――SPACE COTANの現在の取り組みを教えてください。
小田切: 「北海道に、宇宙版シリコンバレーを作る」ことをモットーとして、4月にSPACE COTANを設立しました。「COTAN」はアイヌ語で集落を意味しています。まさにこれから、航空宇宙分野で産業を集積し、地域経済、ひいては日本の経済に貢献していきたいと考えています。
いま、宇宙はゴールドラッシュの時代といわれています。19年では約40兆円のマーケットですが、データ利用、リモートセンシングなどの分野が発達し、40年には約3倍の110兆円まで成長するとされています。
これと同時に、ロケットの射場も不足してくるでしょう。日本では、鹿児島県肝付町(旧内之浦町)、あるいは種子島から打ち上げていますが、一つのロケットに1〜数個の人工衛星しか積んでいません。これからは「コンステレーション」といって、 1つのロケットに数十機の小型衛星を積んで、隊列を組みながら観測頻度を上げていく仕組みが求められます。
SPACE COTANは、大樹町が36年前から取り組んできた「宇宙のまちづくり」事業において、アジア初の民間にひらかれた宇宙港「北海道スペースポート(HOSPO)」の事業推進を任されました。国内外からロケット事業者や人工衛星の企業を誘致したり、教育や観光産業を通じた地方創生にも取り組んだりしています。
19年5月には、ISTが打ち上げた「宇宙品質にシフト MOMO3号機」が、民間単独で開発したロケットとして国内で初めて宇宙に到達しました。7月には、2機連続で宇宙に到達していて、実績を着実にあげています。
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