科学とリーダーシップとの関連において新たに出てきた重要なアイデアの1つは、我々がSCARF(スカーフ)モデルと読んでいる要素によって、リーダー人材が大きくモチベーションを高められるというものだ。
このSCARFモデルとは、脳に対して大きな危険(threat)もしくは報酬(reward)をもたらす「5つの社会性ある経験のこと」だそうです。先ほど「コントロール性を部下に付与すべき」という話がありましたが、このSCARFの5要素をうまく提供していくことで、部下のストレスを効果的に減らしていくことができるかもしれません。
ちょっと今回の話題から見るとこじつけ感もありますが、Autonomyつまり裁量の観点は入ってますね。このモデルの詳細を知りたい方は、こちらのPDF(英語)をどうぞ。
ちなみに冒頭で上司の白髪を気にしていた人は、結局このような結論に至っていました。
This could explain the renegade gray hairs I found on my chin stubble this morning.
この(調査)結果で、今朝無精ひげの中に見つけた反抗的な白髪の理由が分かったよ……。
ストレスを感じていたのは、上司ではなく自分だったんですね……。以前上司の必要性や効用に関する記事を紹介しましたが、それぞれのポジションをうまく機能させる人材マネジメントを、取り入れていきたいところです。
ご一読感謝!
※この記事は、誠ブログの「未来の人事を見てみよう:上司が大変そうに見えても、実は部下のほうがもっと大変」より転載、編集しています。
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