今回のイベントは宣伝部が企画と運営を担当した。これまで宣伝部は路線統括本部の一部署として、収支を見ながら事業を企画していた。だが21年からは、営業本部の部署に組織が変わった。その意義を、中山グループ長は「あらゆる宣伝活動を事業の収入に結び付けていくこと」だと説明する。
「宣伝部が営業本部の部署になったことで、お客さまにJALのことをいいなと思ってもらうだけでなく、しっかりと事業収入に結び付けることが私たちのゴールになりました。いわゆるブランディングになるのかもしれませんが、費用をかけられないので、スタッフが手弁当で試行錯誤しているところです」
宣伝部としては、現状に危機感も感じている。コロナ禍によって旅客の需要は大幅に減少した。さらに、過去の経営危機の影響などもあり、子育て世代に対するブランディングが急務だという。
「今回のイベントで参加者をお子さんと同伴するご家族に限定したのは、子どもの頃からJALを知っていただくと同時に、親御さんも含めたファミリー層にJALファンになっていただきたいという狙いがあります。
その理由は、今の子育て世代から若い方々に対しては、当社が他社に比べて弱いと感じているからです。50代以上の皆さんは昔から使い続けてくださっている方も多いですが、経営破綻や運行トラブルなど、ネガティブなイメージによって40代以下の新たなファンを作れなかった時期があったのではないかと思っているからです。
何とか若い世代を取り込みたいと考えましたが、航空サービスだけでは難しいのが現実です。そこで考えたのが、JALのイメージを、スポーツを支援することで健康的なものに変えていくことが一つ。もう一つは飛行機を使うときだけではなく、ライフスタイルの中で少しでもJALに触れていただくことです。マイルを活用するのもその取り組みの一環ですね」
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング